先日、ライターの加藤孝司さんが手伝われている早稲田大学の建築研究室が編纂中
の本中に掲載するインタビューの取材を西早稲田の理工学部キャンパスで受けた。
わたしが担当する内容は「持続 / 継続」でプロダクトデザインをキーにしてお話を
させていただいた。
「継続するものは不器用でなくてはいけない」「単機能でありその単機能を極めた
もの事こそが継続性へと導かれる」それがわたしが今感じている真理だ。
長く売られているものが「デザイン性が優れている」という結論は案外に導きだす
事は難しい。
その代わり長く売られているものは、「その機能に対してとても素直に従順につく
られている」かと思っていて外観的に洗練されていなくても「機能的」という意味
では正解である事がある。
そこに「デザイン性」というキーワードで解答を求めても外観の洗練にしかならず
結局は「初代」を凌駕出来なかった試行錯誤の歴史も知っている。
しかしなぜかそういう「デザインの限界」に気がついた事が失望にも意欲の低下に
もつながらない自分が居る。
デザイナーは「カタチ化」することに優れている。カタチをカタチ化する訳ではな
く、その製品の機能をカタチにし問題点をいちはやく関わる人達に「共有化」する
事が出来るチカラがある。
つまり「結論」ではなくて「問題」を具象化する事が出来るのであって作業には
「なにをすれば当たるか」ではなく(それもあるが)「なにをすればはずれるのか」
を提示することが事前に出来るとも言える。
「不適合なもの」が消去されて「適合なもの」が選択されるという生物の進化形体
が新陳代謝だとすると同じカタチが継続し増殖するのは難しい。
不適合はなにかを考える事はデザイナーにとっても大事な「進化」かもしれない。


