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August 31, 2009
説得力
聡明というのは問題があったとき、その問題が難しい事を「認める」ことに
他なりません。
説得力というのは、その問題が難しい事を他の人に「認めてもらえる」力の
ことだと思います。
もちろん問題が解ける事はすばらしいけれど、その問題が「解けない」事をみ
んなに理解してもらえる力の方がもっと次元の高い説得力では無いでしょうか。
05:28 PM
August 30, 2009
ランドスケープ
次回のブックレビューで建築家林昌二さんの著書を取り上げます。
林さんについては、先日ここでパレスサイドビルつまり毎日新聞社について触
れましたが、他にも銀座交差点の三愛ビル、新宿のNSビルや日比谷公園横に
ある日本プレスセンタービル、五反田のポーラ本社、中野サンプラザ、ビル風
対策を取り入れた建物の中程に吹く抜けのあるNEC本社など沢山のビルを手
がけられていてそれらは今でも現役で活躍をしていますが、まさに東京のラン
ドスケープを形成しているといっていいかと思います。(日建設計という設計
事務所にずっと属されていたので個人の仕事とは言い切れない事を追記してお
きます)
そしてそれらのビルには「ひとこと」で言えるような特徴を、カタチなり技術
なりにあるところもランドスケープの名手たるゆえんかと思います。
テレビの「美の巨人たち」で、先週は前川國男さんの自邸が取り上げられ、昨
日は山田守さんの武道館が取り上げらましたが、私自身がこのところ建築を写
真撮影のおりに見る事が多いのでちょっとした建築への好奇心がひさしぶりに
再燃しています。
だれが東京の景色を作っているか? そう問われれば建築しろうとわたしから
見てまず丹下健三という名前をあげるでしょう。そして次に村野藤吾そして林
昌二とつづきます。
事務所の台所の窓をあければ東京都庁の高層こそ見えませんが、都庁に似たデ
ザインの東京ガスの高層ビル、そしてエンパイヤステートビルに似たNTTドコ
モの本社ビルが見えます。少し歩けば代々木体育館もあり新宿駅前にはコクー
ンビルという特徴的なビルができました。永田町の赤坂プリンスホテルもすば
らしいし、東京カテドラルという名作もあり銀座には先日紹介した静岡新聞社
のシリンダーがあり、表参道には名前が変わってしまった森英恵ビルがあり
246号線が赤坂に近づけば草月会館もあり後楽園には東京ドームホテルがあ
る。
さらにいえば今は東京フォーラムになっている場所には1957年から新宿に移
転するまで建っていた東京都庁も丹下さんの設計でした。いやもうすごい。
他方、村野藤吾さんは先日写真を載せた「千代田生命本社(現目黒区総合庁
舎)や帝国ホテル横の日生劇場、東京フォーラム(旧東京都庁)に隣接した読
売会館(そごう百貨店、現ビックカメラ有楽町店)大手町にある日本興業銀行
(現みずほコーポレーション銀行本社)、品川のグランドプリンスホテル新高
輪など特徴ある建築が多くあります。
村野藤吾さんは1891年生まれ、そして山田守さんは1894年、前川國男さん
は1905年、丹下健三さんは1913年、林昌二さんは1928年生まれ。さらにつ
づければ槙文彦さんは1928年、磯崎新さんは1931年、黒川紀章さんは1934
年、安藤忠雄さん伊東豊雄さんは1941年生まれとつづくわけです。
なぜ建築家の生年月日を記したかと言えば、東京オリンピック.大阪万国博覧
会と国家規模の大きなイベントで確かな成果をあげた丹下さんより「年上だっ
たのか、年下だったのか」そこにおおきな分水嶺を感じるのです。
04:19 PM
August 29, 2009
居住区

わたしはインターネットに住んでいるんじゃないか。
住むと言っても、そこで経済活動をしているわけでもなくて寝泊まりしている
わけでもありませんので「居る」というか「在る」という表現の方が近いのか
もしれません。
わたしはこの一年間を「デザインがいらないことに多くの人が気がついた一
年」ではないかと思っています。
まわりの状況に左右されない事が「いるもの」の重要なポイントだと思います
が、十分左右されたし、豊かでないときも買いたくなるものがどれだけあった
かを考えればデザインはそうとうにきびしい。
デザイナー自身が「いらないもの」と言ったり、「価格がデザインだ」と発言
したりするのは多分に「おかしい」しかし、デザイナーでないデザインと直接
関わっていない人にとっては取り立てて「おかしい」話ではないと思う訳で
す。
そこまで「フラット」というか「素」の状態で説得できるデザインこそが本来
のデザインだと思うのです。むつかしいのです。本来。「大文字のプロダクト
デザイン」はむつかしい。
インターネットで住む話からそれてきましたが、どう言う話からもデザインに
なってしまうのがここで住んでいる理由だと思うのです。
___________________________________
「インターネットに住んでいる」そういうフレーズが浮かんでから数ヶ月前が
経ったのですが、最近「TopHatenar」に「地図」が載るようになりました。
図は、この「Information」の「居住区」です。同じサイズの平屋が並んでい
てなかなかバランスがこのましいなと思った次第。
11:14 AM
August 27, 2009
うれしいものです
ちょっとうれしい記事を見たので書きたいと思うのですが、エキサイトイズム
で、今回のグッドデザインエキスポについての記事を見たのですが、そこに
おぼえのある製品が紹介されていました。
http://www.g-mark.org/nominate/detail.html?entryNo=F1610031
この「腐る食品表示」は、昨年の名古屋デザインDOにエントリーされたもの
で銅賞になったもので、それが一年後こうやって実用化されてグッドデザイン
にエントリーされているわけです。
http://www.idcn.jp/compe/compe2008/result/index_j.html
一次審査の段階からほぼ最終のカタチにまとまっていました。
カタチは「砂時計」のようになっていて、パックの中で「鮮度が落ちる(つま
りカタチと意味がリンクしています)」にしたがってドットが下がるように
なっていて最終的には下に書かれたバーコードを隠して読み取れなくするとい
う「落ち」まで用意されています。
さらにいえばこのラベルが連続してつながった状態の有り様も美しい。
アル意味「地味」なこういうデザインを取り上げてくださったエキサイトの
センスもうれしく思います。
もうひとり名古屋デザインDOでは、その後も活躍をしているデザイナーがいます。
先日結果が発表されたidデザインアワード2009で、今回最高の賞を受賞した
高橋亮次君です。彼の日常への問題意識と学校や会社で培った具体的な解決
力が一段とレベルアップした事が伝わってきます。
「コンペ」は理想だけじゃなくて、さりとて「リアル」すぎるだけでなくて
その両方の要素を持ち合わせているのがいいと思って審査にあたりましたが
その結実を見た気がします。 わたしが特になにを尽力したわけではありませ
んがうれしいものです。
01:52 PM
August 26, 2009
展示会

11月に開催予定の写真展「新東京百景ー信号機編」ですが内容についての打ち
合わせを進めていますが、単なる写真展ではなく「公共機器のデザイン」に
ついてその具体的な例として信号機を紹介する。そういう側面がどんどん強く
おおきくなってきています。
会場には現在使用されている「LED方向者用灯器」実物の分解展示をしますし
「目玉」としては、将来の信号機の提案モデルを展示することになりました。
理屈っぽくなくて信号機に親しみと興味を持ってもらえるそんな展示会にした
いと思っています。
03:44 PM
August 25, 2009
再燃



このトースターは「熱い一本用ワインセラー」だと思っています。
最初わたしが描いたスケッチは「丸く」はなかった。ふつうの四角いオーブン
トースターでした。
製造メーカーで打ち合わせをしている最中に『とにかくおいしく焼けるには
カタチはどうすればいいか?』そう切り出しました。
『石焼釜のオーブンがそうであるように、ドーム型をしていて熱が均等に焼き
物にあたるようなカタチが望ましい。』
そう聞いた瞬間に、頭におおきな円筒形の一本用ワインセラーが浮かびまし
た。
オーブンの熱源は蛍光管のような長くて丸い「棒」です。その「棒」から
ふりそそぐ熱を均等に焼きたいものに当てるには「円筒」が合理的だろうと
仮説が浮かんだのです。
メーカーの打ち合わせのテーブルでこの円筒形のオーブントースターは生まれ
たのです。
昨日の記事を読んでわたしは思いが「再燃」しました。
このパンを焼くときのパンの見え方の「風情」と、焼き上がりのトーストの
美しさそしてなにより表面がさくっとそして中がもちっと焼き上がったパンの
おいしさを伝えたくなったのです。 そしてなんだがパンにやさしい感じが
このトースターにはあるのです。
これはトースターじゃなくて、パン工場のミニチュアモデルのようです。
07:18 PM
August 24, 2009
村野藤吾

10:53 AM
デザイン家電
たまたま見た週刊誌に「デザイン家電」のような特集が掲載されていました。
なぜ「ような」かといえばこれまでデザインという事では必ずと言っていい程
取り上げられてきていたデザイン家電がそこには一点も載っていませんでした。
この2ヶ月ぐらいいろんなインテリアショプやセレクトショップを見てきまし
たが、これまでは特価の対象になっていなかった「デザイン家電」に割引のス
テッカーが貼られているのを見る事が少なくありませんでした。
それが意味するところはセールの「目玉商品」ではなくてそれまで展示されて
いた場所を他の製品に切り替える為の処分であって、秋になったときにはそれ
までお店を彩っていたカラフルなそれらは見る事が無くなる事でもあります。
そんな事を考えているタイミングで「家電ウオッチ」にMAのオーブントースター
MA-OT0701の使用レポートが今日から掲載されている事に気づきました。
すでに「旬」ではないこのトースターがこうやって紹介されることは意義深い
と思いました。
リポート面白いしためになります。実際に使っていることの説得力は大きい。
「値段を考えればとてもよく出来ている。」という言葉は一行もありませんが
購入価格をみるとアマゾンで9450円と一万円を切っているこの商品はあらた
めて「デザイン家電」ではなくて、「デザインに考慮した生活家電」である
と思うのです。
10:14 AM
August 23, 2009
活動

11:45 AM
August 18, 2009
good job

あたらしい信号機は、優雅な場所にばかり設置されているわけではありません。
それどころか薄型のLED信号機はこういう狭い場所で使われてさらにその価値
があるのです。
薄い事によって設置場所選びが「広がる」わけです。さらに信号機が薄い事に
よって軽量になってそれだけ信号機を支えるアームも小さく軽量にできるメリッ
トが生まれます。
つくづく「グッドジョブ」だと思うこの頃です。
03:02 PM
August 16, 2009

02:29 PM
August 15, 2009
アフターデザイン
わたしがソニーにいたのは1988年までですから、すでに20年の歳月が経って
いますが、その在籍5年程の初期には主に音響機器やビデオの業務用機器のデ
ザインを担当していました。
驚くべきはその製品寿命の長さで、特に民放で使われているワイヤレスマイク
はいまだに現役でテレビに登場していますし、Uマチックという大型のカセッ
トデッキやモニターテレビなど時々映画やテレビで「操作室」の場面になると
登場してきます。
当時のソニーの技術の高さとそういう機械の「基本形」というのが20年を経
てもおおきくは変化しない事をあらためて知る訳です。
以前に同年代の人と話した時に『人の付き合いって5年単位だよね。5年間会
わなくても再会した瞬間にその歳月が飛んでしまう。人によっては10年単位
かもしれないね。』そういう話と業務用のデザインはまったくシンクロしてい
ると思います。
なぜこんな事を書き出したかといえば、デザインというのは「ビフォワー」
つまりその製品デザインが生まれた背景や「着想」した事ばかりがとても重要
な事と思われがちですが、実は生まれた後つまり「アフター」がイメージでき
るかという点がとても大切だと考えているからです。
「アフター」を考えると「ビフォワー」は大胆じゃなくなってしまうわけで
す。「若気の至り」なんていうカタチが生み出せなく訳です。
デザインで飽きられないものを作るには、デザインで最初に語られないもの
を作る訳です。 アル意味「いたい」ですよ。
でもそういう押さえた事があの時代に出来たのは、「押さえていない時代」を
経験した後だったからだと言えます。
わたしの作品集にはほとんどソニーの製品は登場してきません。
でも言えば知っているものが結構あったりするのです。20年を経ても。
08:01 PM
インフラデザインの役割

今回の写真展では「LED式歩行者用灯器」にスポットライトをあてて展開し
ようと思っているのですが、同時に展示会終了後は、九州にある信号電材本社
内での展示や国内外にある営業所での展示も視野にいれて撮影をしています。
この写真は渋谷の宮益坂にある明治通の交差点にある大きな交通用信号機です。
双眼鏡で信号電材の銘板を確認しましたが、以前からこの10メートルちかい
長さのあるアームのバランスの美しさに気にはなっていた信号機ですが、あら
ためてそれが信号電材のものであることに嬉しさと信号機の働きの重さやおお
きさを感じたのです。
こうやって東京の街で活躍する姿を記録されたものを会社の人たちに見ていた
だく事は意義深いと感じたのです。
もちろん最終目標は、信号機各社が全体として「美しくなっていく」事にある
のですが、まずは一歩としてこういう写真展で意識がすこしでも高まる役割に
なればと思っているのです。
06:57 PM
晴天力


04:53 PM
ボサノバチャンネル
事務所でずっと流れているのはボサノバ。
iTuneでみつけた「Bossa Nova Jazz-SKY.FM」という局で流れるボサノバが
ずっとかかっています。
おもしろいのは、「この局」を知って街を歩くと結構な頻度で「この局」を
お店で流していることに気がつきます。
夏にふさわしいのですが、わたしの事務所では最近の冷やし中華みたいに年中
流れています。
09:24 AM
August 13, 2009
林昌二さん
数ヶ月前にライターの加藤さんから『毎日新聞社の交差点に信号電材の信号
が設置されている。』という連絡をもらいました。
この日本を代表する傑作建築毎日新聞社が林昌二さんのひきいる日建設計に
よって設計され竣工したのが1966年。43年前。
この建築がすばらしいのはその住み手が、この建築が個人をこえた時代の財産
であることをよく理解していて、いつ行っても「隙」がない。つまり「気」に
よって包まれていることです。



05:56 PM
August 10, 2009
再録
今日はいいお話を聞く事が出来ました。
「こつこつ積み上げるのこつこつってどういう漢字を書くかわかりますか?」
「いや、わからないです」
「こつというのは単位の事で1の六桁下の単位を忽(こつ)っていうんです」
「つまりほんとうにほんとうに些細なものを積み上げていくことを表現して
いるんですよ」
12:23 PM

10:31 AM
August 09, 2009
20年後のデザイン
わたしがこの製品の「当事者」でなければ、この記事をみた印象を『今更どう
して?』。そういうのが一番適切かもしれない。
しかしふしぎな事に、この数日でふたつの記事でこの「一本用ワインセラー」
が取り上げられている事に気がつきました。
どちらの記事にも、この製品がいつ発売されたものかは記されていないので
デザインというものにそう日頃から触れていない人にはそんな6年も経ったロ
ングセラーな製品とは思わないかもしれません。シャレじゃないですよ。
それぐらいこの一本用ワインセラーは一般的には知られていないと自身は思っ
ています。ワインの世界に興味が出た時に気がつくそういう製品だと思うしそ
の知られ方の微妙さが長続きの秘密かもしれません。
考えてみれば、突然クライアンとから『6年後にも通用するデザインにしてく
ださい。』そうオーダーされたら困りますはね。
先日12本用のワインセラーについて記したばかりなのでそのへんのいきさつ
はここでは触れませんが、「一本用」というワインセラーは後にも先にも
このWA-1だけなので、どれだけ企画が「立っていた」がわかります。
6年と書きましたが、実はこの企画は「20年後をデザインする」事だったので
す。子供が生まれた時に記念で購入した「貴重な一本」を20年間「寝かし
た」後に子供が成人した時にともにお祝いする為の「タイムマシン」のような
カプセルなのです。
わたしは過去の様々な「モニュメント」をあらためて意識しながらこの製品を
デザインしました。そのへんは「デザインメソード2」で書いていますので
よかったら見てください。
今更といえば5年前にいろんな雑誌に取り上げられた際にはほとんどデザイ
ナーの名前はそこに無かったのですが、今はわたしについての記載があるよう
になりました。このデザインにとって6年は「通過点」にしかすぎませんが
わたしにとっては大きな変化の6年でした。
11:53 AM
August 06, 2009
ブランディング22の法則
Pdwebの「ブックレビュー」が更新されています。
今回取り上げた本は「ブランディング22の法則」。
09:07 PM
ころもがえ

天童PLYのサイトで
先日「ころもがえ」したときの事が載っていたので。
08:59 PM
定番

今からちょうど2年前にオープンしたショップに数ヶ月ぶりに訪れました。
オープンの直後にはなんどもそこに行っては「置かれている状況」を確かめに
行ったものです。
当時はデザイン家電が全盛で、特別なコーナーが売り場の真ん中にどんと設置
されていました。しかし写真のMAIHはそのコーナーには無くて同じフロアーの
別の「輸入家電」が置かれた棚に、エレクトロラックスのトースターやクイジ
ナートのフードプロセッサーと並んでいました。
嬉しいようなうれしいような。ちょっとふしぎな気分でしたが、「デザイン
家電」の脈絡との違いをその売り場の人がどう線引きしているのか、その
差に興味をもったのを思い出します。
今日見たその売り場には、デザイン家電のコーナーは無く、それどころか
ほとんどその姿を見る事がありませんでした。いやいやそんなだれがどうと
いうことは言いたい訳ではありません。
「輸入家電」の棚もだいぶ変化していました。というかそれらしいものは
そこにはありませんでした。
このMAIHも当初の場所とはまったく違うところにありました。
ただ驚いたのは、製品の横に段ボールに入ったIHがさらに置かれていた事で
す。見渡してもそんな複数個置かれた製品なんてありません。
このブログを読んでいる人は、わたしがどうしていつまでも(IHでも2年
ちょっと経っています。)「過去にデザインしたもの」について書くのか
こだわるのか不思議かもしれませんが、自分が出来る事は「これから発売され
るものを宣伝すること」ではなくて、ずっと使える事を証明するというか
「知らせ続ける」ことなんだと思うからです。
わたしは自らの製品が定番になることにこだわり続けています。
追伸
文房具のフロアーでは、HUBSTYLEが販売当初の場所でがんばっておりまし
た。
06:43 PM
August 05, 2009

10:48 AM
August 02, 2009
気
つまるところ「さびしい」か「さびしくないか」そこに尽きるのです。
プロダクトにしろ建築にしろそのものが「さびしい」か「さびしくないか」
どういう空気を「内包」しているのか、そこに尽きるのです。
まったく説明不可です。その時々でそういうものは変化する。
ある時、子供たちが何人かで遊んでいる場面に遭遇して、ある子供のひとりが
ちょっとみんなと離れたところで遊んでいたけれど、なんだか「楽しそう」な
気がまわりに漂っていた。
そういう事ってあるんだとすでに十分すぎる大人だったわたしは学んだのです。
売り場に並んでいる製品群にあって自らのプロダクトがどういう気をだしてい
るのかそれから気にするようになったわけです。
浮いているとか浮いていないとかという基準とはまた異なる基準です。
ちなみにわたしはこのだれもいないお店も開いていない休日のビジネスビル
からはなんだか気持ちのよい気を感じました。

06:23 PM
新製品のように

デバイスタイルのサイトに写真の12本用ワインセラー「WA-12」が製造終了
というお知らせが出ていました。
とても残念な事ですが、ただ売り場から消えていくのをそのまま見送るだけで
は、「ワインセラー」という日本でそれまで根付かなかった市場を開拓しがん
ばってきたこの製品に申し訳ないと思い書く事にしました。
デザインを手がけたのは今から7年前の2002年の事でした。
わたしもそうだし設計する人もこの製品を製造するメーカーにとってもはじめ
ての製品でした。
なにを「標準」にしていいのか皆目見当もつかない状態の中でわたしがよりど
ころにしたのが、かつて多くの製品をてがけた「音響機器」でした。
ワインを愛好する人はどんな人なのか?わたしはひとつの仮説を立てました。
今味覚に興味のある人がどういう少年時代を過ごしたのかどんな青年時代を
過ごしたのか。そこの物語に焦点をあてて考えました。
最初は「科学」に興味があって、少年雑誌の付録についていた「手動電蓄」
やゲルマニュームラジオを組み立てたりして、そこからトランジスタラジオ
ステレオセットに興味が動いて、そこから音楽そのものものに「はまって」
つまり「聴覚」ですね。 そこから映画に移っていって「視覚」ですね。
途中にはパソコンもあったでしょうし、だんだん食べる事に興味が移行して
「味覚」こそが人生の楽しみという世代になっていて、ワインはさらに香り
という「嗅覚」にも関わってきます。
端的にいえば「ずっと好奇心が強くて収集好き」の人がワインという世界に
は多く集まっているという「仮説」です。
そしてわたしはその人たちの「若い時代のあこがれ」であった音響機器のデ
ザインをそこに当てはめた訳です。
わたしは工場にいって『これは冷蔵庫ではありません。』と何度も説明しまし
た。『水の無い書斎にこそ似合うものであって本や家具と調和するデザイン
(仕上がり)でなくてはいけないのです。』
このWA-12は少し傾いています。それはワインのボトルについているコルク
がワインに浸かる部分と空気にふれる部分のどちらも確保する「傾き」なの
です。
ワインパーティーをする情景を考えて「タイヤ」をつけました。普段は部屋の
コーナーにあって「少し」移動させてこのセラーの上でコルクをあけたり
テースティングをしたりそんな場にふさわしい「物語性」のためのタイヤで
す。 タイヤはこの製品のために作られた特注品です。
扉とハンドルの間に「引き出し」があってその中に「コルク抜き」やフキンを
いれたり出来るのですが、実はこの「引き出し」は苦肉の策から生まれた
アイディアでした。
温度調整のためのスイッチ基板と冷蔵部分の断熱材の「距離」が必要である
中でその「間」を埋める為に考えついたアイディアでした。
いや蘇りますね。7年経っても。 わたしはこの文章を買っていただいた方々
の為に書いています。 たぶんきっとこの製品は10年経っても20年経っても
いつも「新製品のような」空気をまとった製品であるとデザインしたわたしが
思っている事を伝えたいからです。
12:00 PM
August 01, 2009
マニフェスト
選挙が近い事もあってこの頃は「マニフェスト」という言葉をよく聞きます。
「マニュアルに従う人」の事を「マニュフェスト」かと最初思っていましたが
「公約」なんですね。 でも「公約に従う人」と思えば「マニュアルに従う
人」という解釈もあながち的外れな考えではないかも知れません。(ほんとは
だいぶ違うようなので真に受けないように)
政治はふれないように決めているので。この話はそういう方向には行きませ
ん。
事務所に置いてあるデザインの雑誌を、時々思い出しては見るのですが、たと
えば『2008年のデザインはこの人が・この事が来る!』なんていう特集があ
るのですが、結構かなりそうなっていないのですね。(時々勘違いをしてこれ
から来るんだと思ったりもするのですが)二年前になるとそういう記事があっ
た事すら忘れていたりしますが。
かくいうわたしも去年の今頃言っていた「これから来るだろうデザイン傾向」
が景気の性もあってかほとんど的を外しました。
つまり「先の事は予測しない方が賢明である。」という事です。
もちろんデザインは先の読みは大事な部分かもしれませんが、自分の責任の
範疇で「予想」すれば良い事だと思います。
わたしが知りたいのは「今年はなんだったのか?」そういう事のように思いま
す。そういう特集であれば何年経っても資料性があって10年単位で見返して
も価値があるように思います。
もうひとついえば「来年くると思える人」とそこに取り上げない人にどういう
線引きがあるのか。どうもわからないのであります。
ただただがんばっているのにそこに載らない人の切なさだけが伝わって来て
くるのです。
なぜマニフェストでこういう話になるのかはふれませんが。
06:40 PM



