« イベント | メイン | 等価 »

June 24, 2008


道理

新潟の燕三条で、見渡すかぎりずっと青々とした稲が植わった田園地帯をク
ルマで走っていてわたしは、この地に生まれ育ったドライバーのTさんに聞
いたのです。

『どうしてこういうところでスプーンやハサミの産業が出来たのかなあ?』
つまり「不思議」だったのです。

間髪を入れずTさんが『鍛冶屋(かじや)さんが多かったんですよ。農作業で
使う道具を作る為に。』

わたしね。正直「カルチャーショック」でした。
そういう「道理」をわからない自分も恥ずかしかったのですが。

どうしてそういう単純かつ「強い」ものの根底に流れている「道理」に気がつ
かないのか。

わたしは、それ以来この「発見」といっていいほどの「モノを考える定規」を
いろんな物事にあてはめるようになりました。

これは「道理」にかなっているのかいないのか。

先日台湾のパソコンメーカーの取材を受けました。
これから大きくアピールしようとしているラップトップコンピューターの使用
感想をプロダクトデザイナーの視点から述べるという主旨のもので、高級感を
大切にした値段も高価な製品でしたので、わたしは都内のホテルに泊まってそ
の製品の佇まいが似合うかどうかを検証したりしました。

お世辞抜きにそういう素敵な場所に似合う製品でした。 アップルとは異なる
アプローチで「パソコンの世界」を新たに表現したものだと感じました。

そしてそのものの「道理」を考えて見た訳です。

きっとそのメーカーはこれまでに多くの海外のメーカーのOEM(製造委託業
務)を請け負っていろんなノウハウを蓄積されていること。どこに「お金」
をかけてどこを妥協すべきか、そういう「道理」が身に付いている事。

そして「オリジナルで製品を出すタイミング」を綿密に長い時間をかけて考え
ていた事。等々。

それは日本でも考える事ですし、世界のすべての国のメーカーが考える事で
しょう。しかし時代のタイミングが今「そこ」にあるんだと思うんです。

産業はおおきな「道理」の渦のなかで確実に移行をつづけていることを感じる
のです。


11:31 AM