Archive of September 2017

September 23, 2017


継続の意味

ほぼ毎月のようにこれまでに発売された製品についての「成績表」の

ようなものが送られてきます。つまりどれだけ売れたかというリスト

です。

嬉しい事に、カトラリーmAの販売がどんどん上がって来ています。

今年から燕市のふるさと納税のお礼の品に選ばれた事や、先に紹介

した販売店の実際に使ったレポートが後押しをしてくれているのか

と思います。

土鍋も好調で、夏場にあっても売上はあまり下がる事はありません。

「一年中使える土鍋」というコンセプトは、最近「炊飯器」に土鍋

を使う事が定着して来て、ある意味土鍋全般にも通じるコンセプト

だったように思います。

コクヨから発売されている縦横兼用のIDホルダーも好調で、さらに

は10年前に発売されたHUBSTYLEも楽天の売上ランクに今でも登

場してきたりします。

いずれの製品も、そう多くの情報が外に向けて発信されていないに

も関わらず、5年10年と継続的に売れつづけている事をうれしく思

います。

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わけてもカトラリーの最近の好調さが嬉しいのは、実際に自分の製

品が出てわかったのは、カトラリーという世界はとても「定評の壁」

が高いジャンルである事です。

新しいモノはなかなかそこに割ってはいっていけません。

そしてさらには、カトラリーmAは「外観的には特徴的ではない」

という事もあります。

手触りやバランスに重きをおいてデザインしましたが、結果的には

「カトラリー(スプーン・フォーク)はそういうカタチだよね」と

いう総論的な形状をしています。ゆえに埋もれやすい。

『使うと判ってもらえるのにな。』と思うのですが、売り場で持つ

事は出来ても「食事を口に運ぶ」という動作はかないません。

そんな条件の中で、着実にその「使った時の差異」に言及してくれ

る人が出て来た事です。

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たぶんこれは「いいわけ」です。昨日の信号機のお話も「いいわけ」

です。

世の中は「上手くいっていない事について話しする事を、いいわけと

捉え、上手くいった事については説明と受け取る」ものだと思います。

わたしは「上手くいっても言い訳(説明)していく」ようにしようと

思っています。

秋田道夫

mAプロセス.jpg

11:07 AM

September 22, 2017


肖像

新型交通信号機1.jpg

新型下から.jpg

新型斜め後.jpg

側面.jpg 

信号電材に耐久テスト用に設置された新型「軽量交通信号灯器」の肖像

を撮影してきました。

「肖像」というのもいささかおおげさな表現ですが、これはプロフィール

写真ではなくやはり「肖像」だと思います。

LED式の歩行者用灯器も最初は「信号らしく前面から」撮影していました。

実は「正面」というのは、レギュレーション(基準)があって「ランプ」

がそのほとんどで「差異」というのはほとんど出てきません。いまでも

50mも離れるとどこの製品なのかわたしもわかりません。もちろん信号

機はそうあるのが「望ましい」ので、差異がないのが当たり前ですが、

わたしがなした工夫のポイントは「曲面」を設けてより薄く感じるよう

にし背面にスリットを入れる事によって「面の張りと緊張感」を生み出

す事でした。

ゆえに設置されてから数年後ほとんどの写真が「背面が主」にかわって

行きました。

今回の「薄型」も、最初期は「正面」を考えていましたが、ランプごと

のピッチ(間隔)とランプ径、そしてLED素子がかなり目立つ事によっ

てある種「デザインの意図」が判り難い事を感じました。

「信号機=ランプフード(ランプの庇)」というのが、ある種信号機の

イメージを作っているところが有るのですが、各社新型についてはラン

プフードがありません。

白熱ランプを使っていた時代は、西日(太陽光)が、ランプ奥の反射鏡

にあたって「全部のランプが光って見える」という欠点があったのです

が、LEDになる事によって太陽光があたっても「なにが光っているか」

が判るようになりました。

LED式にも「ひさし」がありましたが、ある意味「遺構」というかこれ

までの形式を残したものでしたが、今度は白熱ランプと同じ意匠では

問題がある事が判ってきました。

それは「雪が積もる」「雪が付着する」という問題です。

白熱ランプにくらべて「熱」を発しないLEDでは雪を自分のチカラで

溶かす事ができないのです。

その対応で新型では灯器を斜めに設置したり信号電材のモデルのように

前面を曲面にしたりして雪が積もり難くしているのが「デザインポイン

ト」です。

実は「前面が曲面」というのはオリジナルアイディアです。

平面であればランプカバー(アクリル)の成形も合わせも容易ですが、

その難度に挑んだ結果の「フラットサフェース」です。

さらに言えばメインボディーは「アルミの押出し」で出来ています。

つまり「凹凸」をつけられないのです。そのためにランプとランプの

間に生まれる「空いた部分」を溝や凹みでカバーが出来ませんでした。

製造方法とコスト削減を優先したものです。

その「間」をどうこういうのは簡単ですが、その条件の中でどこまで

やれるかを突き詰めた結果です。

側面のパネルには下から見ていると判り難いですが、「月」が隠れて

います。わたしはデザインが始まった当初「クレセント(三日月)」

と呼んでいました。前面も背面も「曲面」になるように造型していま

した。

しかし「方向指示ユニット」等がジョイントされたり内部のパーツが

びっしりあって曲面では体積が足らない為に「疑似台形」になったわ

けです。側面にその「気持ち」を残しました。ネジが出る為にその曲

面もとぎれとぎれです。

わたしの様々な「意図や意志や造形性」が伝わるように「肖像」が撮

影したかったのです。

秋田道夫

4:03 PM