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June 30, 2009
すてる技術とは
先日の講義からちょうど一週間がすぎました。
その時に学生さんに話しした話題をひとつ。
『「捨てる技術」という事が本をはじめメディアでも話題になり、みんながい
かにモノを捨てることに困っているのかを知る訳ですが、わたしは「捨てる技
術」の本質にあるのは「捨てられる覚悟」があるのかどうかだと思います。』
『モノだけならまだいいですが、人間関係において自分が「捨てる」という立
場であることがいったいどれだけあるんでしょうか。つまり捨てるんじゃなく
て相手から「捨てられる」事もどんどんあるわけです。』
『「捨てる技術」と言うときには「捨てられた痛さ」というものが背景になく
ちゃいけないんじゃないでしょうか。』
なぜこんな「哲学的」なお話を学生さんにするのか。それは社会に出れば多く
の人が「デザインから捨てられる」かもしれないからです。もちろん会社自体
からも。
すべての人が「オペレートする立場」ではないわけで、本の中ではそうかも
しれませんが現実にはそうはいきません。
『わたしは時間が大切だからいろんな人と会わないようにしてる。』そういう
人がいたとしたら、わたしはその「大切な時間と引き換えに捨てられちゃう
人」だと自分のことを思います。
いやそういう思いはできればしたくない。ゆえにわたしは「捨てる技術」に
かかわるものは学ばない学べない。ほんとうはどきどきの話だと思いますよ。
07:26 PM
June 29, 2009
DM試作

写真が増えてきてイメージがだんだんとふくれてきました。
空のおおきな写真を使ってちょっと案内のはがきを作ってみました。
いろんなアイディアが出てきています。おたのしみに。
07:32 PM
ミッドタウン

03:52 PM
原宿

12:09 PM
June 28, 2009
初台

06:12 PM
June 27, 2009
われらナヤンデルタール人
半年近くすぎましたが、エキサイトイズムのインタビューの中で文章化され
なかったけれど言った自分が「気に残っている」話があります。
『景気の良し悪しもあるかもしれないけれど、よくなったらよくなったで
今度は環境の問題が取りざたされるわけで、もうというかこれまでも既に
「絶対のよさ」というのは存在しないんじゃないか。』そういうお話。
日経のマリゾルという情報サイトで安藤優子さんの「一期一会の百感動」と
いうインタビューで姜尚中さんが取り上げられているのですが、その中で
「悩みについて」話されています。
わたしはエキサイトのお話は、読む人が救いがないと思われると困るので結局
『気にしない事じゃないですか。』とその記事の中で、いささかとぼけた回答
で終わっているのは案外正解だと思っています。その時は「なに」と感じても
時間が経てば「そうだった」そう思えるんだろうと。 さらにいえば「どうし
ようもないことを悩んでいると、それっぽく物事を思慮しているように映るか
もしれないけれど「冗談」ほどにも物事をいい方向には向かわせない。そう
思っています。
「悩む」には時間差が必要かと思います。 みんなが気にしているときには
「悩まない」で、みんなが解決したと思い込んでいるタイミングで「躊躇」や
「悩ましさ」を感じる事が大切かと思うのです。
11:20 AM
June 25, 2009
写真展「新東京百景ー信号編」

今日はニュースが続くのですが、写真展「新東京百景ー信号編」をすることが
正式に決定しました。 会場や日程についてはまだ検討中ですが11月から12月
をめどにしたいと思っています。
事あるごとに撮影をしていましたが、東京に設置された場所はすでに100カ所ど
ころではありません。 いやすごい数です。
撮影が進めばきっと「なにか」に気がつくと思います。そこから写真ががらりと
変わるかもしれません。
02:42 PM
丸善本店

東京駅前にある総合ビルオアゾのある「丸善本店」でPrimarioが展示販売され
るようになりました。
これで銀座伊東屋本店・日本橋高島屋・ミッドタウン5th alley studioにつづい
て四店目になりました。
何度も書いていますが、「こういう時期」にあって「贅沢」なプロダクトが着々
と広がって行くのはすごい事だと思いますし、「贅沢」であっても存在しうる
「理由」というものがあるのだと感じています。
Primarioも秋には新商品をまとめて発表します。
写真は5th alley studioの最近の展示です。
11:50 AM
モランディ

ちょっとジョルジョ・モランディの静物画のようです。
(ジョルジョ・モランディの絵すきです)
先日九州の旭製作所に、4月から始まったプロジェクトの打ち合わせに行って
きました。
ガラスを使った「なにか」を作る為に、いろいろデザインを模索していました
が「ガラス」から直感的に感じるカタチを作る事が、どうもこれまで工場で行
われている技術では適していないようなのでもう一度「あるべきこと」とはな
にかを話し合うのが目的でした。
半月程前に『現行のフラスコやビーカーにハンドルをつけてみたらどんなもの
になるか見たい。』ということで試作をお願いしていてその試作品をみて驚き
ました。 いいんです。これが。
アノニマスデザインというのもおかしいですが「デザイン」というものを意識
せずにプロ用に作られたそのビーカーのカタチがわたしがこれまで知っていて
フラスコやビーカーと異なっていて、そのカタチは家庭に入ってもフィットし
そうな「いいカタチ」をしていました。
無理からデザインを一から起こさなくても今すでにあるカタチを習って十分い
いものが出来そうな予感をもって工場に向かいました。
ちょうどその日は梅雨の中休みで晴渡った空の下で、倉庫にあった製品を整理
されている最中でした。
写真にもあるちいちゃいフラスコが「やたらかわいい」。 一輪挿しというの
はあまりにもダイレクトな発想ですが、ここにある大量のフラスコ・ビーカー
を見てこころときめかないインテリアショップのオーナーや関係者はいないん
じゃないかと思った次第。
旭製作所としてインターネットショップをはじめる計画になっているので、た
のしみにして欲しいと思います。
さて「デザイン好き」から「プロダクトデザイナー」に立ち返って、この「資
産」をまっすぐにおおきく育てるカタチこそが「かたち」だと感じています。
秋には第一弾を発表するべく作業が進行中です。
モランディの絵のように「特別ではないモノを描いて特別なカタチ」を残して
いきたい。
10:33 AM
June 24, 2009

05:23 PM
広がる事
昨日、渋谷公園通りを上りきったところにある交差点にある信号機があたらし
くなっていることに気がつきました。
遠く目にその歩行者用灯器は四つのコーナーがおおきくアール(丸み)がとっ
てあるので、自分がデザインしたものかと思い近づきました。
しかしなんだか雰囲気が違うわけです。結果あきらかに他社の製品ですが、こ
れまで見た事がありません。 第四の灯器の登場です。
そしてそれはわたしが意図した流れになっていると思いました。
プロダクトデザイナーですからそりゃかっかっかっとしてしゃきっしゃきっと
したかっちょいいデザインにしたい気持ちもたっぷりとあったわけです。
しかし信号機だけがすてきでも、電信柱もジョイントも制御盤もそこにある
「信号の世界」すべてのものが一緒にかわらなければそりゃ「浮く」ばかり
だと思いました。 さらにいえば何社かあるメーカー全体が変わらなければ
しょうがないと思いました。
「少しだけかっこよくする」それがわたしの信号機のデザインテーマでした。
それは「その仕事に関わる人だけにわかる差」であってかつ「ずっと見ている
とよく見えてくる」そういう「じんわり」した差異です。
登場して一年半ぐらいでしょうか。じわじわとその「差異」が業界にひろがっ
ているそういう手応えを感じています。
いんですよ 別に「デザイン信号」なんていわれなくても。
11:18 AM
あたりまえのはなし
わたしが講演会でたのしみにしているのは、どれだけ自分が「あたりまえのは
なし」に説得力を持ち得たか。その確認です。
すごい話が聞ける。そう思ってそこに座った人たちを前に「すごい話」のでき
ないわたしがどう「あたりまえのはなし」でもって『すごい話というのは話が
すごいんじゃなくてあたりまえの事を「知覚」していることにこそあるんだな
あ。』そう気がついてもらえればうれしいわけです。
昨日の晩は、そういう「あたりまえのはなし」が輝いたそう思えた夜でした。
10:32 AM
June 20, 2009
しおり
ブックレビューに取り上げようかと思いある本を読んでいました。
最近出版されて「デザイン」「未来」と表題にあったのでブックレビューに適
しているかと思いなんとか読んでいましたが、結局その本の3/4程を読み進ん
で取り上げる事をやめることにして本を閉じてしまいました。
その本にはいろいろな機械のマイコン制御が進み「オートマティック」にいろ
いろな便利な機能や動作の先取りがされるようになったが、そのことが本当に
人の役に立つのだろうか。という論点でいろいろな事例をもとに書かれていま
す。
そう書くとすごくブックレビューに良さそうでしょ。
じゃあなぜ取り上げなかったか。最大のポイントは「しおり」がその本につい
ていなかったから。 半ば冗談 半ば本気の話。
もともとアメリカで出版された本ですから、はなから「しおり」という概念は
ないのだと思いますし、日本の本でもコスト削減の為か昔のように「しおり」
用の細いひもがつかない事も多くなりました。
そうこの本が「人間中心主義の設計(デザイン)」について書かれていない本
であれば「しおり」についてどうこう思う事はなかったかもしれません。
わたしはデザインをするときに「通念」や「その業界の常識」というものに
なるべくとらわれないで「本来あるべきカタチ」とはなにか「どうあるのが
使う人にとっていいのか」という事を考えます。
「しおり」がないのが「通念」だとしても「しおり」があった方が「便利」な
事は確かです。 「しおり」を実現させる為に他のなにかを「削除」すること
を考えるかもしれません。
自分と一番近いところで「せめぎ合い」をすることなく、自分から遠いところ
のものについて批判するのはなにか違うと思うのです。
本にも哲学がある。それは書かれたものだけでなく、その書かれたものと本と
の関係においても、さらに書店とも、最後に読者との関係においても。
07:29 PM
June 14, 2009
酒井駒子
ひさしぶりに表参道にある「クレヨンハウス」へいきました。
ものすごい数の絵本が並ぶ中で「くっ」と引きつけられる本が目に飛び込んで
きました。
「くまとやまねこ」という本でした。版画調の白黒で表現されたなんとも質感
を感じる画風のなかに、かわいい熊が描かれています。
とにかく絵がうまい。 その本棚には酒井さんの本が並んでいましたが、とな
りにあった「ビロードのうさぎ」も「くまとやまねこ」と違った表現ですがこ
れもまたすごい。 描かれているものがすべて立体感と質感があってデッサン
力の高さが容易に読み取れます。
「金曜日の砂糖ちゃん」という絵本に登場するちいさい女の子は、いわさきち
ひろの少女を彷彿とするのですが、さらに「日本的ではない空気」を感じます。
松井冬子さんの絵を最初に見たときの衝撃に近いものを感じました。
04:53 PM
June 12, 2009
プロダクトデザイン年鑑2009

今月の15日に発刊される誠文堂新光社「プロダクトデザイン年鑑2009」が
一足はやく手元に届きました。
収録された事務所が、昨年の188社から236社(者)と大幅に増えました。
厚みそのものは昨年とほとんど変わりがありませんが、そのページのほとん
どが紹介のために費やされています。
昨年版とくらべて「若々しくて」「とにかく明るい」という印象を持ちまし
た。
何度も書いている事ですが、雑誌をはじめとするメディアでは取り上げられ
る製品もデザイナーも限定的です。
そういった意味ではこれだけのクリエーターがいろんな方面で活動している
ことを知ってもらうことのできるこの本はとても重要な役割を担っていると
思います。
並びも50音順、掲載作品も各社4点と「同一条件」であることも好ましい。
ちょっと「デザイン展示会」のようです。
本の重さもそうですが、それ以上に「ずっしり」くる内容があります。
11:56 AM
アフォーダンス

昨日は天気がよくて、日頃見慣れたはずのミッドタウンにある大きな白い彫刻
が輝いていた。
これはいいとカメラを構えたその瞬間に男の子が躊躇なくとことこっと彫刻に
近づいてつるっと中に入って行きました。
『そういう事しちゃいけないよ。』という気持ちよりも『そうなるなあ。』と
いう感情の方がわいてくる。
アフォーダンスじゃないけれど「ここきもちいいよ」と彫刻が誘発してしてい
る。
そんな昼下がりの情景。
11:20 AM
June 10, 2009
そうなることを願って
数日前に、三原昌平さんのサイトにわたしがPdwebでご紹介させていただいた
「プロダクトデザインの思想Vol.1」のブックレビューに対する感謝を書い
ていただきました。
わたしは、この一年ほどブックレビューを書くために多くのプロダクトデザイ
ンをはじめクリエーティブに関する本を読んできました。
それらの本を通して感じたのは、『後進の人たちにデザインの歴史を知ってほ
しいそしてデザインを好きになってほしい。』そういうメッセージでした。
昨年対談させていただいた長大作先生も同様の事をおっしゃっていました。
そういう気持ちがもっとも端的に表現されていたのが「プロダクトデザインの
思想Vol.1」だと思います。
三原さんのサイトでは、本以上に素直な忌憚のないメッセージが多く見られま
す。 わたしは三原さんに何度かその文章の中で「叱られていた」と感じて
います。洞察のお話が出てきますが、もし「デザインの思想」に対する読み解
きが正しいとすれば、わたしが見えないカタチで叱られていたと感じたのも
たぶんあたっていると思います。
でも三原さんに伝えたかったのは、『わたしもデザインが大好きです。』と
いう気持ちです。
そして「21世紀最初の10年のプロダクトデザインがどういうものだったか」
についてまとめて語られている本が出る事を望んでいます。そういうものと
して「プロダクトデザインの思想Vol.4」の刊行と展示会が開かれる事を願っ
ております。
08:44 PM
June 09, 2009
那須さん
先日のインテリアライフスタイルショーでは、いろんな人との出会いや再会が
ありました。 様々なすぐれた日用品のデザインで有名なメーカーLEXONの
ブースを見ていたときひとりの青年が話しかけてこられました。それが那須
雅人(なすまさと)さんでした。
那須さんは、イギリスのデザイン学校を出られて今はLEXONの日本代理店で
ありライターや日用品を企画販売しているアドミラル産業でデザインをまと
められています。
ちなみに柴田文江さんのデザインによるfumfumもアドミラル産業とのコラ
ボレーションによって誕生したブランドです。
那須さんは、写真にのせた「TOWEL MAN」のデザインでPdweb デザイン
コンペで優秀賞を受賞しました。今回、その「TOWEL MAN」が製品として
展示されていました。
わたしのデザインとはまったく異なるカタチではありますが、その優れた
造形感覚や製品化までのプロセスを熟知している様子は、スケッチから伺う
ことができたのですが、那須さんの経歴を知って納得した次第です。
下の二枚の写真は、那須さんのデザインによって今度LEXONから世界販売さ
れる電卓と卓上時計です。
会場でわたしは即座に『那須さんの作品サイトで紹介します。』そう言ったの
です。 がんばってほしい。



01:05 PM
June 08, 2009
阿修羅展
ニュースで会場が混んでいることが報道され続けているので、並ぶ事におっく
うになっておりましたが、最終日の夕方だったらそうでもないかと思い足を
運びました。 おかげで10分ほどで入場することが出来ました。
会場に入って最初のコーナーにあった宝物の数々は、ほとんど見ないでそのま
まさらに奥の「メイン」の会場へ。
すっと高い天井まで突き抜けたホールには十大弟子と八部衆が展示されていま
した。 展示会の主人公である阿修羅もこの八部衆の一人です。わたしは八部
衆も前から好きでした。人間でいうと中学生のような顔と体をしたその風情は
「かわいい」。
会場の構成デザインも重厚でそれでいて適切。照明がいい。
ルーブルの「モナリザ」同様に阿修羅は別格の扱いでした。阿修羅を取り巻く
ように人がおおぜい「滞留」していました。
この文を書いていても鳥肌が立つのですが、その像はとてもすばらしい。
全体が薄ピンクとオレンジと黄金がミックスしたような色彩に覆われていてそ
の「うぶ」なたたずまいに驚きました。驚きといえばその顔の小ささ。三つの
顔でひとつの頭部を構成しなけれいけないからでしょうが、その比率は10頭
身ぐらいでしょうか。そういうことは、これまで見たどの写真からも感じたこ
とが一度もなかったのでそのバランスがことさら優れているゆえでしょう。
わたしは阿修羅が有名であるとか名品であるとかそういう評価をまったく聞い
ていなくても一度見ただけでそれが好きになるだけの飛びぬけた美を秘めてい
ると感じました。
阿修羅と他の八部衆も顔の表情、プロポーションから同じ作家によるものだと
思いますが、(作品は作者に似ている事が多いので、阿修羅の作者は阿修羅の
ような顔をしていたのかもしれません。)
本来「戦いの神」である阿修羅を怒りの表情でなく困惑すら感じさせる表情に
まとめた個性と、それまでの仏像の表現と異なる表現を、よく当時に認められ
たことを不思議に思いました。
その技術が未熟な段階で「その表現はよくないんじゃないの」そういわれても
おかしくない方法論をこうやって何体も重要な寺院の重要な像をつくるところ
までのぼりつめた作者の強靭な個性と精神力を感じました。
12:45 PM
門
12:23 PM
June 06, 2009
景色をデザインしている
公共機器で大事なのは「うっとうしくない」という事なんだと思います。
1台で美しいというのもあるけれど、こうやって複数台並んだ時にどう見えるか
そういう事も考慮しないといけないことを感じるのです。
今、信号機の写真展を開くべく準備していますが、同様にセキュリティーゲート
もビルとの関わりを見せることも可能でしょう。
ほんとにどんどん自分が関わった機械が街中で頻繁に見るようになるとうれし
いという気持とともに、「景色をデザインする」という仕事だと思うのです。

06:10 PM
わたしはこういう姿が好きです
今日出かけたついでに無印良品を見ました。
『おっ』と思いました。店舗はいつものように人で溢れていましたが、静かに
変化を大きくしはじめた。そう感じたのです。
それは「定番」と思われていたものにまで改革の手が伸びている。ちょっとお
おげさですね。
わたしは今年の小型扇風機は傑作かと思っています。そして扇風機の置いてあ
る売り場にポケットサイズのLEDライトが売られていてこれもかなりいい線を
いきそうな気がします。
ちょっとショックだったのは、小型冷蔵庫にいままでのデザインラインと異な
るものが出ていた事。何度かハイアールの冷蔵庫の話題の中で無印の四角い扉
にアルミハンドルのデザインは、現在の製造ラインからいえばコストがかかる
手法であることを触れましたが、ついにそういうコストのかかる扉やハンドル
ではないタイプの冷蔵庫を作り始めたのです。
やはりある意味定番のように長く売られ続けている電卓にも新しいデザインが
登場していたりノートやスケジュールもあたらしいラインが誕生していまし
た。 中でも小型のテープカッターや修正テープ・名刺ケース等文具にはかな
りあたらしい動きを感じました。
ここ数年無印はイメージの拡大を続けていましたが、このところの経済状態が
結局無印良品のほんらいあるべき姿に戻って来たように思いました。
「これがいいじゃなくて、これでいい。」確かそれが無印のキャッチコピー
だったように記憶しています。
06:05 PM
June 05, 2009

11:17 AM
愛情の蓄積
今日からPdwebに新しいブックレビューが掲載されました。
三原昌平さんの著書「プロダクトデザインの思想Vol.1」
あえてVol.1と書いたのは現在三部ある「プロダクトデザインの思想」シリー
ズだからです。
三原さんのサイトをわたしはブックマークさせていただいていますが、その視
点はいつも厳しくそして温かい。
その視点は世の中全般に注がれていていますが、殊更プロダクトデザインに
ついてはさらに厳しくそしてそのベースにあるのは愛情のように受け取ってい
ます。
今から5ヶ月前(もうそんなに経つんですね。)その三原さんのサイトで
Primarioのテープカッターについて2度取り上げていただきました。
なぜ2度かと言えば、最初にテープカッターを「ほめた」事に対して異論が出
ている事に対しての回答のカタチで再度取り上げる事になったわけです。
「作品と商品の正義」と題されたその文章にわたしは唸ってしまいました。
自分の作品を弁護していただいている内容を感心して読んでいるというのも
変な話ですが、「優れたデザインというものはそもそも大勢の理解と製品とし
ての妥当性だけで出来ていない。」という事をことほぐために例として出して
こられた製品とその背景への知識と理解の深さに感心してしまったのです。
デザイナーがまずデザイナーを理解しないでどうして「デザインを理解」した
といえるのか。デザインを取り巻く人や環境がデザイナーを知ろうとしないで
どうしてデザインへの知識が深まるのか。
わたしは三原さんが提議されている問題は核心的で、残念なことに「恒久的」
なんだと思います。
まずは、自分の好きなものがどういう人によってどんな経緯でそれが生まれた
のか、それを知る事から「デザインを愛する」行為が始まるんだと思います。
「プロダクトデザインの思想」はそういう事が書かれている本なのです。
10:51 AM
June 04, 2009
個立

今日は、インテリアライフスタイルショーに行ってきました。
そこで「発見」しました。おそろしく自分のデザインは今のトレンドから
「浮いているなあ」と。
展示会場を見て回っていてどこにもわたしが進もうとしている方向性と近いも
のを見いだす事はありませんでした。
まあね。わたしはずっとそんな人です。いつも半周進み過ぎか半周遅れている
か、大勢の人達と同じように走っている手応えを感じた事はあまりありませ
ん。
こういうのを個性というのか孤立というのか、あえて造語すれば「個立」かと。
そういうわりには、取り上げていただいてると思います。それはたぶんこのブ
ログによるものでしょうね。「ことば」はちゃんと時代と歩んでいる。
そうセラミックジャパンのブースに「80mm」が展示していただいたのですが
「80mm」は、時代感覚にあっているなあ。
なんだかふしぎです。わたしのデザインはふだん「男っぽい」ものが多いのに
自分のためにデザインした「80mm」が、男性的でも女性的でもなくまさに
中間的なカタチになっていることが。
ひょっとしたらわたしの「地」のデザインは、実は時代とともにあるのかも
しれません。
08:13 PM
June 03, 2009
力量
クルマの事は詳しくないので「ぼやかして」書きますが、
今から7年ぐらい前に「デザイナーの大移動」がありました。「大移動」と
いってもふたりに過ぎないのですが、その影響力において「大移動」だった
わけです。
アメリカの自動車メーカーにいたデザイナーがヨーロッパのメーカーに行き
ヨーロッパのメーカーで注目を集めたデザイナーがアメリカの大手自動車メー
カーに移った。
アメリカからヨーロッパに移ったデザイナーは数年後大成功を納め一時は
時代を代表するデザイナーと言われたが、ヨーロッパからアメリカに移った
デザイナーの仕事はひとつのデザインしたクルマしか話題にならずそれも
大きな話題にはならなかった。
ある雑誌で、そのヨーロッパからアメリカのメーカーに移ったデザイナーが
デザインしたそのクルマについて感想を聞かせて欲しいという事でインタ
ビューを受けた事があります。
ふしぎなクルマでした。フロントから見た時と横から見たとき後ろから見た時
印象が異なっていました。フロントは「アメリカ車」サイドは「?」そして
後ろ姿だけに、そのデザイナーの力量が発揮されていました。
そのデザイナーが、メーカーのデザインルームで苦悩する姿がで浮かんできま
した。『君のチカラはこんなものじゃないだろう?』そう上層部から話かけ
られている姿が。
他方、成功を収めたデザイナーはアメリカで温めていた「あたらしいカタチ」
をヨーロッパのそのメーカーで十分に爆発させる喜びを感じました。
わたしには、その「あたらしいカタチ」はカーデザインにおいては「禁じ手」
だったんじゃないか。しかしそういう「カタチ」を求める声が存在したの
でしょう。
このふたりの力量に差はなかった。そうも思います。じゃあどうしてこういう
明暗が出来たかと言えば、それは技術力と製造力、そしてなによりデザインへ
の理解と「再現」への情熱の差だったんじゃないか。そう思うのです。
10:50 AM
June 02, 2009
mmisと80mm
ひさびさに80mmの話。
ずっと事務所で使い続けていますが、この春からは、3人で各人2個づつ使うと
いう塩梅です。
80mmが品薄状態がつづいていてご迷惑をおかけしましたが、現在南青山にあ
るインテリアショップ「mmis」さんでも販売中です。

03:50 PM
知られるという事
http://pdweb.jp/dsgncmp2009/index.html
プロダクトデザイナーは「名前が知られていない」というのが本来「基本」だ
とわたしは思っています。
こんなにプロダクトデザインに関わるデザイナーが多く知られるようになった
のは、ほんの10年ぐらいのことだと思います。
プロダクトデザインが生活に関わるほとんどすべてに及んでいるのです。
グッドデザイン賞にエントリーが何千点にもなるのはプロダクトデザインとい
う活動の広範さを示す良い例だと思います。
にもかかわらず雑誌で取り上げられるジャンルは限定的です。
それは日常の中で触れる機会が多いとか、モノが「知られる」ことによって売
り上げが左右されるジャンルに限られていると言ってもそう的外れではないで
しょう。
わたしはインハウスデザイナーをしていたとき、業務用の製品を担当していた
時期が4年程あります。
業務用の機器がどれだけデザイン的に見るべきものがあってもまったくといっ
ていいほどそれが取り上げられる事はありません。
その逆に多く売られて一般の人の注目度が高い製品を担当する事によって、
デザインがそう声高に語られることがない時代にあって雑誌に何度も紹介され
た事があります。
この相反するふたつの経験が、今わたしがフリーランスでデザインをするに
あたってのスタンスを支えています。
つまり「人目に触れるものを担当しながらデザインにほとんどライトがあたら
ない仕事を紹介しそのジャンルも重要な要素としてプロダクトデザインが存在
する事の認識を高めて行きたい。」というスタンスです。
わたしがなぜこういう一文を書いたかと言えば、今回Pdwebのコンペの審査
委員の人達の仕事ぶりをみなさんに知って欲しいと思ったからです。
わたしをふくめ5人の審査委員はまったくと言っていい程その仕事の範囲やデ
ザインの特徴が異なります。そしてそれぞれの人がメーカーやユーザーとの
関わりに於いて「ものがたり」を持っています。
わけても芝さんの仕事は医療器や計測器・大型工作機械という業務用の仕事が
多く知る機会の少ないジャンルの仕事を多く手がけられています。
そのクオリティーの高い品格あるデザインをぜひ知って欲しいのです。
知らない時にはひとつの塊に見えてもそばにいけば幾つもの層が見ます。
プロダクトデザインは単純にひとつの頂で出来た山でもありません。そのこと
を少なくともその山に登る人達には知っておいて欲しいと思います。
02:36 PM
June 01, 2009
マジ
今日から「2009年Pdwebコンペ」の募集がはじまりました。
わたしはやはり今日掲載された「編集後記」で以下のように書いています。
___________________________________
「pdwebデザインコンペ2009」の募集が始まります。2回目になる今回か
ら、プロダクトデザイナーの磯野梨影さんにも審査に加わっていただくことに
なりました。個人的には、磯野さんと20年前には同じ職場で机を並べていた
ことがあるという縁があったりします。
さて、今回のコンペにあたり、わたしが最初に考えたタイトルは『君の明るい
「マジ(本気)」を見せてくれ!』というものでした。参加する人より先にわ
たしが「マジ」になったわけです。
わたしは、コンペがだんだんその人(学生・デザイナー)の持っているチカラ
を判断しにくくなってきているように感じています。テーマが漠然としていて
かつ選び方もだんだん複雑になっていて、作る方が自分の考えを素直にカタチ
にしにくい状態を作っていると思えます。
そういう中にあってPdwebコンペでは、直球に真摯に「今あなたが感じてい
て作りたいと思っているものをそのままぶつけてほしい」のです。このコンペ
の最大の特色はエントリーしたものが、すべて他の人たちに「見てもらえる」
ということにあります。あなたの今をみんなにアピールする絶好の機会である
と捉えてもらえればと思います。(審査委員長 秋田道夫)
___________________________________
マジなんて時代がかった表現なのでありますがやっぱりマジという言葉になっ
てしまうのです。
コンペがいつからかとても難しいものになっている。むつかしさというのが
「難解」とか「高尚」という意味ではなく「なにがいいのか計りかねる」と
いう意味の難しさ。
それがゆえに参加するデザイナーが「違う部分のアタマ」を使うようになって
いるとわたしは感じています。
いや「いろんなカタチ」がコンペにもあってしかるべきだと思うのです。
デザイナーが今の時点の「自分」を見せるそういう機会にこのコンペを使って
ほしいのです。
11:59 AM



