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August 30, 2009


ランドスケープ

次回のブックレビューで建築家林昌二さんの著書を取り上げます。

林さんについては、先日ここでパレスサイドビルつまり毎日新聞社について触
れましたが、他にも銀座交差点の三愛ビル、新宿のNSビルや日比谷公園横に
ある日本プレスセンタービル、五反田のポーラ本社、中野サンプラザ、ビル風
対策を取り入れた建物の中程に吹く抜けのあるNEC本社など沢山のビルを手
がけられていてそれらは今でも現役で活躍をしていますが、まさに東京のラン
ドスケープを形成しているといっていいかと思います。(日建設計という設計
事務所にずっと属されていたので個人の仕事とは言い切れない事を追記してお
きます)

そしてそれらのビルには「ひとこと」で言えるような特徴を、カタチなり技術
なりにあるところもランドスケープの名手たるゆえんかと思います。

テレビの「美の巨人たち」で、先週は前川國男さんの自邸が取り上げられ、昨
日は山田守さんの武道館が取り上げらましたが、私自身がこのところ建築を写
真撮影のおりに見る事が多いのでちょっとした建築への好奇心がひさしぶりに
再燃しています。

だれが東京の景色を作っているか? そう問われれば建築しろうとわたしから
見てまず丹下健三という名前をあげるでしょう。そして次に村野藤吾そして林
昌二とつづきます。

事務所の台所の窓をあければ東京都庁の高層こそ見えませんが、都庁に似たデ
ザインの東京ガスの高層ビル、そしてエンパイヤステートビルに似たNTTドコ
モの本社ビルが見えます。少し歩けば代々木体育館もあり新宿駅前にはコクー
ンビルという特徴的なビルができました。永田町の赤坂プリンスホテルもすば
らしいし、東京カテドラルという名作もあり銀座には先日紹介した静岡新聞社
のシリンダーがあり、表参道には名前が変わってしまった森英恵ビルがあり
246号線が赤坂に近づけば草月会館もあり後楽園には東京ドームホテルがあ
る。

さらにいえば今は東京フォーラムになっている場所には1957年から新宿に移
転するまで建っていた東京都庁も丹下さんの設計でした。いやもうすごい。

他方、村野藤吾さんは先日写真を載せた「千代田生命本社(現目黒区総合庁
舎)や帝国ホテル横の日生劇場、東京フォーラム(旧東京都庁)に隣接した読
売会館(そごう百貨店、現ビックカメラ有楽町店)大手町にある日本興業銀行
(現みずほコーポレーション銀行本社)、品川のグランドプリンスホテル新高
輪など特徴ある建築が多くあります。

村野藤吾さんは1891年生まれ、そして山田守さんは1894年、前川國男さん
は1905年、丹下健三さんは1913年、林昌二さんは1928年生まれ。さらにつ
づければ槙文彦さんは1928年、磯崎新さんは1931年、黒川紀章さんは1934
年、安藤忠雄さん伊東豊雄さんは1941年生まれとつづくわけです。

なぜ建築家の生年月日を記したかと言えば、東京オリンピック.大阪万国博覧
会と国家規模の大きなイベントで確かな成果をあげた丹下さんより「年上だっ
たのか、年下だったのか」そこにおおきな分水嶺を感じるのです。

04:19 PM