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June 02, 2009


知られるという事

http://pdweb.jp/dsgncmp2009/index.html

プロダクトデザイナーは「名前が知られていない」というのが本来「基本」だ
とわたしは思っています。

こんなにプロダクトデザインに関わるデザイナーが多く知られるようになった
のは、ほんの10年ぐらいのことだと思います。

プロダクトデザインが生活に関わるほとんどすべてに及んでいるのです。
グッドデザイン賞にエントリーが何千点にもなるのはプロダクトデザインとい
う活動の広範さを示す良い例だと思います。

にもかかわらず雑誌で取り上げられるジャンルは限定的です。

それは日常の中で触れる機会が多いとか、モノが「知られる」ことによって売
り上げが左右されるジャンルに限られていると言ってもそう的外れではないで
しょう。

わたしはインハウスデザイナーをしていたとき、業務用の製品を担当していた
時期が4年程あります。

業務用の機器がどれだけデザイン的に見るべきものがあってもまったくといっ
ていいほどそれが取り上げられる事はありません。

その逆に多く売られて一般の人の注目度が高い製品を担当する事によって、
デザインがそう声高に語られることがない時代にあって雑誌に何度も紹介され
た事があります。

この相反するふたつの経験が、今わたしがフリーランスでデザインをするに
あたってのスタンスを支えています。

つまり「人目に触れるものを担当しながらデザインにほとんどライトがあたら
ない仕事を紹介しそのジャンルも重要な要素としてプロダクトデザインが存在
する事の認識を高めて行きたい。」というスタンスです。

わたしがなぜこういう一文を書いたかと言えば、今回Pdwebのコンペの審査
委員の人達の仕事ぶりをみなさんに知って欲しいと思ったからです。

わたしをふくめ5人の審査委員はまったくと言っていい程その仕事の範囲やデ
ザインの特徴が異なります。そしてそれぞれの人がメーカーやユーザーとの
関わりに於いて「ものがたり」を持っています。

わけても芝さんの仕事は医療器や計測器・大型工作機械という業務用の仕事が
多く知る機会の少ないジャンルの仕事を多く手がけられています。

そのクオリティーの高い品格あるデザインをぜひ知って欲しいのです。

知らない時にはひとつの塊に見えてもそばにいけば幾つもの層が見ます。

プロダクトデザインは単純にひとつの頂で出来た山でもありません。そのこと
を少なくともその山に登る人達には知っておいて欲しいと思います。


02:36 PM