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September 08, 2008


プロトタイプ

AXISの最新刊が興味深い。

「アドバンスデザインはどこへ行った?」
毎年秋の恒例になっていた「プロトタイプ特集」に変化の時が来た。

たしか「プロトタイプ特集」は2000年からはじまったと記憶していますが
その記念すべき号の表紙を飾ったのが吉岡さんでした。

それまで表紙を飾る日本人の建築家やデザイナーと異なり「若手」が登場し
た最初の人でもあったと思います。

その彼が、今回も号の巻頭で新しいプロジェクトについて取り上げられてい
て感慨深いのです。

思うに特集のタイトルである「アドバンスデザイン」と、これまでの特集の
タイトル「プロトタイプデザイン」は、微妙にその役割や性格が異なるもの
だと思います。

「アドバンス」は研究的でありかならずしも「成果」がその後のデザインに
直接反映されるとは限らない。(それでもかまわない)

他方「プロトタイプ」はある卑近な(距離と時間軸には差がありますが)
テーマに対して挑戦的な「素材」や「フォルム」でアプローチされたもの
であってひょっとしたら「プロトタイプ」の中から世に出るプロダクトの
原型足り得るものがあるかもしれません。

この「距離と時間」がくせ者で時間軸を先を設定すればする程「アドバンス」
デザインと見極めが難しくなりデザイナーの「潔さ(いさぎよさ)」にずれ
が生まれてくる事にもなります。

逆にいえば「プロトタイプ特集」には「アドバンスもプロトタイプ」も混在
していたのが今回のテーマで、やっと明確になった感じです。

難しい話はともかく毎年「たのしみ」な号でした。

論より写真というべきか、初めて見る圧倒的な量のプロダクトが掲載されてい
る事自体が「わくわく」でした。しかしその特集に「個人名」で掲載された
フリーのデザイナーの名前が知られても、「企業名」で取り上げられた場合
その会社のやる気や実力は判ったけれど、これから出てくるだろうデザイナー
の名前を知るきっかけにはならなかった。 

特集が組まれるきっかけについては知りませんが、そのきっかけのひとつが
IDEOジャパンが松下電器に提案した「あたらしい生活家電のすがた」であり
ソニーが盛んに発表していたアドバンスデザイン(今号でも取り上げられて
います)やプロトタイプの数々があげられるでしょう。

「実は」というのもおこがましいですが、わたしもその一端を担っていまし
た。ハードディクスレコーダーの原型やブロードバンドゲートというハード
ディクス内蔵の「HUB」もその時の産物です。

あれから8年。IDEOから独立した深澤さんは、無印そして±0。わたしは
デバイスタイルとMA。アドバンスではなく「日常の生活家電」へとその
フィールドを変えて行きました。

「デザインは最先端から最前線へ」そういう8年の流れでしょうか。


05:42 PM