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April 06, 2008


未来予想

わたしが最初に「講演会」なるものに講師として呼ばれたのは今から8年前になるでしょ
うか。

ある企業でデザインセンターの人を前にお話をさせていただきました。

最初いただいたテーマとして候補に挙がっていたのが「21世紀のプロダクトデザイン」
でした。

わたしはそれを話す資格は無いと思いました。わたしは「次ぎにくる電車が混んでいる
か空いているか」の予想もつかないし、ましてやデザインの全体図を話す前に自分がこ
の先デザイナーとやっていけるかもまったく不安な状態でした。

わたしが「この道」と思って進んでいた道の前に工事中」の看板が立てられて見通しが
つかなくなり、いつのまにかその道の横に高架式のハイウエーが出来て、知らない人達
がそこの上をすいーっと通り過ぎて行くそんな感じの90年代の終わり頃でした。

わたしがみんなに見せられるのは、「ポケットにしまい込んだふるい写真」でしたね。

じゃあなぜそんな「ぽんこつ君」を呼んでいただけたのか。
わたしを講師に指名して下さった方が、世代が近くてちょっと下の年齢で、その方が
大学か社会人になった時、たまたまわたしが「ぴかっと」していたんです。はい。

当時の、わたしのデザインには「未来」みたいなものがありました。? あったかな。

人間「学びたい!」と思った時に出会った「モノ」とそれに付随する「人間感」とい
うかそういうモノをつくる人に対して思い入れ(思い込みですかね)それはなかなか
とれないのであります。

まあ、「瞬間最大風速」がつづくとはね。

そんなこんなで講演でお話しした事は、わたし自身はあまり覚えておりません。

実は、その講演以降4年ぐらいまったく講演には縁がありませんでした。

3年程前から自主的に講演会をひらくようになり、回数は覚えていませんが今では何度
となく講演やセミナーに呼ばれるようになりました。 

そういう講演会をする話が主ではないのですが。

あの横に出来た「高速道路」はいったいなんだったんでしょう。

昨日も書店で発売されたばかりのクリエーターのインタビュー集を見ましたが、そこに
は10年前にも載っていたデザイナーは一人でした。もちろんそれぞれ今でも活躍はさ
れていますが、とりあえずそういう本を作る側から見て「ハイウエイ・スター」とは
映らないんですね。わたしも含めて。

考えてみれば、その本に載っている人や今活躍している人は10年前には、道を走る人
じゃなくて「自分の道を造っていた」んですね。橋脚作り。デザインのインフラ。

わたしはもうそういう「新道完成!」と書かれた本は「未来予想」であってこれからも
ある確実な道とは思わないでしょうね。 わからないです。 これから走る人は今道の
上には乗っていないのですから。

結びじゃなですが、最初に呼んでいただいた方からまた声をかけていただけたんです。
それがなにより自分の道が後ろに残った証と思ったのです。

01:10 PM