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September 30, 2009
出会い
『文房具の波が来るだろう。』そう感じたのは何年前の事だったか。
デザイン家電と呼ばれたブランドには、実は「生活全般のデザインを見直す」
というキーワードがあって、デザイン家電というのは、そのプロジェクト全体
の「一部」であったのです。
わたしの場合を考えると、まず六本木ヒルズのセキュリティーゲートという公
共機器のデザインがあって、そこを通る人をイメージした「IDカードホル
ダー」をデザインしてほしいという依頼からHUBSTYLEが生まれて、そして
そのホルダーを使うビジネスマンの文具をはじめとする「ビジネスの周辺」を
デザインするというカタチでtrystramsが生まれました。
HUBSYTYLEをつけて日々生活していると様々な出会いがあります。
そしてその事が使ってくださる人たちを具体的にイメージできるという貴重な
経験をしています。
きっとtrystramsはもっと広範にこれまでに知り得なかった人たちとの新たな
出会いを運んでくれると思います。
プロダクトには人の出会いを生み出すチカラがあるのです。
08:44 PM
ふつうの人
インタビューの紹介が続くのも不思議ですが、今日も紹介。
イタリアの建築家アントニオ・チッテリオと本間美紀さんのインタビュー記事
が興味深い。
洋の東西を問わずにある年齢がくると「ふつう」であることの大切さに気がつく
のかもしれません。 日本でも深澤さんが何年も前から「ふつう」を何度も
語ったり話したりしているが、かく言うわたしも「ふつう」であることの大事
を話しています。
それは人生にすりこまれたひとつのタイマーのような言葉かもしれません。
余談ですが、わたしも事務所との行き帰りに「なにか」が起きないようにする
ために家を変わった経緯があります。
ふつうはふつうにあるんじゃなくてたどりつくものかと思った次第です。
10:36 AM
September 29, 2009
本質
それにしても海外のプロダクトデザインを見る機会が減っていると感じます。
数人のデザイナーの名前しか思い浮かばない。そういう状態になるとは思って
もみなかった。
01:51 PM
September 28, 2009
大辻清司
家から事務所に行く時に、ちょっとした商店街があります。ちょっとした。
その通りのしぶい焼き鳥屋さんの角を曲がると、有名なコンクリート打ちっぱ
なしの住宅があります。建築家は篠原一男(1925 - 2006)。
その建物は「上原通りの住宅」(1976)と呼ばれている。
当時わたしは名古屋の大学にいたのですが、この住宅の写真をいろいろな雑誌
で見た記憶が強く残っている。
この住宅が自分の「生活圏」にあることを知ったのは、引っ越してきてからそ
う経っていないころだと思うので20年ぐらいは経っていたかもしれません。
調べてみるとこの住宅の住み手は大辻清司(1921-2001)さんという写真家
だということがわかりました。
写真実験室とこの住宅にあるアトリエのことを呼んでいたそうです。
と同時に篠原一男の住宅の実験室だったのかと思う訳です。
この家はへいも無くすぐに通りに面しているのですが、以前オーナーの大辻さ
んがいた時に感じた家からくる緊張感がなくなっているからです。 そういう
のが状況を知らない自分にもわかるから家は生き物だと思うのです。
06:18 PM
September 26, 2009
トップランナーという事
一昨日の夜、ひとつの記事を見てわたしはひとりで驚きそして感慨にふけりそ
してこれでひとつの段階が終わった事を感じた。
今年のはじめにエキサイトイズムの特集記事のお話があったとき、『わたしは
トップランナーじゃないですよ。』そう思った。それぐらいの客観性は持ち得
ているわけで、どう考えてもこの2000年代のはじめの10年間をトップラン
ナーとして牽引してきたのは深澤さんであることは明白な事実だ。
もちろんインタビューでは何度も、「日本を代表する」といった言葉がいとも
簡単に名前の前に載っている事はこれまでに経験しているので、「トップラン
ナー」という言葉も「先導役」ぐらいの意味合いと思って受け止めた。
わたしのインタビューは「トップではないからこそ言える事言うべき事」に
終始した内容だと思っているし、正直もっと「自分のデザインの話」をすべき
だし、その「傍目を気にしない」方が読んでいても気持ちがよかったとは思
う。
いやもうそう事もこれまでにしよう。来年からはじまるあたらしい10年に向
けて確信をもってデザインをしていこう。
デザインとは『これしかない』と思いながら生まれる多様だと思う。
06:25 PM
東京大学 本郷







05:30 PM
September 24, 2009
天童木工
今日からPdwebの「これが人気プロダクトの生産現場だ」に天童木工編が
掲載されています。
01:42 PM
リ・スラクチャー
そのむかし、「かっこいい良い事務所」から状況的に継続が難しいと思いそこ
を出た。 出る時にこそこそ出るのもいやなので、なにをしたかといえば
「リ・スラクチャー」と題して「作品展」をその事務所で開きました。
つまり「閉所記念」を開いた。しゃれですね。
近くにあった梱包材のお店から畳一枚分のフラットな段ボールを買ってきて
そこにスケッチを一杯貼って展示しました。
その事務所に居た事はとてもいい思いでだし、なによりデザインの質と環境の
関係が「関係ない」と言えるという確かなひとつの経験がなにより貴重です。
11:13 AM
September 23, 2009
欄干
「大阪の良いところ」を言う時に人はちょっと「力む」。
良いところを聞かれる時点で、すでに「そうでないと思うのですが」という
ニュアンスがそこにあるからだと思うのですが、何度も大阪に行く(戻る)よ
うになってしかも大阪市内を歩くようになって思うのは、京都と近似している
ことです。
「あらかじめいいと思われている代表」の京都と似ている部分を発見するのは
ちょっと面映くてくすぐったい。
何年か前に梅田から難波まで御堂筋と平行しながらちょっと海より(西側)の
道を歩いて行きましたが、そこかしこに京都の町家と似た風情の民家が並んで
いるのを発見しました。 かく言うわたしも小学校の半ばまで大阪市内の町家
形式の長屋に家族が住んでいました。 間口が小さくとも奥行きがあって中庭
があって奥に離れ家があるそんな家でした。
わたしが生まれてほどなく、家の前の道路が舗装拡張されてその影響で玄関が
車道から50センチ程下がったようになりすっかりそのあたりの様相が一変し
たようです。それ以前の道幅が狭い時にはひょっとしたら夏には玄関前に縁台
を持ち出しても平気な風情の通りだったかもしれません。まあ今にして思えば
の話ですが。
先日友人のHくんと話していて彼の育った此花区が昔リゾート地のような場所
であったと聞きました。今はユニバーサルスタジオが出来てまさにリゾート地
になっていますが、わたしが育った事その地はまさに阪神工業地帯の中核の場
であり工場の噴煙や工業排水によって河も地上もすすけた印象しかありませ
ん。たぶん19歳で大阪を出たわたしの中での大阪は、そういう思い出によっ
て形成されているのです。

05:14 PM
箱だけの人

11月の写真展にむけて準備を進めていますが、8月後半からの好天もあって撮
影も順調に進み、セレクトした写真のプリントや会場構成、広報用の資料作り
なども用意が整い、後2ヶ月残した時点としては上出来です。
これも俊敏で気の行き届いたスタッフのおかげと感謝しています。
昨日も、簡単な「準備委員定例会」のようなミーティングをしたのですが、先
日信号電材から送っていただいた信号機のパッケージ段ボールを見ながら『こ
れを展示台として使うといいかもしれない。』というアイディアが出て、それ
はいいという話になった。
わたしが信号電材と仕事のつきあいが始まって4年が過ぎましたが、その最初
の仕事が「段ボールデザインの見直し」でした。
わたしの「パッケージ」に対するデザインというか考え方は基本ひとつです。
●中身になにが入っているか判る事。
●パッケージそのものが「展示品」になり得る事。
●その売り場・倉庫が明るくなる事。
●それらをコストをかけないで最大の効果を得られる工夫をすること。
デバイスタイルやMAでは「パッケージそのものが「展示品」になり得る
事。」が重要だったし、普通でもフルカラーで印刷されているパッケージが
多いジャンルのなので、それなりにコストはかかっていますが、売り場の
「華やぎ」には多少貢献しているかと思いますし、なにより棚に入っていても
すぐにその製品を店員さんが見つけ易いようになっています。
一方、信号機の梱包段ボールはほとんどの人が見る事がありません。
目的の大部分が倉庫での管理や作業場での「判別性」がポイントです。
わたしは単色で判りやすいように、段ボールの薄茶と補色関係の青色を選び
ました。 それだけ。
実寸ではないですが、横面の簡易図と正面の簡易図が印刷されていて写真のよ
うに積み上げた状態でもすぐに「信号電材製」という事が判ります。それだけ。
昨年だったか、新しく設置されていて稼働する前の状態の信号機にこの段ボー
ルを使った「カバー」がしてあるのを見つけました。 すぐに判りましたね。
04:21 PM
September 21, 2009
6年をへて
そうそう。大阪で聞いたのですが「ぷっスマ」で一本用ワインセラーが登場し
たとか。ミッドタウンのショップでの一場面だったそうですが、それを聞いて
わたしは6年前に「スマップスマップ」でメンバーの誕生日を祝うプレゼントと
して選ばれたのが一本用ワインセラーでした。
同じスマップのメンバーが出演する番組で6年後同じ商品がプレゼントとして
登場した事をうれしく思うのです。そんな事は稀だと思うしね。
03:25 PM
ミスをふせぐデザイン

写真は、はじめて乗った大阪京阪電鉄中之島線の駅の券売機。
実はわたしが基本デザインした高見沢サイバネティック製の券売機の最新型。
特徴は「半円形」をしたコインをごそっと入れる事の出来る小銭の投入口。
例えばデートの時に彼氏が「代表」して切符を二枚買う。その時に財布から出
した小銭が彼女が「所作」を見られていると緊張して投入口をはずして下に
落としてあたあたと彼氏が小銭を拾う様をだれも見たくないでしょ?
ATMで込んでいるときもたもたしている人を見たくはないでしょ。
というわけで男らしく(女らしく)どどどっと小銭を投入できるように考えた
わけです。
そういう事を考えてわたしは「カタチ」を考えています。
デザインってデザインする事じゃなくてそういう心理や行動やを考えて「失
敗」することから無言で救い出す事だと思っている訳です。
02:33 PM
渡辺節

もうひとりの渡辺さん。
渡辺仁さんの名前を聞くとわたしは同時に渡辺節さんを想起します。
渡辺仁さんは1887年生まれ、渡辺節さんは1884年生まれ ともに東京で生
まれて東京帝国大学建築科出身。
渡辺節さんの仕事は関西に多く、以前訪れた綿業会館、大阪ビルヂング通称ダ
イビル本館 。写真は神戸にある商船三井ビル。
そして渡辺節さんと聞くと、一番弟子ともいうべき村野藤吾さんの存在に行き
着く。興味深いのは村野さんは1891年生まれで、師匠と7歳しか違わないこ
と。
古典主義的様式の渡辺節さんの元で働きながら脱古典様式を模索していたんで
すね。そう考えると村野さんは日本の建築様式の転換におおきく関わってきた
事を思うのです。
09:58 AM
渡辺仁

この第一生命ビルは戦後GHQが接収して本部を置きマッカーサーがここで指揮
をとっていた事はあまりにも有名ですが、皇居に面しその隣接した道路をしば
らくいけば警視庁、そして国会議事堂に続くというまさに交通というが日本の
頸動脈のつぼみたいな場所にあります。
設計者の渡辺仁さんについては詳しくないのでウィキペディアをみましたが、横
浜のニューグランドホテル。銀座の四丁目交差点に立つ服部時計店すでに姿の変
わった有楽町の日本劇場(日劇)、前川國男さんの「課題違反」であまりにも
東京国立博物館のコンペ(東京帝室博物館計画案)で選ばれたのが渡辺さん
だった。そして今は美術館になっているモダニズムの邸宅「原邸」など。 まさ
に「東京の景色」を丹下健三以前に造っていた人物だといえるでしょう。
09:37 AM
September 20, 2009
日本銀行大阪支店

08:29 PM
福島慕情
大阪の打ち合わせをおえて、大阪のformroom仲間と合流。
初めて乗る中之島線で終着駅の「中之島」で降りる。
大阪がすごい勢いで変化している。美しくなっている。
中之島の変貌が環状線の「福島」駅周辺をおもしろい場所に変えています。
今回はじめて知りましたが、福島駅の周辺はいっぱい飲食店が出来ていて、そ
れもその周辺に昔からあった「長屋」を改造したものが多く、一瞬京都の町家
に来たように感じます。
その中に以前からあっただろうおでんやさん。お客さんが並んで待っていて大
繁盛。 一年の中でももっともすごしやすい季節の夜を堪能しました。


08:12 PM

07:56 PM
11年

17日の朝、わたしは九州行きの飛行機に乗っておりました。
前日にあった新しい政府のニュースを読みたくて機内で新聞を読んでおりました。
朝日新聞を開けると岡田さんの写真にすっと目がいきました。
それは岡田新外務大臣が外務省に初登庁する様子を写したものですが、まさに
あのセキュリティーゲートを通る瞬間を写したものでした。
ほんとに自分が関わっていなかったらそこには目をとめなかったと思うのです
が、すっかりわたしは「主人公のまわり」に目がいく癖がついてしまいました。
このセキュリティーゲートが世に生まれたのが1998年もう11年も経った。
こうやって今でも活躍してくれているのは、ほんとにすごいことだと思います。
07:36 PM
September 15, 2009
手書き
家電Watchにコクヨのノートフォルダー「SYSTEMIC」についてのレビューが
掲っていて、そのレビューの最初にこう書かれています。
『近年、文具店などを見ていると「手書き」が復権しているのを強く感じる。』と。
それはまさに今回デザインした「trystrams」を考える上で重要なキーワード
だとわたしも感じていた事に他なりません。
さらにいえばこれまで手書きで定番と思われていたものが、ちょっと時代の中
で変化が必要になっているのではないかという仮説があります。
パソコンが出現してどんどんそれが小型化ポータブル化が進んでまったく
「手書き」というものが必要無くなるかのように思われて、筆記具やノート類
がその立場を失いかけていたが、ここ数年急激に再評価されているように思い
ます。
昨年の家電Watch「国際文具・紙製品展」の取材リポート(まったく
楽しそうなわたし)
でこう話しています。『複合ペンの流行がキテるんですよ。「ほぼ日手帳」が
流行っているでしょ。あれをきっかけに、複合ペンを使う人が多くなった。』
今思えば「ほぼ日手帳」のヒットは複合ペンだけではなくて手帳そのものの再
評価につながっているのかと思います。
そう評価する一方で、自分自身はもっと「アバウト」にしかスケジュールを
管理(書き込み)しないので、そういう自分にとっての「リアル」を商品化
したのです。
「手書き」をデジタル時代に適したカタチでデザインする時代が来たのだと
思うのです。
06:33 PM
September 14, 2009
景色としてのデザイン
坂井直樹さんのブログで信号機について取り上げていただきました。
ありがとうございます。
書いていただいて改めて自身が気がついたことが幾つかあり、感謝しております。
今写真展の為に街に出てはぱしゃぱしゃシャッターを切っておりますが、恥ず
かしさもあるのか信号機をどんど撮ったものが一枚も無い事に気がつきました。
「デザインはデザインの周辺でできている」というのが今年のはじめに開いた
「空気のてざわり」展のコンセプトというか全体をまとめた考え方でした。
今回の写真展もやっぱり同じような考え方があって「信号機」がどう日常の
「景色」になっているかを伝えられればと思っています。
つまり「どうでもいい存在としての美しさ」なんとも希薄な気もしますが、
大量に街の中にあるものはそれぐらいでちょうどいいかと思っています。
要は「信号機が今渡っていいのか渡ってはいけないのか。」それが伝わるので
あれば信号機そのものは「消えていい」というのが、わたしの考えです。
「消えるデザイン」というのは「在るデザイン」よりもむつかしい。
むつかしいけれどなんだか美しい。そう思って新しいデザインに挑戦していま
す。
坂井さんどうもありがとうございました。
10:03 AM
September 13, 2009
私説「プレゼの極意」
わたしはプレゼンテーションが苦手であり、かつあまりしない。
あまりしないというのは全くしない訳でなくどうしても必要であればするわけ
で、それをしないことに哲学やポリシーがある訳でないのです。
「冬場の銭湯」みたいなものかもしれません。行けば気持ちいい事は判ってい
るしかしなんだかおっくうだったりするわけです。
成功体験もないわけではありません。『すごいすね。』なんて言われた事も一
度や二度ではないとは思います。なにせ独立してかもすでに20年が過ぎてますから。
それと会社時代には一介のデザイナーで終わった事もあって、他人のプレゼや
外部デザイン事務所のプレゼというのもほとんど見た事も無いので、自分が
本で見た建築事務所の説明パネルを参考にしてパネルを作った事しか無い。
卒業制作と最初のコンペのプレゼパネルの制作の時点でわたしの「成長」は止
まっているようにも思います。30年前でとまっている。こりゃ古い。
「プレゼの極意」なんてタイトルで『おっ!』と思って読み始めた人たちも
これだけぱっとしない事を書かれているとおよそ1/3まで読む人が減っている
と思うので、残った人たちのためだけに「極意」を書くのですが、
それは「挨拶」と「遅刻をしない」と「元気」というキーワードです。
つまり「毎日自分自身を周囲にプレゼする」という事なのです。
ごめんごめん。つまんなくて。でもね、世の中「つまんない」ものです。
ぴかっと輝いていないのです。
でもね。これは「見る側」「選ぶ側」になると判るんです。
真理なんです。
デザインってもっと「フリーダム」な世界だと思うのですが、残念というか
当然というか、一歩部屋からでれば(でなくとも)「社会」というか「会社」
がそこにあるわけで、そこでは「デザインって何?」という世界ですから
その場所で「公用語」が常識しかありません。
もちろん「世間からずれたスペシャルな感覚」でプレゼできることもあるで
しょうが、少なくもとあなたが『最近の後輩は挨拶がわるい。』とか『なんだ
か敬意が感じられない。』なんて感じているようであれば、それはもう「ふつ
う」であり「社会」でいる事を自ら認めた証です。
というわけで選択肢は「後輩を許し」自由にかっこいいプレゼして勝ち取るか
「常識ある振る舞いの日常」で行くかしか道はない。
例えばあなたが新製品のプレゼを決定会議でしてその後で『なんだ君は、日頃
は元気で仕事できそうなのに、肝心のデザインは下手だね。』なんて他の部署
の部長に言ってもらったらそれはもう「グッドジョブ」だったと思うべきです。
あくまでも「私説」ですけどね。
08:33 PM
September 12, 2009
老けたデザイン
trystramsは三人のデザイナーによる共作です。 世代の異なるデザイナー
がそれぞれのテーマをもってその製品を作り上げています。
デザイナー名もテーマもまだ触れませんが、わたしの持ち分はわたしの実年齢
と近いところにあります。
考えました。世代のデザインについて。
デザインっていうものは、思えばいつも「若い」。若々しいというべきでしょ
うか。デザイナーの年齢に関係なくいつも「若いデザイン」を目指すのが基本
のような気がします。
それはデザインだけでなく、俳優や歌手の人もおよそ「人から見られる仕事」
に関わる人たちはできるだけ「若い時とおんなじ」というのが価値観のように
思います。
思ったんですね。「老けたデザイン」という評価軸というものはないものだろ
うかと。
さきほども言いましたが、世界中を見回しても「老けたデザイン」というのは
なかなか見当たらない。「古いデザイン」とはちがいますよ。
そこで思い出したのが、建築家のミース・ファン・デル・ローエ。
彼のデザインは残された写真同様「年齢不詳」というか、若い時でもなんだか
40代の風格があって、ジャスト年齢が60歳ぐらいのような気がします。まっ
たく勝手なわたしの推測ですが。
彼が残した建築は、「若い」という言葉はなんだか似合わない。いえば「大
人」のデザインという感じでしょうか。
わたしはどうもこの「大人」という言葉が苦手です。自分も「おとな」なんて
言われるような落ち着きも見識もどうも自信がありません。
あえていえば「老けた」といういささかあまり良い意味が感じられない表現が
かえってしっくりきますね。
しかし今後インタビューをされた機会に『ふふ 老けたデザインを目指したん
でしょう。』という事を言える自信もまたありません。
07:59 PM
デザインの冒険

11月に開催予定の写真展の準備をすすめています。
この展示会の裏テーマというかだいじなメッセージを話すとそれは
「デザインの冒険」という事かと思います。
ふつうに考えれば「デザインの冒険」は新しい事への果敢なチャレンジに他な
らない。これまで見た事のない造型・カタチを新しい素材でもって新しいデザ
インの世界を作り出す事それこそが「デザインの冒険」でありまさにコロンブ
スの新大陸発見の航海のようなものだと思います。
冒険には勇気がつきものです。
そしてデザインはいろいろなデザイナーの勇気の歴史と形態化といっても過言
じゃない。
そうだとわかった上で書くのはデザインの冒険がそういうぴかっとしたとは限
らない。というわたしの思いです。
JR九州に乗る機会が多いのですが、車両デザインを手がけた水戸岡 鋭治(み
とおか えいじ)さんの仕事は、りレーツバメや九州新幹線のデザインという
花形車両のデザインに注目が集まりがちですが、実は一番の「冒険」は、二両
編成だったりする各駅停車の普通車両にあります。 座席の素材をかえたり
窓の無い部分のシートにはヘッドレスト(頭のせ)をつけたり、床の色彩に工
夫したり至る所にデザインが施されています。
もちろん「見てしまえば」「出来てしまえば」なんでもないように思いますが
たまに東京でも見かけるような車両に遭遇するといかに、それを考えつく事と
認めてもらえる為の勇気とエネルギーが大きいかに思いをはせます。
いやコロンブスも出航する時は、「地味」だったかもしれないですね。
『これでもそんなに問題ないと思いますよ。』たぶん信号機のデザインもそう
いう範疇にいるかもしれません。でもね。可能性をわたしは感じているのです
よ。コロンブスの卵かもしれませんよ。
ちなみにこういうイラストを描いて載せるのも実は勇気かなあと思ったりしま
す。
12:42 PM
September 10, 2009
ぼくだ!
千葉工大の山崎先生のブログ「SMILE EXPERIENCE」でブルーノムナーリの本
「ムナーリのことば」の中にこういう事が書かれていると一文が紹介されて
いました。
『アイディアに乏しいデザイナーほど高級な材料を使いたがる。』
笑ってしましました。 そりゃわたしの事ですね。ムナーリおじさんに見られ
てましたね。 ステンレスの塊使ったりしてますから。
たしかにそうですね。アイディアに乏しい。
しかしムナーリおじさんの言葉はそのまま受け取れないというか受け止めては
いけない部分もあります。それはこれまでその著作を何冊か読んだ感想です。
ここ日本にいてイタリアのデザイン事情は推し量れないですが、そうとういろ
んな壁がある事をおじさんの本から伝わってきます。
高級な材料を使える状況がね。 しかしながらダネーゼの製品は結果として
「高級品」だというパラドクスもあったりします。
ノーは書かないけれどバットは書いたりするわけですね。
10:33 AM
September 09, 2009
Pdwebコンペ
「Pdwebデザインコンペ2009」の公募がはじまりました。
12:19 PM
ギフト

昨日ギフトショーにスタッフ共々出かけてきました。
春に開催されたギフトショーですでに入場者数が20万人を越えたそうですが
あの広大なビックサイトの展示スペースをすべて使ったイベントというのは
圧巻だった。
目的のtrystramsのブースは、おおきな空間を贅沢に使ったすっきりとした展
示でした。正式にプロジェクトの全体像がオープンになるのは10月1日という
事なので、ここで多くを語れないのが残念ですが、それは「文房具」のデザイ
ンであることと、三つのコンセプトをそれぞれ担当した三人のデザイナーによ
る集合体のブランドであるというにとどめるのですが、その三人の個性が、
ユーザーの要求に幅広く答えられる手応えを展示から感じました。
「文房具」と書きましたが、文房具にとどまらない広がりをtrystramsという
ブランドは意識しています。
それは「デザイン家電」と言われているブランドが、関わったデザイナーが目
指しているのは「生活者のライフスタイル」全体だという事に案外目を向けら
れていないですが、そこではすでに文房具も「包まれている」。
わたし自身MAという生活家電に関わった後で押し進めたのがPrimarioという
文房具(机に向かった時に使うものという定義でしょうか)だったわけで
身の回りにデザインを「働かせれば」どういう事になるのかという事への
自然な「好奇心」と工夫のように思います。
わかりやすく言えば、自分のもっているデザインの世界観で生活をしてみたい
欲求に他なりません。
そういうとモノがあふれた中で「さらに個人的なものをふやす」という行為
にしか受け取られないかもしれませんが、いつも考えているのは、すでにある
ものふたつをひとつにできないか。ふたつの必然をひとつの必然にしぼれない
のか。モノを作る事によってモノが減らないのか。という仮説です。
trystramsにこめたのは、すでに定番と思われているモノへの問いかけとわた
しなりの解答です。 回答じゃなくて解答という製品作りです。
09:47 AM
September 07, 2009
村野藤吾3

04:04 PM
新丸ビル

「東京の景観はだれが作っているのか」わたしは三人の建築家をあげましたが
ほんとに景観を作っているのは特定の建築家ではないでしょうね。
それにしてもこの「新丸の内ビルディング」というのは、ほんとよくできた
「商業ビル」だと思います。
何度行っても変化を感じるというか奥深くて「わかったのかわかないないのか
わからない」という感覚になってまた行きたくなってしまう力をもっています。
このビルを設計したのは三菱地所で、施工は竹中工務店。
01:50 PM
ステージ

01:31 PM
September 06, 2009
消えるデザイン

たぶんこの街路灯を紹介している最初の記事になるんじゃないかと思います
が、銀座の松屋百貨店とその向かい側の店舗前に写真のようなデザインの照明
器具が新設されています。
昨日、信号電材のKさんから紹介いただいたばかりなのですが、つい最近も銀
座に何度か来ていますが気がつきませんでした。
この街路灯写真でもわかるように「背景」にある商業ビルと同じ素材を身にま
とっています。つまり松屋とアップルの隣にあるビルはグリーンの硝子で出来ています。
そこに最低限必要な照明部分を載せているのですが、ほとんど背景と一体化し
ています。一段とデザインの世界が深まっている事を「目立たないもの」から感
じ取りました。
追伸
これは3年前に開催された「街路灯コンペ」の実施案であることがわかりまし
た。ほぼスケッチのイメージ通りに仕上がっています。
04:01 PM
ノーを言わない
もう何年前になるんでしょうか。
わたしは仕事でもブログでも「ノー」ということを言ったり書いたりしないよ
うに決めました。
必ずと言っていい程『いいですね。』そこから会話をはじめることにしました。
すべての事は「いいと思って進めている。」はずです。
わたしはそれを信じる事にしました。
もしそうでなければ、その仕事は仕事じゃないと思っています。
わたしは相手に向かい合うのではなくて寄り添うように仕事をするようにした
のです。
わたしには左に走り始めているものを右にするパワーも説得力も無い事はこれ
までの体験でわかっています。言ってみれば自分の方向と違う事に気がつかな
かった自分を責める事こそすれ、相手の問題じゃないと思います。
わたしはブログを通して読んだ人が元気になったり気持ちが上がったりするよ
うな話をしたいと思っています。
これまで何度も『こりゃ一言言いたい。』そう感じた事がありましたが、それ
は言わない書かないようにしていましたが、世の中のバランスというものはよ
く出来ていて、3年5年という時間をかけて「言いたかった事」が、あの時書
かなくてよかったと思えるようになっています。
もうひとつ言いたい事が有ればそれを仕事の「カタチ」で言おうと決めたので
す。
たぶんそんな事をわたしが考えているとは、カタチからは見えないと思います
が、メッセージがそこには込められているのです。
もちろん「ノーをカタチにする」というのは困難ですが、「こういうカタチも
あってしかるべき」という事はカタチにできるものです。
どうあれ「不快」はカタチに残さない。
02:42 PM
三菱一号館


11:23 AM
村野藤吾2

11:14 AM
前川國男

11:04 AM
September 05, 2009
削り込み
今日からpdwebにブックレビューの169回目が掲載されています。
林昌二という人は、今のデザイナーの人にはそう馴染みの無い名前かもしれま
せん。しかし建築をしている人には忘れる事の出来ない名前だろうと思いま
す。
どういうことをしてきた人なのかは、すでにこのブログでも触れているので、
それを見ていただく事にしますが、学生時代からずっと気になり続けてきた建
築家でもあります。
篠原一男さんもわたしの中ではずっと気になり続ける人ですが、その気になっ
ていたポイントがわたし独特の観点ですが、どちらの人物も「スーツの着こな
しがすばらしい」というか一部の隙もないところがすごいと思い続けていたの
です。そういった意味では丹下健三さんもスーツのきこなしで気になっていま
した。
たぶんそれは1960年代から1970年代の建築家に共通のモラルだったのだと
思いますが、「社会的責任を負っている」そういう自負心の現れだったのかも
しれません。まあ社会全体がそうでしたから。
晩年の篠原さんが、髪型も服装も当時知っていた篠原さんとまったくちがって
フランクというか「芸術家風」になっている写真を見て別人と思ったぐらいで
す。
わたしのブックレビューと読み合わせてほしい記事が有ります。
グッドデザイン賞の審査委員長をつとめる内藤廣さんとの対談ですが、そこに
写っている林さんもまた「別人」のようです。
内藤さんは、ほぼわたしと同世代なのでその対談で出てくる林さんに対する
内藤さんの質問や感想はあたかも自分の感じてた事とオーバーラップして
とても共感しながら読みました。
林さんは「食えない人」というかとてもふつうの人の尺度でおしはかれない
底の深さと広さを感じるのですが、そこにちゃんとした「仕事の実績」が
あるんだからますます手に負えません。
そういう事を考えて書いていたらあっというまにブックレビューが長文になっ
ていました。そこから削れるところをえいやという思いで削ったのが今回の
ブックレビューです。
その削った部分にこういう文章がありました。
『人にスポットライトをあてたドキュメンタリー番組がありますが、「ぐんぐ
ん引き込まれる時」と「途中で見るのをやめてしまう時」があります。
それに対してスタッフのKくんが本質的と思える意見を言ったのです。
『どれだけ取材したものを捨てたのか、拾ったのか。その差がおもしろさの
違いになって画面にでるんじゃないないんでしょうか。』
11:50 AM
September 03, 2009
桑沢祭

昨年はじめて審査委員として参加させていただいた「桑沢グランプリ」。
去年に引き続き今年も声をかけていただきました。
とても面白くてたのしかった。それは展示を見るだけじゃなくて、作品を作っ
た学生さんが大勢の観客を前に説明(プレゼンテーション)する時の、スリリ
ングな空気にもあります。
説明は難しいのですが、とても東京の学校だという気がしたのです。
05:30 PM
ブランディング


昨日から幕張メッセで開催されている「2009分析展」に出展した旭製作所の
ブースデザインを担当しました。
わたしはインテリアデザイナーでもディスプレイデザイナーでもありませんが
このブースを旭製作所のブランディングの一環として捉えてデザインしました。
会社のログマークを集約して、見に来た人の目線に入るところに位置をきめて
極力無地の部分を多くして、展示されているものに集中できるように考えまし
た。
一番の特徴というかブランディングとして考えたのが背景板にもうけた四角い
穴とそこに置かれたフラスコそして下からのライティングです。 これは旭製
作所が手がけているものが硝子製品であり、「耐熱性に優れている」という事
を暗に示唆しています。
このブースのダーググレイにも会場での効果だけでなく、ブランディングとし
てのトータルな意味が有ります。
これまでおおきな展示スペースを借りていたものをコンパクトにして、参加で
きるイベントの数を増やしていこうという最初のブースでもあります。
デザインは基本的に同じスタイルにして、展示ブースそのものも再利用(リ
ユース)も視野に入れて考えています。
今回の展示を通してわかった問題点や改良点を検討してさらに「わかりやす
い」「見やすい」「印象に残りやすい」そういう展示ブースに進歩させてい
きたいと思っています。
10:27 AM
September 01, 2009
ブランド誕生
これまで一度もここでふれた事のない仕事です。
今日の段階では「ギフトショー2009秋」に、プロトタイプを展示するという
案内しかお伝えできないのです。どういうものかにもふれません。そんなわか
らないずくめの紹介なのにあえて言えば、
たぶんおそらくこれからの10年2010年代のデザインを語る時に欠かせない
プロダクトになるんじゃないかと思っています。
デザインの領域が広がっている。ただ広がっているんじゃなくて日常のなかで
埋没していたプロダクトたちが輝き始めるのがこれからの10年のプロダクト
デザインじゃないかと思っています。
この一年とても貴重な経験をみんなしたと思います。
それはなにかといえば「仕事する大事さ」「仕事があるありがたさ」だと
思います。
「仕事をたのしむ」「生活をたのしむ」そういう基盤と前提がいったんリセッ
トされたのです。
わたしはその様子をずっと見ながら自らも感じながらプロジェクトに関わって
きました。
「よい仕事を生み出すよき道具」を作る事を念頭にデザインをしています。
09:55 AM





