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January 19, 2009


日々重なるもの

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旭製作所は、熊本県荒尾に
ある高純度石英ガラスを使った実験器具の大手メーカーです。

実験器具といってもいろいろな種類とそのクオリティーは千差万別ですが、そ
の中でももっとも過酷な条件をクリアーする最高レベルの製品で評価が高い。

そんな知ったような事を書いていますが、実は工場を拝見するまでは、まった
く明るくない世界でした。

わたしは数年前から、大体月に一回というペースで同じ九州にある信号電材に
通っていますが、通う中から九州にある会社でわたしのデザインを生かす事が
出来ないのか考えておりました。

そうこうしている間に、信号電材が
ヒューマンコミットメントセンター
という人材派遣の会社を設立されて
わたしもその一環に加えていただきました。

その中で縁が広がっていったのですが、昨年旭製作所さんの三代目にあたる
若くて明晰な社長さんを紹介いただきました。

最初に、ビーカーやフラスコの「計量目盛り」にデザインの道は無いのかと
思っていましたが、これが素人というか「知ったかぶり」のこわさ。

高度な実験やプラントで活躍しているまさに「プロ用器材」には、目盛りが
ほとんど存在しないのです。

つまり「目分量」の世界ではないのです。 デジタルの計量器がセットされて
小数点以下いくつまで正確にコントロールされている、まさにシビアな世界
でした。

段ボールのデザインのお話が出たとき、わたしはその整頓させれていて、きび
きびと仕事をされていて、それでいて伸びやかなおおらかを感じる従業員の
人達を見ていて、「職場があかるくそしてメーカーのプライドを感じさせる」
そんなパッケージを提供することが、相応しいように思いました。

器具のサイズは注文によって様々ですし、さらに特注で組み合わされた製品
が多いのでその都度、段ボールが用意されるという実情を考えると段ボールに
印刷はあまり合理的な解決策とは思いませんでした。

考えついたのが、「定型シール」です。これは「80mm」を通して学習した
方法ですが、既存の箱を使ってもシールを貼るだけでぐっとその感じ方が
変わります。貼る位置も自由です。

もうひとつは「ガムテープ」でした。
これはD&DEPARTMENTが、回収したショッピングバッグにお店の名前を
書かれた紙テープを貼られているのですが、わたしそれがとても「好き」なの
です。

金太郎飴じゃないですが、名前がつらなったシールが会社のサイト案内も
兼ねています。

このどちらもほとんど一般の人の目に触れる事はありません。

もし宅急便の段ボールや電化製品であれば、もっと派手に力強くメーカー名
やブランドログを大きくしたりするのですが、これは働いている人へ日頃の
感謝の気持をあらわすものだと思ったので何十個何百個と積み重なったり
毎日見ても「飽きのこない」ものにしたのです。

わたしは、今日も信号電材の歩行者用信号機があたらしく設置されているのを
見かけました。

「デザインしていない」と思う人もいるでしょうが、「デザイン」が目につく
ものが、それこそあっちこっちにあったらそれは多分「嫌み」になるでしょう。

「目立たず気がつく」そのへんが寛容かと。
ちなみに歩行者用信号機のパッケージもデザインに関わりましたが、設置され
て稼働するまで隠すために、パッケージの段ボールが使われている時があり
ます。 その時にわたしは密かに「うれしい」と思うのです。


04:32 PM