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January 28, 2008


空腹(こうふく)のエリア

2000年代の日本の代表的なプロダクト(デザイン)を5点選んで下さいと問われた
ら、わたしは深澤直人さんの携帯電話「INFORBAR」と±0の加湿器、柴田文江さ
んのオムロン体温計、山中俊治さんのOXO大根おろし、そしてわたしのデバイスタ
イル一本用ワインセラーと答えるでしょう。

これらの5点の中で「この時代でなければいけない先端」というのは携帯電話「IN
FORBAR」だけで、それ以外の4点は「そうかもしれなしそうでないかもしれない」
(一本用も微妙ですが)。特に山中さんの「大根おろし」は、ほんとに時代を超越
しているしびっくりしてしまいました。

よくデザインをする行為を「料理人」に例えて『素材をそのままおいしく調理する
のがデザイナーの役割』と表現したりしますが(わたしもしてました)その例えで
例えきれないのが、「いくらおいしい料理でも相手が満腹だったらおいしいと思え
るか?」という観点です。

正直満腹で行った三ツ星レストランより一日なにも食べないでいた時にありついた
肉まんやカップラーメンの方がきっと「うまい」でしょう。

例えばわたしが斬新な椅子を考えてもすでにいっぱい斬新やら名品の椅子をかかえ
ているメーカーでは「食べたくない」という気持で一杯でしょう。というか家具業
界全体で飽和(満腹)しているかもしれません。

そういった意味ではコクヨのIDホルダー「IDeo」はまさにその「空腹」をついた
いい企画だと思っています。

先の5点は「空腹デザイン論」では、本来「処理しきれない」内容をもっています。

そんなに加湿器が必要だったのか、大根おろしが、体温計が、ましてやワインセラ
ーが、しかもすでに持っているいる人も大勢いるものたち。わかりません。
しかしそういうデザインが生まれて世に出ると「そうかこれが食べたいと思ってい
たんだ」という「別腹」ともいうべき生理現象が発生して市場に受け入れられる。

マーケッティングには明るくないので、それらを体系ずけて説明はわたしにはでき
ませんが、デザインの力というものはまだまだ可能性が多く残されていることを示
す意味で、それらの5点は「カタチ」に多くの素材を内蔵しているもの達だと思っ
て選んだのです。

10:49 AM