仕事を辞めたい理由9選!会社辞めたい時や疲れた時の対処法も紹介

仕事が辛い 2024.03.15

今の仕事を辞めたいと思っていても、なかなか会社には言い出しづらいですよね。「20代・30代・40代など年齢が気になって、仕事辞めたいけど次がない」、配偶者や親など「仕事を辞めたいと家族に言えない、怖い」という人も多いでしょう。

「仕事が辛い」「仕事向いてない」とネガティブな気持ちになってしまう場合も多いです。

結論からお伝えすると、少しでも仕事を辞めたいと考えているなら、転職サイトなどで求人を見てみることをおすすめします。
 
今すぐに転職を考えていなくても構いません。まずは視野を広げて他社の状況を見てみることで、改めて現職の良さに気づけることもあります。
 
また新しいことに目を向けてみることで世界が広がり、気持ちが楽になる場合もありますよ。

この記事では仕事を辞めたい理由やその対処法、仕事を辞めたいと上手く伝えるコツなどを紹介しますので、「仕事を辞めたい」と疲れてしまった人はぜひ参考にしてくださいね。

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給料が不満?仕事に疲れた?仕事や会社を辞めたくなる9つの理由

仕事や会社を辞めたいと思う理由は人それぞれです。正社員・パート・派遣など、働き方によっても不満や悩みの種類は異なると思います。
 
なかには、「仕事を辞めたいけど次の仕事がないから辞められない」「仕事を辞めたい理由が自分でもよくわからない」などと、辛い思いを抱えている人もいるでしょう。
 
そんな時は、一度立ち止まって気持ちを整理してみましょう。仕事を辞めたいと感じる原因が分かれば対処法を導きやすくなり、気持ちも楽になるはずです。
 
ここからは、仕事を辞めたいと思う理由として多いものを7つに分けて紹介していきます。思い当たる原因があるか確認してみてください。

仕事を辞めたい理由で一番多いのは「給与が低い」こと

仕事を辞めたくなる理由として多いのが、「お金」に対する不満です。
 
具体的には以下のような例が挙げられます。
 
【事例】

  • 過酷な労働環境のわりには給料が安い
  • 給料を30%カットされた
  • 残業手当がない
  • 賞与(ボーナス)がない
  • 成果を出しても給与に反映されない
給料やボーナスなどの報酬は、仕事への満足度や働くモチベーションに大きく関わります。

せっかく給料が入っても、日々の生活費に消えてしまったり、趣味や旅行などの楽しみに回す余裕がなかったりすると、何のために働いているのか分からなくなってしまうのも無理はありません。
 
実際に、求人情報・求人サイト「doda」による「転職理由ランキング2021」では、「給与が低い・昇給が見込めない」という、お金に関する不満が転職理由としてもっとも多くなっています。

順位 転職理由 割合
1位 給与が低い・昇給が見込めない 35.0%
2位 昇進・キャリアアップが見込めない 29.4%
3位 会社の評価方法に不満があった 26.8%
もちろん、仕事は給料がすべてではありませんが、どんなに好きな仕事ややりがいのある仕事でも、給与が低ければその会社で長く働き続けるのが難しくなることもあるでしょう。

「人間関係が良くない」という理由で仕事を辞めたい人も多い

職場の人間関係の良し悪しは、仕事への意欲を左右する大きなポイントです。そのため、以下のような人間関係の悩みから仕事を辞めたいと思ってしまう人も少なくありません。
 
【事例】

  • 陰口や悪口を言う人が多い
  • 職場の中にグループや派閥がある
  • 他人のミスの後始末ばかりさせられる
  • 上司が怖い
  • 上司の態度が気分によって変わる

プライベートであれば、苦手な人とは距離を置けば済みますが、ビジネスの場となるとそうはいきません。とはいえ、毎日のように顔を合わせる人と良好な関係を築けなければ、会社に行くのも憂鬱になってしまうのも仕方のないことと言えるでしょう。

当社が実施したアンケート結果では上司が理由で仕事を辞めたいと思った方が、なんと8割近くいらっしゃいました。

上司が理由で仕事辞めたいと思った方アンケート結果

実際に、人間関係に悩んで転職に踏み切る人は多いようです。

以下は、厚生労働省による「令和3年雇用動向調査」の結果です。「個人的理由」に着目してデータ結果を見ると、男女ともに人間関係が原因で転職に踏み切った人の割合が多いことが分かります。

男性 【1】職場の人間関係が好ましくなかった(8.1%)
【2】労働時間、休日等の労働条件が悪かった(8.0%)
【3】給料等収入が少なかった(7.7%)
【4】能力・個性・資格を生かせなかった(6.3%)
【5】仕事の内容に興味を持てなかった(5.0%)
女性 【1】労働時間、休日等の労働条件が悪かった(10.1%)
【2】職場の人間関係が好ましくなかった(9.6%)
【3】給料等収入が少なかった(7.1%)
【4】能力・個性・資格を生かせなかった(4.8%)
【5】会社の将来が不安だった(4.5%)

※「その他の個人的理由」を除く

人と関わらない仕事であればよいですが、人と関わらずにできる仕事はそう多くはありません。社内の人間関係が辛くて辞めたい気持ちが強いなら、転職を考えてみるのも一つの手でしょう。

「労働条件が悪い」のも仕事を辞めたい大きな理由

労働時間や休日日数など、労働条件に対する不満も仕事を辞めたくなる大きな要因です。
 
具体的な例としては、以下のようなことが挙げられます。
 
【事例】

  • 毎日のように残業をしている
  • 慢性的な人手不足で休憩時間も十分に取れない
  • 休日出勤をさせられる
  • パートなのに正社員と同等の仕事をさせられる

平日の残業や休日の仕事が多いと、自分の時間がほとんど持てません。そんな状態が続けば、体の疲れや精神的なストレスがどんどん溜まってしまいます。

「休みが多い仕事に転職したい」「楽な仕事がしたい」と考えて始めてしまう人も多いことでしょう。

心身の些細な変化が、仕事を辞めた方がいいサインや体調不良の前兆のケースもあるので、過酷な労働環境の場合は、なるべく早く離れたほうが良いと言えます。

仕事内容に興味が持てない・向いていないと感じて仕事を辞めたい場合も

主な仕事内容や日々の業務に興味ややりがいを見いだせないことで、仕事を辞めたくなってしまうケースもあります。
 
【事例】

  • 業務そのものに興味が湧かない
  • 仕事内容に苦手な業務があり過度なストレスを感じる
  • 努力や工夫を続けても成果につながらない
  • 自分の強みやスキルが発揮できないポジションで面白みがない
  • 責任やプレッシャーに耐えられない

毎日携わる業務に対してストレスやモヤモヤした気持ちを感じてしまうと、仕事へのやる気も下がって当然です。

特に、未経験の職種の場合、実際に仕事をするまで自分に向いているかどうか分かりません。

働いてみてはじめて、抱いていたイメージと現実との間にギャップを感じて、「仕事向いてない」「思っていた仕事と違った」と仕事を辞めたくなってしまうことも少なくないでしょう。

「社風が合わない」というストレスも仕事を辞めたいきっかけになる

会社の社風や職場の雰囲気に「合わない」と感じることによるストレスから、会社を辞めたいと悩んでいる人も多いです。
 
例えば、仕事をする中で以下のような違和感や不満を抱いた経験はありませんか?
 
【事例】

  • 会社の利益が最優先で顧客をないがしろにしている
  • 上司に意見できず社員が委縮している
  • 忘年会や新年会で出し物をしなければならない
  • 休日の会社のイベントに強制的に参加させられる

自宅の次に長い時間を過ごす職場の雰囲気が合わなければ、精神的なストレスにつながってしまいます。
 
また、社風も雰囲気も自分ひとりで変えられるものではありません。
 
せっかく勇気を出して行動や工夫をしても、一社員の努力では状況を改善することも難しいでしょう。

このような自分の希望と会社とのミスマッチによって、会社を辞めたいと感じる人も少なくないようです。

仕事のミスが多い・仕事ができないことが辞めたい理由になる

仕事で何度もミスを繰り返し、ミスが多いことが原因で、現在の仕事が合ってないのではないかと仕事を辞めたくなってしまう人がいます。

以下のような状態や状況が続くと、会社に行きたくなくなってしまう人も少なくありません。

【事例】

  • 何度も同じミスを繰り返す
  • ミスをした自分に対する上司や同僚の目が怖い
  • ミスに対する予期不安が強い
  • 仕事ができないというレッテルを貼られる
  • ミスのフォローがない

仕事でのミスをきっかけに「ミスをしてはいけない」という強迫観念を持ってしまった人は、些細なことであっても上司や同僚からの評価を気にするようになってしまいます。

ミスや失敗をバネにできればよいのですが、ミスや失敗が劣等感となってしまった人は、常に責任やプレッシャーを感じながら仕事をすることになるので、ストレスが溜まりやすくなってしまうでしょう。

ましてや、ミスのフォローがない場合や相談できる同僚がいない場合は、会社にいることさえもいたたまれない気持ちになってしまうもの。心を壊しかねない状況に陥る可能性もあるのです。

本格的に体調を崩す前に、厚生労働省「5分でできる職場のストレスセルフチェック」で自分のストレスレベルをチェックすることができます。

「正しく評価されていない」という不満から辞めたくなることもある

一生懸命に取り組んだ仕事に対して正しい評価が得られなければ、仕事へのモチベーションも低下して当然でしょう。

【事例】

  • 努力して成果をあげても給与に反映されない
  • 評価制度があいまいで仕事をどう頑張ったらいいか分からない
  • 同じ仕事をしているのに年齢や男女で評価が異なる
  • 責任あるポジションに就いても昇給しない
  • 上司にゴマすりをしないと出世しない
  • 飲み会やイベントへの参加など仕事の成果以外で評価される

求めている仕事への姿勢や働き方、評価基準などは、企業によって異なるので、優れた実力を持っていても評価されるとは限りません。

また、努力をしても結果が伴わなければ評価にもつながりにくいでしょう。

しかし、努力を重ねて結果を出しているにも関わらずいつまで経っても評価内容が上がらないという状態が続いているなら、そもそも会社や仕事自体が合っていない可能性があります。

今いる会社の評価制度に納得できないなら、明確な評価基準を設けている会社など、他の職場への転職を検討しても良いでしょう。

結婚・出産・介護など「家庭の事情」が辞めたい理由になる女性は多い

結婚や出産、介護などの家庭の事情によって仕事を辞めたいと思うのは女性が多いでしょう。

【事例】

  • 思うように産休や育休が取れない
  • 上司や同僚が産休・育休・介護に理解がない
  • 育児や介護などの家庭の事情と仕事との両立が難しい
  • 復帰後の仕事に不安

産休や育休制度が整っている会社でも気持ちよく取得できない、周りの理解が得られないなどの問題や復帰後の部署異動、育児や介護との両立への不安が仕事を辞めたいことにつながっています。

出産や介護などは精神的にも時間的にもストレスがかかるため、通常通りの業務量をこなすことが難しくなると容易に予想できます。

実際、産休前は気にならなかった通勤時間や勤務体制など育児しながら働く環境では不便に感じるようになり、産休明けに辞職することも。

特に結婚・出産は人生のターニングポイントであるため、仕事についても考え直す機会となるでしょう。今後のライフプランを含め、パートナーと話し合う必要がありますね。

「働きたくない」「めんどくさい」という理由で辞めたくなる人もいる

ばくぜんと「とにかく働きたくない」「仕事をするのがめんどくさい」と感じて辞めたくなる人もいます。

仕事ではなく「職場が遠くて通勤時間が長い」「満員電車に乗らなければならない」というように、通勤がストレスになっている方もいるでしょう。

また、以下のような日は特に会社に行くのがおっくうに感じる人が多いです。

  • 週明けの月曜日や連休明けの出社日
  • なんとなく体調が良くない日
  • 朝から土砂降りなど悪天候の日
  • 気が進まない予定がある日
  • 苦手な仕事をしなくてはならない日
「これからエネルギーを使わなければならない」という場面では、多くの人がネガティブな感情になりやすいです。

こうした場面が多ければ多いほど、精神的なストレスも増していきます。

そのうえで業務内容に不満を感じていたり職場の人間関係に問題があったりすれば、「仕事を辞めたい」「働きたくない」という気持ちもいっそう強くなってしまうでしょう。

仕事で辞めたくなりやすい人の特徴!ストレスを感じやすい性格もある

自分自身にとっては仕事を辞めたいと悩むほどの大問題であっても、誰もが同じように感じているとは限りません。

同じ仕事をしていて同じくらいの負担を与えられているはずなのに、まったく動じない人もなかにはいます。物事の捉え方やストレスの感じ方には個人差があるので、そうした違いが生まれるのも当然でしょう。

しかし、実はストレスの影響を受けやすい人、それで仕事が辛くなってしまう人にはいくつかの共通する特徴があります。特徴を把握して考え方を見直すなどして、ストレスの軽減につなげましょう。

特徴1.責任感が強い

責任感が強い人は、「絶対にやり抜かなければ」「周囲の期待に応えなければ」という気持ちが強いので、他の人よりもプレッシャーを感じやすい傾向にあります。

プレッシャーだけでも精神的なストレスになりますが、そこに残業が続いたり休日に出勤しなければならなかったりと、体力的な疲労が加わると、糸が切れてしまったように仕事への積極性や前向きさが取り戻せなくなることもあるでしょう。

また、一生懸命仕事に取り組んで満足のいく結果が出れば良いですが、目標が未達に終わったりミスをしたりした場合、必要以上に自分を責めてしまうこともあります。

一度自信を失って、その後の気持ちの切り替えもうまくできないと、仕事へのモチベーションを取り戻すのに時間がかかるかもしれません。

特徴2.真面目すぎる・完璧主義

ストレスの影響を受けやすい人や仕事が辛くなりやすい人の特徴のひとつに、「真面目すぎる」「完璧主義」ということがあげられます。

例えば、以下のような強いこだわりはありませんか?

  • 「今日やると決めたら、体調が悪かったり時間に余裕がなかったりしても今日中に終わらせたい」
  • 「どんなに小さな仕事でも細かい部分も含めてすべてを完璧にこなさなければならない」
  • 「8~9割できていても小さなミスが1つでもあると『失敗した』『まったくできていない』と思う」

一切の妥協を許さなかったり融通が利かなかったりすれば、そのこだわりの強さから心身への負担が大きくなりやすいです。

また、細かいところにも意識が向いてしまうので、小さなミスでも気になってしまうなど自己嫌悪に陥りやすいでしょう。

ビジネスの場では真面目であること、完璧を目指すことは素晴らしいですが、それで心身に大きな負担がかかってしまうようなら考えものです。

「適度に力を抜く」「柔軟に考える」といった意識を取り入れて、精神的な負担を軽くしましょう。

特徴3.頼まれると断れない

「自分の仕事で忙しい状況でも、新しい仕事を頼まれると断れずに受けてしまう」「飲み会や休日のイベントなど、気乗りしない予定でも断ると相手に悪い気がして受け入れてしまう」という人は、「断れない性格」かもしれません。

嫌なことが増えればストレスが溜まるのも当然です。

断れないからといってなんでもかんでも引き受けてしまえば、ときには自分の手に負えなくなることもあるでしょう。その結果、後悔したり自己嫌悪に陥ったりと、ストレスを抱えるのは目に見えています。

一見、「その場ではっきりと断ること」が難しいように感じるかもしれませんが、後のストレスを考えれば、その場で断ったほうが結果的に辞めたくなるほど嫌な思いをせずに済むのではないでしょうか。

仕事や誘いを断る際には、以下のように言い方に工夫してみてください。

  • 「今は担当している業務量が多く新しい仕事をするのは難しいかもしれません」
  • 「明日の午後であれば対応できますが、いかがでしょうか」
  • 「都合がついたらこちらから連絡させてください」

状況に合わせて「すみませんが…」「大変光栄なのですが…」というように、まずは謝罪や感謝の言葉を伝えると、相手を不快にさせることもないでしょう。

特徴4.心配性

ビジネス・プライベートに関わらず、あれこれ気になってしまう心配性の人は、常に気を張っている状態でストレスの影響を受けやすくなります。

ビジネスの場においては、以下のような心配・不安が高じて、精神的に大きな負担がかかってしまうことは少なくありません。

  • ミスを恐れすぎてミスを回避するための準備に時間をかけすぎてしまう
  • 実際に起こっていないことにも不安を感じてしまいなかなか行動が起こせない
  • 必要以上に他人に気を遣ってしまい精神的に疲れる

心配性はただでさえ考えすぎてしまうため、責任が大きい仕事を任されたり周囲から期待されたりすれば、比例して精神的なストレスも大きくなります。

そうは言っても、仕事の場でネガティブに考えすぎてしまうと、本来持っている実力も発揮しづらくなるでしょう。

場合によっては評価や出世に関わる貴重なチャンスを逃してしまう可能性もあります。

心配性が災いして仕事を辞めたいと思い悩んだときは、意識的に楽観的な考え方を身に付けるような工夫や努力が必要かもしれません。

特徴5.コミュニケーションが苦手

職場の人や取引先とのコミュニケーションがうまくいかない人も、仕事に対するストレスを抱えやすい人と言えます。

円滑に業務を遂行するためには、社内外の人とのコミュニケーションは欠かせません。

「話したくない」「苦手だから避けよう」といった姿勢で仕事に取り組んでいては、職場の人との連携が取れずに業務に支障が出てしまいます。

そればかりか、相手が取引先や顧客の場合、信頼関係を損なう、クレームにつながるなどして会社の利益を損失してしまう恐れもあるでしょう。

そうは言っても、職場の人間関係が良くないと仕事で不自由さを感じる場面も多くなります。

そうした環境では「辞めたい」という気持ちが強くなるのも当然です。

「どうしてもコミュニケーションを取りたくない」「人と関わるのに大きなストレスを感じる」という人は、そもそも仕事自体が合っていない可能性があります。

人とのコミュニケーションが少なく済む仕事への転職を検討するのもひとつの方法でしょう。

辞めたいと悩んでいる人必見!知っておきたいストレスチェック方法

「仕事を辞めたい」「もう働きたくない」と思い悩んでいる人のなかには、すでに自分が思う以上にストレスや疲労が溜まっている人もいるかもしれません。

心身にストレスや疲労がかかる状態が長引くと深刻な病気につながることもあるので、自分自身のストレス状態についてよく知っておくことが重要です。

そこでここでは、今すぐにでもできるストレスチェックと知っておきたいストレスサインについて紹介していきます。自分の身を守るためにもぜひ知っておきましょう。

WEB上で簡単にできるストレスチェック

まずは、厚生労働省が公開しているストレスや疲労蓄積度のセルフチェック方法を紹介します。

どれも3~5分程度で完了するのでぜひやってみてください。

  • 3分でできる職場のストレスセルフチェック
  • 5分でできる職場のストレスセルフチェック
  • 働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)

知っておきたい心身のストレスサイン

「ストレスのない職場で働きたい」と思っても、社会で働く以上、すべてが思い通りになるなんてことはなく多かれ少なかれストレスを感じる場面はあるでしょう。

だからこそ自分のストレスにいち早く気づいて適切にケアしていくことが大切です。

以下に心身に表れやすいストレスサインを紹介するので、何か異変が出ていないか、確認してみてください。

身体のサイン ・肩こり、頭痛、腹痛、腰痛など身体に痛みを感じる
・寝つきが悪くなった
・ぐっすり眠れず夜中や朝方に目が覚めてしまう
・食欲がなくあまり食べられない、または過度に食べてしまう
・便秘や下痢などお腹の調子が良くない
・めまいや耳鳴りがする
心のサイン ・強い不安感や緊張感がある
・イライラしやすくなった
・ささいなことで驚いてしまう
・理由もなく涙が出る
・気分の落ち込みが激しい
・やる気が起きない
・人に会いたくなくなる

仕事を辞めたい!と思ったら冷静に自分と向き合う手順を紹介

「仕事辞めたい!」と思い始めたら辞めることしか考えられなくなるもの。気分が落ち込み冷静さが失われた心理状態になってしまうでしょう。
そうなると毎日の仕事が上の空になって集中できなくなったり、勢いで仕事を辞めてしまったりすることも。

一時の感情に支配され後悔しないためにも、冷静に自分と向き合うために、以下の手順を行ってみてください。

【1】なぜ辞めたいのか理由を書き出してみよう

「仕事辞めたい!」と日常的に考えるようになったら、なぜ自分は仕事を辞めたいと思っているのかを箇条書きしてみましょう。

「嫌なこと」「つらいこと」「不満に思っていること」を思いつくまま具体的に書き出します。その際には、誰にも言えない小さな不満も全部吐き出すつもりで書くことが大切。

実際に紙とペンで書いたり、スマホのメモ機能を使って書いたりと自分がやりやすい方法で行ってみましょう。スマホであれば思いついたときに書き留めておくこともできますね。

書き出すことで「仕事を辞めたい」「会社に行きたくない」という現在の感情を言語化して整理することができるのです。

頭の中のモヤモヤした気持ちを自分の言葉でアウトプットすれば、感情を整理することができ、もう少し今の会社でがんばるべきか転職に踏み切るべきかを見極めることができるかもしれません。

書くことで自分の気持ちを掘り下げることができ、負の感情を分析することができるはずです。

【2】書き出した理由を嫌な順番に並べ替えてみよう

【1】で書き出した「辞めたい理由」に順位付けしていきましょう。

箇条書きにした文に順位を記入したり、紙を切り取るか付箋に書き写して並べたりしてみます。
並べ替えている間にも仕事を辞めたい理由が新たに浮かび上がってきたら、追加OK。

並べ替えていくと、本当に嫌なことや不満なこと、つらいことが何なのか頭の中でごちゃごちゃになっていたものが徐々に整理されていく感覚を味わうでしょう。

ここで再度見かえすために、並べ替えたり順位付けしたりした「辞めたい理由」の写真を撮っておくことをおすすめします。

嫌な順に並べ替えていくうちに、「本当に嫌なのかな」という疑問も生まれてくるかもしれません。

この感情が揺さぶられる過程で「もしかしたら辞めるほどのことではないのかも」と気づくかもしれませんし、逆に「やはり早急に辞めるべきだ」と思うかもしれません。

ここでは、「仕事辞めたい!」に直結した理由は何なのかを可視化することが大切です。

並べ替えた「会社を辞めたい理由」を客観的に見ることが大切なのですね。

【3】辞めたい理由を振り分けてみよう

次に「辞めたい理由」を「我慢できること」と「我慢できないこと」に振り分けます。

例えば、「部長の貧乏ゆすり」は我慢できることで、「残業が多い」が我慢できないこと、などと振り分けてみましょう。

次に「我慢できないこと」に振り分けられた「辞めたい理由」を「自分で解決できること」と「自分で解決できないこと」に振り分けます。

例えば、「残業が多い」は「自分で解決できること」かもしれないし、「上司によるパワハラ」は「自分で解決できないこと」となります。

振り分ける際に「辞めたい理由」に真摯に向き合うことになります。本当に自分で解決できないか、我慢はできないかを改めて自問自答してみましょう。

【4】振り分けた結果をもとに行動しよう

「我慢できないこと」から振り分けた「自分で解決できること」のうち、明らかに自分のスキル不足、知識不足などが原因の場合は、努力してみましょう。

先述にあげた「残業が多い」の場合は、時間の配分を工夫し仕事の処理スピードを上げるなど自分でできそうな解決方法を考えてみるのです。

「自分で解決できそうなこと」は、とりあえずその不満を解消できるように行動に移すことが大切です。

次に、「我慢できないこと」から振り分けた「自分で解決できないこと」は、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談してみましょう。

客観的な視点でアドバイスをもらえれば、解決できる糸口が見つかるかもしれません。また、「よく考えたら自分で解決できるかも」と気づくきっかけを得られる可能性があります。

「自分で解決できないこと」が多い場合は、転職を視野に入れた方がよいでしょう。

「辞めたい理由」を振り分けることで、自分ができること、しなければならないことが明確になるのですね。

【5】今の会社のよいところを書き出そう

辞めたい会社のよいところ探しは心情的に難しいかもしれませんが、初心に戻って今の会社のよいところを書き出してみましょう。

同じように紙とペンを使って箇条書きしたり、スマホのメモ機能を使ったりして今の会社で満足している部分をリストアップしていきます。

例えば、「残業は多いけど給料は高い」「近場においしいランチの店がある」など小さなことでも何でもよいです。

「辞めたい理由」の後に会社のよいところをあげていくと、自分がどんな働き方をしたいのか、何にやりがいを感じるのかが見えてくるのです。

会社のよいところがなかなか思い浮かばない人は、同業他社の同い年の人がどのような環境でどのように働いているのかを転職サイトなどで調べてみましょう。
他社で働く友達の話を聞くこともおすすめです。

【6】会社を辞めるとしたら転職先に求めることを書き出そう

【1】から【5】までの作業を行ってみて、自分が抱えている「辞めたい理由」が将来も解消されないとわかったら、現在の「仕事辞めたい!」という気持ちはきちんと根拠があることだと判断できます。

では、会社を辞めて次の仕事を探す際にはどんな会社に入りたいのか?

現在と同じような気持ちを持たずに働き続けるための会社探しをするには、自分が求めていることを明確にする必要があります。

「辞めたい理由」で振り分けた「自分で解決できないこと」の裏返しと今の会社のよいところを合わせて考えてみましょう。

例えば「自分で解決できないこと」に振り分けた「上司のパワハラ」の裏返しは、「コミュニケーションが取りやすく分け隔てのない尊敬できる上司」という希望が出てきます。

このように「自分で解決できないこと」の裏返しを箇条書きしていきましょう。

今の会社のよいところと合わせれば、今後転職する際に転職先に求める希望条件のできあがりです。

この作業は、転職先の面接で必ず聞かれる転職理由のもとになります。
最終的に転職を選ぶことになったら、この作業が「自己分析」の一環になり得るのです。

ここまでの作業で「状況を変えるためにできることは何もない」と判断したら、転職を視野に入れて行動に移すことをおすすめします。

仕事を辞めたいと感じた場合に試してみてほしい5つの対処法

「とにかく早く会社を辞めたい」と勢いで退職してしまう人もいますが、よく考えずに仕事を辞めてしまうのは危険です。
 
転職はネガティブなことではありませんが、仕事や職場が変われば生活ががらりと変わります。必ず転職が成功する保証もなくリスクも伴うため、慎重に行動していきましょう。
 
そこで続いては、仕事を辞めたいと感じた時に試してみてほしい対処法を5つ紹介します。「会社を辞めたいが、どうするべきか分からない」と悩んでいる方は、試せる方法からぜひ取り入れてみてください。

仕事を辞めたら解決する問題なのか考える

辞めたいという気持ちでいっぱいになると、会社を辞めさえすれば悩みが解消するように感じるかもしれません。しかし、場合によっては退職せずに問題を解決できるケースもあります。
 
退職が解決策となるかどうか見極めるための方法として、まずは辞めたいと思う理由をピックアップしてみましょう。「労働環境」「仕事内容」「人間関係」など、何に対する不満なのかを分類するなどして書き出すと、より問題が明確になってくるはずです。
 
そのうえで、以下のような点から問題を分析してみましょう。
 
【問題を分析するポイント】

  • 問題の原因はどこにあるのか(自分の中か外か、会社全体か職場の一部か)
  • 自分ひとりの工夫や努力で状況を変えられるか
  • 今の仕事を続けながら問題を解決する努力をしたいか
問題の原因が自分自身にある場合、転職しても同じ壁にぶつかってしまうこともあります。本当に退職が正しい選択かどうかを見極めるためにも、不満の内容を深く掘り下げてみましょう。

問題解決に向けて行動してみる

何に不満を抱いているかが分かったら、今の仕事を続けながら状況を改善する方法がないか考えてみましょう。
 
以下に、不満の内容ごとの改善策の例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
 

不満の内容 改善策
給料への不満 ・一般的な水準と自分の給料を比較してみる
・今の会社で何をしたら給料アップにつながるかを確認する
・成果や評価で昇給が可能な場合は、いつまでにどんな結果を出せばいいかを考える
人間関係への不満 ・上司に相談する
・職場だけの関係と割り切る
・チーム替えや異動を願い出る
労働時間が長い ・何に時間がかかっているのか把握する
・合理化できる方法がないか検討する
・先輩や同僚に仕事の進め方について相談する
やりがいを感じない ・自分なりの目標を立てて仕事に取り組む
・業界の勉強会やセミナーに参加してみる
・成果を上げている人にモチベーションについて聞いてみる

何もしなければ状況の変化は見込めませんが、少しでも行動すればものの見方や感じ方が変わります。仕事を辞めたいという気持ちが変わる可能性があり、解決策も見出しやすくなるでしょう。

仕事を辞めたいと感じたらまずは信頼できる人に相談する

「会社を辞めたい」「仕事をするのが辛い」と感じた際に、家族や友人などの信頼できる人に正直な気持ちを打ち明けてみるのも対処法のひとつです。
 
悩みそのものが解決しなくても、話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になります。
 
また、客観的なアドバイスによって思わぬ解決策が見つかる可能性もあります。
 
ただし、退職や転職に関わる相談を職場の人にするのは避けたほうが良いでしょう。話の内容が上司や同僚に漏れ伝わるなどして、職場に居づらくなってしまう恐れがあります。

仕事を辞める前に思い切って休暇を取る

心身が疲れ切ってしまっている状態では、ここまで紹介してきたような対処法を試してみることも難しいかもしれません。
 
そんな時は、状況が許す範囲で有給休暇を取得するなどして、一旦仕事から離れてみてはいかがでしょうか。
 
余裕のない状態で毎日仕事を続けていれば、ストレスがどんどん溜まっていきます。仕事から離れて心身ともにリフレッシュする時間を持つことで、自分自身を見つめ直す余裕が生まれるので、客観性や冷静さが取り戻せるでしょう。

気持ちが落ち着けば、問題の本質も捉えられるようになります。

問題を解決するために何をしたらいいか、会社を辞めずにできることは何か、解決方法も見出しやすくなるはずです。

仕事のストレスを解消する方法を探す

「これと言って不満はないけれど辞めたくなる時がある」「新しく割り当てられた業務になんとなく不満を感じる」など、言葉にしにくいモヤモヤした感情は、プライベートを充実させることで解消する場合があります。
 
退職するほどではないけれど仕事を辞めたくなる時があるという人は、以下のような方法を試してみてください。
 
【ストレス解消法】

  • 副業を始めて収入を増やす
  • 趣味に没頭する時間を作ってストレスを発散する
  • 運動をしてリフレッシュする

どうしてもストレス解消ができない、体調を崩してしまいそうなほど悩んでいるなら、転職も視野に入れておくのがいいかもしれません。

また、ストレス等で体調を崩している場合は、在職時にメンタルクリニックや最寄りの医療機関等医師の受診を受けておきましょう。健康保険の傷病手当金の対象や将来的に障害厚生年金の対象になる場合があります。

【我慢は心身に毒】仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準5つ

「仕事を辞めたい……」と思っても、「本当に辞めていいのだろうか」と悩んでしまいますよね。

止まらない物価の上昇や一向に減らない税金など、金銭的な心配事が多い昨今、仕事を辞める決心をするのはなかなか難しいものです。

「辞めたいけど、こんな理由で辞めていいの?」と仕事を辞める判断基準がわからず、躊躇している方も多いのではないでしょうか。

ここでは、「仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準5つ」をご紹介します。

思い切って仕事を辞めるべきか、それとも頑張って仕事を続けるべきか、今後の判断材料として活用していただけましたら幸いです。

判断基準その1:職場の人間関係のストレスが大きい場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その1は、「職場の人間関係のストレスが大きい場合」です。

1日のうち、仕事に費やす時間の割合は非常に大きいですよね。だからこそ、職場の人間関係が悪いことは、離職理由に充分繋がるのです。

厚生労働省が行った調査である「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると、転職入職者が前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」を挙げた割合は、男女ともに非常に高いものでした。

離職した男性 離職した女性
離職理由第3位 離職理由第1位
「職場の人間関係が好ましくなかった」という退職理由は、全体の8.8% 「職場の人間関係が好ましくなかった」という退職理由は、全体の13.3%
  • 職場の同僚・上司・部下に仲が悪いひとがいる
  • 一方的に嫌がらせをしてくるひとがいる
  • 常に誰かが悪口や陰口を言っている・誰かがいじめを受けている
  • 職場の人間同士の仲が悪く、職場の雰囲気がギスギスしている
  • 職場の人間同士でのコミュニケーションが少なく、なんとなく居づらい

「職場の人間関係の悪さが原因で仕事に集中できない」となれば、何のために仕事に行っているのかわからなくなります。

職場の人間関係のストレスがあまりにも大きく、状況の改善が見込めない場合は、退職を検討したほうがいいでしょう。

判断基準その2:仕事が原因で病気になってしまった場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その2は、「仕事が原因で病気になってしまった場合」です。

病気になってしまった原因が明らかに仕事である場合は、担当する医師の判断のもと、速やかに休職もしくは退職することをおすすめします。

  • うつ病
  • 適応障害
  • 心身症
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 自律神経失調症

上記の病気は一例ですが、特にうつ病・適応障害・心身症はストレス源から離れることを勧められることが多いです。

担当の医師に診断書を書いてもらうことができれば、退職後も傷病手当金を受け取ることも可能で、お金の心配もなく治療に専念することができます。

今はネットで病気の症状を調べることができますが、病気かどうかの自己判断は絶対にやめましょう。もし誤った情報であれば、社会的信用を失いかねません。

信頼できる医師のいる病院で、きちんと病名を付けてもらうことをおすすめします。

判断基準その3:自分の仕事に対して正当に評価されない場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その3は、「自分の仕事に対して正当に評価されない場合」です。

つまり、仕事において、正しく自分の「能力・個性・資格を生かせなかった」ということです。

厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると、転職入職者が前職を辞めた理由として「能力・個性・資格を生かせなかった」ことを理由に挙げたのは、男性は全体の4.9%、女性は全体の5.0%でした。

仕事の成果に対して正当に評価がされなければ、仕事へのモチベーションが下がる一方です。

もし、充分なスキルや実績があるなら、他の企業に転職したほうがいいでしょう。

自分のスキルや実績を活かせる職場に転職できれば、以下のようなメリットがあります。

  • 給料が上がる
  • 自分のスキルや実績を活かせる
  • 必要な人材として大切にされる
  • 仕事のモチベーションが上がる

キャリアアップも視野に入れて、退職を検討してみてもいいかもしれません。

判断基準その4:会社の業績や先行きに不安がある場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その4は、「会社の業績や先行きに不安がある場合」です。

会社の業績や先行きに不安を感じて退職を決める方は、決して少なくありません。

厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると、転職入職者が前職を辞めた理由として「会社の将来が不安だった」ことを理由に挙げたのは、男性は全体の7.1%、女性は全体の3.4%でした。

  • 給料が下がる
  • 賞与が減るor賞与がなくなる
  • 会社に対する不安で仕事に集中できない
  • 突然リストラされる可能性がある・自主退職を勧められる可能性がある

会社の業績不振は、社員に大きな影響を及ぼします。

いつか沈む泥船に乗り続けるくらいなら、余力のあるうちに転職活動を始めたほうが、今後のキャリアに傷が付かないでしょう。

判断基準その5:サービス残業を強要するブラック企業である場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その5は、「サービス残業を強要するブラック企業である場合」です。

ブラック企業の定義は明確に存在しているわけではありませんが、

  • サービス残業をさせる
  • 過剰なノルマを課す
  • ノルマ未達成に対する「罰金」
  • 長時間労働の強要
  • いじめ・嫌がらせ・セクハラ・パワハラなどが横行している
  • 採用時の就労条件とは全く異なる就労条件で働かせる
  • 休暇や退職を認めない

といった内容を行う企業は、「ブラック企業」と認識して然るべきでしょう。

我慢してブラック企業で働き続けても、何も良いことはありません。

いつか心や身体が壊れてしまいます。手遅れになってからでは取り返しがつきません。

今は退職代行サービスもありますし、弁護士に相談する手もあります。

すでに残業代の未払いなどの問題が発生している場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

証拠集めのアドバイスだけでなく、法的な主張をもとに企業との交渉を行ってくれます。

ブラック企業に勤めている場合は、速やかに辞めることを検討したほうが自分のためです。

判断基準その6.職場でハラスメントが横行している場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その6は、「職場でハラスメントが横行している場合」です。

ハラスメントについては、「仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その5」のブラック企業の特徴でも少し触れましたが、深刻な問題なのでここではさらに詳しく解説します。

そもそもなぜ職場でハラスメントが起こるかというと、以下3つの原因が考えられます。

  • ハラスメントに対する個人の無知や無自覚
  • 職場のコミュニケーション不足
  • 職場環境の悪さ

一見するとハラスメントはハラスメントをする本人にだけ問題があるように思えますが、実はそうとも言い切れないのです。

社員間のコミュニケーションが不足していることで誤解や不満が生じてしまい、その結果、ハラスメントにつながるケースは少なくありません。

また、管理職の権限が極端に強すぎたりそれによってハラスメントがあっても対応しづらい環境だったりと、ハラスメントが横行する背景には職場環境の影響も考えられるでしょう。

2021年に日本経済団体連合会が実施した「職場のハラスメント防止に関するアンケート」では、「ハラスメント防止・対応の課題について特にあてはまる上位3つを選択してください(※特にあてはまる上位3つを選択)」という質問に対して、「コミュニケーション不足」をあげた企業が多いことが分かっています。

以下は、回答率の高かった上位7つの項目です。

項目 回答率
コミュニケーション不足 63.8%
世代間ギャップ、価値観の違い 55.8%
ハラスメントへの理解不足(管理職) 45.3%
ハラスメント該当性の判断 36.8%
事実関係の確認 23.8%
ハラスメントへの理解不足(非管理職) 21.5%
組織風土 19.8%

ハラスメントが横行している職場で我慢して働き続けると、精神的なストレスから心身に不調をきたす恐れがあります。

改善の余地が見られないのであれば、自分自身の身を守るためにもなるべく早く退職・転職に向けて行動したほうが良いでしょう。

厚生労働省では以下のような相談窓口を設置しています。

退職や転職までに時間がかかりそうな場合は一度相談をして、現状できる対策について相談してみましょう。

  • 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局)
  • 個別労働関係紛争のあっせんを行っている都道府県労働委員会・都道府県庁
  • 法テラス(日本司法支援センター)
  • みんなの人権110番 全国共通人権相談ダイヤル

判断基準その7.やりたいことがあって今の職場では実現できない場合

仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準その7は、「やりたいことがあって今の職場では実現できない場合」です。

やりたいことや達成したい目標が明らかになっていて、それが「今の会社では実現できない」と感じた際には転職に向けてなるべく早く行動しましょう。

早めに行動したほうが良い理由は、転職は年齢を重ねるほど企業が求めるスキルやキャリアのレベルが高くなるからです。

20代の転職であれば、若さや成長性など若手社会人ならではのポテンシャルに期待して採用する企業も多いです。

しかし、30代以上になると即戦力を求める傾向が強くなります。

実務経験や専門性が評価対象になるので、アピールできるキャリアやスキルがない未経験での転職はかなりハードルが上がってしまうでしょう。

さらに女性の場合、30代を過ぎてから出産や育児などのライフステージの変化を迎える人も少なくありません。

生活が変わることでキャリアを一時的に中断させざるを得ない可能性を考えると、タイミングを見計らってばかりはいられないでしょう。

また、「やりたいことは他にあるのに…」と不満を抱えながら働いていると、精神的なストレスはどんどん溜まっていきます。

そんな状態では現職へのモチベーションも上がらず、遅かれ早かれ転職することにもなるでしょう。

年齢がネックになって転職が不利になるケースは少なくないため、やりたいことが明確になっているなら早めに転職の準備を進めることをおすすめします。

【ちょっと待って!】仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準5つ

前項では、「仕事を辞めたほうがいい場合の判断基準5つ」についてご紹介しました。

とはいえ、それだけでは少し物足りませんよね。

ここでは、「仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準5つ」をご紹介します。

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準についても知っておくと、今後も仕事を続けていくべきかどうかをしっかり考えることができるからです。

ご自身が「仕事を辞めたい」と思っていても、今後のことを考えると、仕事を辞めないほうがいいケースが往々にしてあります。

「仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準5つ」を確認しながら、自身の今後の仕事について考えていただけましたら幸いです。

判断基準その1:結婚や介護を理由に退職を考えている場合

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準その1は、「結婚や介護を理由に退職を考えている場合」です。

昨今の不安定な経済状況から、結婚や介護を理由に退職する方は減少傾向にあります。

令和2年1年間の離職率を離職理由別にみると、「個人的理由」(「結婚」「出産・育児」「介護・看護」及び「その他の個人的理由」の合計)によるものは10.1%で、前年と比べると1.4ポイント低下した。
引用元:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概要」より

しかしながら、結婚や介護を理由に退職する方がいなくなったわけではありません。

結婚や介護を理由に退職することで、これまで築いてきたキャリアが崩れてしまいます。

人手不足の時代とはいえ、キャリアの再構築は非常に難しいです。

いつか再び正社員として雇用されたいと考えているなら、今その立場を捨てることはおすすめできません。

今後のキャリア形成も考えるなら、正社員として働きながら、時短勤務などの就労条件の交渉を行うほうが現実的でしょう。

判断基準その2:退職理由が「働きたくないから」である場合

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準その2は、「退職理由が「働きたくないから」である場合」です。

退職する方の中には、ときどき「働きたくないから辞める」という方がいます。

金銭的に余裕があるなら構いません。

しかし、いつかまた再び働くことを考えているなら、「働きたくないから」という理由で退職することは、今後のキャリア形成に大きな悪影響を及ぼします。

今の自分の状況を優先するのではなく、未来の自分の状況を優先してあげてください。

「働きたくないから」という安直な理由でキャリアを捨てることは、のちのち自分の首を絞めることに繋がるため、退職しないほうが賢明です。

判断基準その3:まだ転職先が決まっていない場合

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準その3は、「まだ転職先が決まっていない場合」です。

転職先が決まっていないのに、退職してしまう方がいますが、あまりおすすめできません。

転職活動が難航した場合、キャリアに空白期間が生まれてしまうからです。

採用担当者はキャリアの空白期間を嫌います。転職活動が長引けば長引くほど、転職しづらくなってしまうのです。

エージェント型転職サイトやスカウト型転職サイトを利用するなどして、働きながら転職活動を行うことをおすすめします。

判断基準その4:特筆できるスキルや実績が少ない場合

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準その4は、「特筆できるスキルや実績が少ない場合」です。

特にこれといったスキルや実績がない場合は、スキルや実績を積み重ねるまで退職を先延ばしにすることをおすすめします。

転職活動が難航する可能性が高いからです。

卓越した話術で上手く自己アピールできるなら問題ありませんが、なかなか難しいですよね。自身のスキルや実績に自信が付くまで、退職することはやめましょう。

それでもどうしても辞めたい場合は、エージェント型転職サイトを複数社併用しながら転職活動を行うことをおすすめします。

Q:自分のスキルに自信がないのですが、申し込んでもよいのでしょうか?
A:自分ではたいしたことないと思っている経験や資格が、他の企業・業界で、高く評価されることがあります。私たちは、お客さま自身が気付いていない価値を見つけ出すことが仕事です。スキルや経験を客観的に分析し、現在の転職市場をお伝えしながら、そこで活かせる強みをお伝えさせていただきます。
引用元:リクルートエージェント「エージェントサービスの疑問にお答えします」より

とはいえ、あまり良い求人を紹介されない可能性や、派遣会社への登録を促されるケースも少なくありません。

転職活動では、これまで積み重ねたスキルや実績が給料に反映されます。

その事実から目を逸らすことなく、退職についてしっかり考えたほうがいいでしょう。

判断基準その5:転職回数が多い・短期間での離職が多い場合

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準その5は、「転職回数が多い・短期間での離職が多い場合」です。

転職回数が多い場合や短期間での離職が多い場合、採用担当者からの印象はあまり良くありません。

しかし、転職回数が多い理由・短期間での離職が多い理由に、「採用担当者が納得できるストーリーがある」のであれば、話は別です。

  • 同じ職種で、スキルアップのために転職を繰り返していた
  • 業界について知るため、業界内の多様な職種に就きたかった
  • 持病などの事情があり、働きやすい職場を探していた

以上のような「ストーリーがある」なら、採用担当者は納得してくれるでしょう。

しかし、考えのない転職を繰り返していたり、安易に退職を繰り返していたりする場合は、採用担当者からの印象が悪くなる一方なので、これ以上転職回数を増やすことはおすすめできません。

退職や転職に、採用担当者を納得させられるだけの「ストーリー」はありますか。

たいした「ストーリー」のない転職であれば、やめたほうが無難でしょう。

判断基準その6.休職すれば問題が解決しそうな場合

仕事を辞めないほうが良い場合の判断基準その5は、「休職すれば問題が解決しそうな場合」です。

今いる会社に休職制度があって、かつ仕事を辞めたいと思っている問題が一定期間、仕事から離れることで解決しそうなら思い切って休職してみましょう。

休職とは会社の判断で特定の従業員に対して、
雇用関係を維持したまま労働する義務を長期間免除することを指します。

引用元:リクルートエージェント「休職とは?制度の策定方法、会社側の手続きを紹介」

休職することで問題が解決しそうなケースの事例としては、以下のようなことがあげられます。

  • 仕事の疲れとプライベートのストレスが重なって心身ともに限界を感じている
  • 持病があり働きながら通院していたが悪化してしまった
  • 子どもが入院することになり、退院後もしばらくは看病が必要になった

ネガティブな気持ちでいっぱいになってしまっているときは精神的な余裕もなくなっているので、「仕事どころではない」と辞めたくなることもあるでしょう。

しかし、休職して仕事から一旦離れれば冷静さも取り戻せるはずです。

休職期間中に自分自身を見つめ直したり仕事への向き合い方を考えたりするうちに、「もう少し頑張ってみよう」と仕事へのモチベーションも取り戻せるかもしれません。

判断基準その7.次の仕事が見つかるまでの金銭的な余裕がない場合

仕事を辞めないほうがいい場合の判断基準その7は、「次の仕事が見つかるまでの金銭的な余裕がない場合」です。

「会社を辞めたいけどお金がない」「辞めた後の生活費のあてがない」という状態で退職するのは避けましょう。

退職後、すぐに次の仕事が見つかれば良いですが、転職活動が長引いてしまった場合、収入のない期間が発生します。

「お金がない」「貯金が底をついてしまう」という不安や焦りがあっては、転職活動にも集中できません。

転職先が決まっていない状態での退職は、「判断基準その3.まだ転職先が決まっていない場合」で伝えたキャリアにおけるデメリットだけでなく、金銭面で困窮するリスクもあるのです。

このようなデメリットからから、経済面に不安を抱えながら仕事を辞めてしまうのは避けたほうが無難と言えるでしょう。

仕事を辞めたいと悩んでいる時にしてはいけない行動とは?

「仕事を辞めたい」「仕事行きたくない」という気持ちが大きくなりすぎて、冷静さを失ってしまうこともあるかもしれません。しかし、行動によっては後悔やトラブルにつながる場合があるので注意が必要です。
 
ここからは、仕事を辞めたいと悩んだ時にしてはいけない行動を3つに分けて解説します。

突発的に仕事を辞めてしまうのは避ける

「早く辞めたい」「もう会社に行きたくない」という気持ちが限界に達してしまう時もあると思います。しかし、一時の感情に任せて勢いで仕事を辞めるのは避けましょう。
 
身体的に疲弊していたり精神的に追い詰められていたりしている時は、物事を悪い方向へと考えてしまいがちです。

そんな客観的な正しい判断をすることが難しくなっている状態で、「会社を辞めるべきかどうか」という重要な決断をするのは危険とも言えます。

 
また、次の仕事が決まっていない状態で退職してしまうと、一時的に無収入の期間が発生します。

転職先がすぐに決まれば良いですが、転職活動が長引いた場合、金銭的に困ってしまう可能性があるのです。

 
さらに、採用担当者によっては「計画性がないのでは?」と懸念を抱く人もいるでしょう。
 
後になって「辞めなければ良かった」「よく考えるべきだった」と悔やむことのないよう、退職については慎重に進めましょう。
 
自分ひとりで判断できない場合は、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。転職支援のプロに相談することで、自分自身の考え方や仕事への向き合い方も整理できるようになるでしょう。

仕事を辞めたい気持ちが強すぎて無断で会社を休むのはNG

どんなに仕事や会社に行くのが嫌でも、無断欠勤はするべきではありません。
 
当日に連絡も入れずに会社を休むということは、仕事の責任を放棄することです。無責任な行動によって社内での信用やキャリアアップのチャンスを逃してしまう場合もあり、状況がますます悪化する可能性があります。
 
「どうせ辞めるから」と考える人もいるかもしれませんが、場合によっては懲戒解雇の理由になることもあり、その後の転職活動に影響を及ぼす恐れもあるのです。
 
また、上司や同僚に迷惑をかけて職場に居づらくなれば、仕事へのモチベーションもますます低下してしまうでしょう。

休みの連絡は社会人として最低限のルールだと考えて、必ず連絡を入れるようにしてください。

仕事を辞めたい気持ちを抑えて無理に働き続ける

「仕事をしたくない」「会社に行きたくない」と感じる自分に、罪悪感を抱いたり自分の甘えだと考えたりする人もいるかもしれません。
 
しかし、自分の本音に耳を傾けずに頑張り続けてしまうと、心身ともに負担がかかります。その結果、ストレスが蓄積されて突然動けなくなってしまうこともあるのです。
 
深刻な病気を抱えてしまっては、転職どころではなくなってしまいます。

心身の不調を感じたら無理をせずに、「休職を願い出る」「適切な医療機関を受診する」など、必要に応じて対処しましょう。

一方で、自分自身のストレス状態に気づけない人もたくさんいます。そこで以下に、厚生労働省が示している「ストレスのサイン」を紹介します。当てはまる項目がないか、確認してみてください。

こころのサイン ・不安や緊張が高まって、イライラしたり怒りっぽくなる
・ちょっとしたことで驚いたり、急に泣き出したりする
・気分が落ち込んで、やる気がなくなる
・人づきあいが面倒になって避けるようになる
体のサイン ・肩こりや頭痛、腹痛、腰痛などの痛みが出てくる
・寝つきが悪くなったり、夜中や朝方に目が覚める
・食欲がなくなって食べられなくなったり、逆に食べすぎてしまう
・下痢したり、便秘しやすくなる
・めまいや耳鳴りがする

他にも、厚生労働省では、以下のようなストレス診断方法を紹介しています。

  • 5分でできる職場のストレスセルフチェック
  • 3分でできる職場のストレスセルフチェック
  • 働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)

家に引きこもって外出しなくなるのはNG

仕事を辞めたいと悩みながら生活していると、気分は落ち込み無気力になってしまい外出するのも億劫になるでしょう。

しかし、一度自分の殻に閉じこもってしまうと、なかなか殻を破ることが難しくなってしまいます。

外出しなくなり家に引きこもるようになると、仕事に行きたくない気持ちは益々膨らんでいき、悪いことをグルグル考えすぎてしまう悪循環に陥ってしまうでしょう。

家族や友達など普段触れ合わない外部との接触や外の空気を吸うことは、気分転換になるだけでなく、気持ちのリセットができるもの。

家に引きこもることで充電できるインドア派の人は別ですが、仕事を辞めたいと悩んでいる時こそ家にとじこもらず外出して、外部からの刺激を受けることをおすすめします。

仕事を辞めたいけれど言えない理由は人間関係?辞め方も

仕事を辞めたいのに言えない理由は、人によって異なりますよね。
 
「まだ20代・30代だけどもう疲れた、仕事辞めたい」「いい会社だけど、辞めたい」と感じる人も多いと思います。
 
まずは辞めたいと言えない主な理由と、理由に応じた対処法を見ていきましょう。
 
多くの人が退職を言い出せないのは、主に次のような理由からです。

  • 職場が人手不足
  • 職場の人との関係を悪くしたくない
  • 会社や上司に強引に引き止められる
  • 家族に反対される

それぞれの対処法を説明していきます。

人手不足で疲れた!仕事を辞めたいと言えない場合は転職を先に

真面目な人、責任感の強い人ほど「仕事を辞めたいけど人手不足で、自分が抜けると後が困る」と思ってしまい、なかなか退職意思を伝えられないですよね。
 
しかし転職先への入社が決まれば、必然的に今の職場は退職しなくてはいけません。「早く退職を伝えなければ」という状況に自分を追い込めますし、次の職場が決まっていると言えば上司も「それならば仕方がない」と了承してくれる可能性も。
 
そもそも、会社が人手不足であることはあなたの責任ではありません。
 
人手不足を解消する手立てを探すべきは会社の経営陣なのであって、あなた1人が耐えたところで状況は変わりません。それに、案外自分がいなくなっても、仕事は回っていくもの。
 
引き継ぎさえきちんとしていけば、辞めることは無責任でも何でもないのです。

働きながら転職先を探すなら、転職エージェントの活用がおすすめです。忙しいあなたに代わって、理想の転職先を見つけてくれますよ。
 
相談することで「今の仕事は、辞めた方がいい職場だった!」と思うこともあるかもしれません。

職場の人間関係に疲れたけど「仕事を辞めたい」と言えない、怖い

「退職を知られたら、同僚との関係が悪くなりそうで怖い」とストレスを感じている人も多いと思います。確かに、退職予定の人に対して周りが冷たく当たることはよくある話です。
 
しかしそれも、人に気をつかって自分の意思を封じ込めてしまっているだけ。そのままではストレスを感じるだけで、退職の意思が変わることはないでしょう。
 
辞めることをギリギリまで同僚には知らせず、上司にだけ伝えましょう。そしてできれば仕事に影響がある人以外には口外しないでもらえるよう頼んでみてください。
 
会社側も、社員が辞めることをあまり大っぴらにはしたくないはずです。そして自分は、知られても波風が立たないよう、周りに気づかいをしながら過ごしましょう。
 
退職日までにすべきこと・気を遣うべきことは次のとおりです。

  • 退職や次の仕事について、自分からは話さない
  • 自分の仕事は完璧にこなす
  • 十分に引き継ぎをおこなう
転職意思の有無にかかわらず、同僚が退職すると聞くと羨ましく感じたり、置いていかれるようで寂しい気持ちになったりする人は結構多いもの。
 
喜びや希望、開放感でいっぱいだったとしても、同僚に転職先の話をしたり、退職を嬉しそうに話したりするのは厳禁です。

そして、退職が決まると一気に仕事に身が入らなくなってしまう人もいますが、辞めるまではきちんと仕事をこなしましょう。
 
特に後任者への引き継ぎはていねいに行ってください。
 
引き継ぎなど、きちんとした辞め方でないと後任の人など社内だけでなく、クライアントなどにも迷惑がかかります。転職後に前の会社から連絡が来るなんてことにもなりかねません。
 
引き継ぎは、無理のないスケジュールを組み、退職後も後の人が困らないよう、作業マニュアルなどを作っておきましょう。

また新卒・派遣・パート・バイトなど、自分の立場がどうであれ、引き継ぎは重要です。仕事辞めたい!と言ってすぐに退職するのではなく、円満な辞め方になるようきちんと引き継ぎはしておきましょう。

仕事を辞めたいのは甘えじゃない!引き止めに合っても退職を伝えよう

「今辞めてもらったら困る」「仕事を辞めたいなんて、甘えてるだけだ」「他に行っても同じだぞ」と上司に引き止められても、真に受ける必要はありません。
 
そもそも、法律上(民法)は従業員側が退職の意志を伝えて14日を経過すれば、労働契約は終了するとされています。
 
引き止められたらいなくてはならない、なんていう決まりはないのです。「これまでお世話になったから」と義理を通すことを否定はしませんが、退職を決めたなら自分の気持ちを大切にして、はっきりと伝えましょう。
 
しかし中には「どうしても上司が退職届を受け取ってくれない」という場合もあるようです。
 
上司から脅されて仕事を辞められない、という場合、誰かに相談することも選択肢として念頭に置いておきましょう。
 
上司の脅迫による引き止めは「パワハラ」に当たる可能性大ですよ。

家族には「仕事を辞めたい理由」と「辞めた後のメリット」を説明

会社ではなく家族から「辞められたら困る」と言われることが間違いない場合や、すでに止められている場合、強引に辞めてはいけません。
 
どれだけ「仕事を辞めたい、もう疲れた」「ストレスが限界」と思っていても、家族との信頼関係が崩れてしまうことは、会社との信頼関係が崩れることよりも大きなダメージとなります。
 
「なぜ仕事をやめたいのか」「今どんな状況にいるのか」を説明し、理解・納得してもらうことが大切です。
 
職場での苦労などは家族に話してもわかってくれない、という場合は、「転職したらこんなメリットがある」と説得するのも1つの方法です。
 
「給与が上がる」「残業が減るから家族と過ごせる時間が増える」などのメリットがあるなら、家族も納得してくれやすいのではないでしょうか。
 
話し合うことを諦めず、根気よく説得してみてください。

新卒・派遣・パート・バイトなど、自分の状況に合わせた説得方法も試してみましょう。新卒なら「20代の若い時間を無駄にしたくない」、派遣・パート・バイトなら「正社員でもっとスキルアップを目指したい」など、前向きな理由が良いでしょう。

仕事辞めたいのは甘え?疲れた?向いてない?けど言えない場合

「仕事を辞めたい」と上司に切り出すのには、かなり勇気がいるかもしれませんね。
 
でもすでに自分の中では結論が出ていて、遅かれ早かれ辞める日が来るのなら、思い切って伝えましょう。
 
ただし切り出すタイミングや言い出し方には注意が必要です。
 
仕事を辞めたいと伝えるときのコツは次のとおり。

  • 忙しい時期・時間帯を避け、周りの社員に悟られないように
  • 引き止められにくい退職理由を伝える

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

仕事を辞めたい・会社を辞めたいと伝えるのに繁忙期はNG

「仕事を辞めたい」と上司に伝えるときには、忙しい時期や時間帯を避けてください。
 
「後にしてくれ」と、話を聞いてもらえない可能性があります。上司の時間が取りやすい、比較的忙しくない時期や落ち着いた時間帯を選びましょう。
 
また、周りの社員に悟られないよう、上司に別室などに来てもらう形にしましょう。あらかじめ口頭またはメールなどで「お話ししたいことがあるのでお時間をいただけますか」とお伺いを立ててください。

引き継ぎに必要な日数などを考慮し、1~2カ月前には退職意思を伝えるようにしてくださいね。
 
退職については、会社の就業規則でいつまでに申し出るべきかが決められていることも多いです。就業規則を必ず事前に確認してください。

向いてない・疲れたから仕事を辞めたい!という辞め方はNG

退職理由をはっきり伝えないと、考え直す余地があると見られて引き止めに合う可能性が高くなります。
 
引き止めを防ぐには、家庭の事情や自分のスキルアップのためなど、「どうしようもない理由」や「前向きな理由」がおすすめです。
 
ただし、嘘で「結婚することになった」「家業を継ぐことになった」などと言うのは、バレた時に信頼を失うのでやめてください。

また、「給与が少ない」「やりたい仕事をやらせてもらえない」などと、会社の不満を言うのもおすすめしません。
 
反感を買ったり、もしくは「昇進させるから考え直してくれ」「会社に残ってくれるなら、希望部署に異動させる」など、会社や上司から引き止められてしまうことも。

また「上司に退職を引き止められるということは、それだけ優秀だから」という考えもありますが、そうとも言い切れません。
 
部下に辞められることは、上司にとって「管理不行き届き」など低評価のもとです。自分の保身のために引き止めようとする上司もいます。

また退職理由として「すでに転職先が決まっている」と伝えるのもおすすめです。転職エージェントを活用して、自分が理想とする転職先を見つけましょう。

仕事を辞めたいとメールやラインで伝えるのはNG

退職の意思表示は直接口頭で上司に伝えなければなりません。

直接伝えるのが怖い、話が長くなりそうで面倒…などからメールやラインで簡潔に伝えたい気持ちもわかりますが、結局呼び出されて対話をすることになるからです。また、マナー違反と感じる人が多く悪い印象を持たれてしまいます。

上司に直接会う機会がなかなかない職場の場合は、上司に「面談の機会がほしい」旨のメールをすることは問題ありません。上司からの連絡を待ち、面談日を設けてもらいましょう。

上司に面と向かって辞めたいことを伝えれば、当然理由を聞かれます。その際は遠回りな言い方をせずにしっかりと辞める意思を伝えることが肝心です。

その際相談という体で話を進めてしまうと、上司に引き止められてしまう可能性があるため、まず「辞める」という結論から話し始め、理由を付け加え、退職日の調整という形に持っていきましょう。

こちらは辞める意思を固めて話し始めていますが、上司は寝耳に水状態かもしれないため、退職日の調整は後日になる可能性もあります。

ある程度の退職期日を伝えたら、具体的な退職日は自分の一方的な希望を押し通さずに調整する姿勢を示すことで、円満に退職できるでしょう。

会社辞める理由の本音と建前は?仕事辞めたいと思った理由一覧

仕事を辞めた人に行ったアンケートの結果から、「会社に伝えた退職理由」と「実際の退職理由」をまとめたので紹介します。
 
実際に感じた「仕事辞めたい時」はどんなタイミングなのか、合わせて確認してみましょう。
 
実際に伝えた「会社を辞める理由」は次のとおりです。

  • 一身上の都合
  • 家庭の事情
  • 結婚に伴う転居
  • 通勤時間が長く、キツい
  • 精神的にキツい

当たり障りのない理由が続いている印象ですね。一方、本心の「会社を辞める理由」は、次のようなものでした。

  • 悪口の多い職場がストレスだった
  • 職場でいじめられて、うつになりそうだった
  • 上司が無能だった
  • 正社員より派遣の自分に仕事を回されて、納得できなかった
  • プレッシャーの多い仕事でストレスがすごい、疲れた
  • 時間が不規則な仕事で体力的に無理だった
  • 今の仕事は向いてないからストレス
  • 会社に将来性を感じなかった

多くの人が本当の理由を伝えずに退職している、という結果になっています。みなさんの「仕事を辞めたい時」のタイミングは様々ですね。

会社への不平不満は引き止めの材料になるだけでなく、相手の気分も害してしまいます。円満な退職を目指すには、やはり会社への文句を言わないのが無難です。

また退職理由は退職時だけでなく、転職活動の面接でもよく聞かれます。面接で退職理由を尋ねられたら、前の会社を悪く言うことは避けましょう。
 
「ネガティブな理由」を「ポジティブな表現」に言い換えることで、面接官に好印象を与えることができます。

「辞めたいのに辞められない…」負のループから抜け出すための考え方

人手不足だったり上司に言い出せなかったりと、仕事を辞めたいと思っていても行動に移せない理由は人それぞれあるでしょう。

そこでここでは、「辞めたいのに辞められない…」と悩んでしまったときに考えてみてほしいことを2つピックアップしてみました。「仕事を辞めること」について少し違った視点から考えてみると、思考パターンが変わるかもしれません。

「自分が辞めたら会社が倒産するのか」と考えてみる

退職したいと思ったとき、少なからず退職による職場への影響をイメージしますよね。「自分が辞めたら職場が機能しなくなってしまう」「自分にしかできない仕事がある」と考える人もいるでしょう。

そこでもう少し踏み込んで考えてみます。

さて、あなたが辞めたら会社は倒産してしまうのでしょうか。

そしてその責任はあなたが負うべきことでしょうか。

万が一、あなたの退職によって会社が倒産したとしてもそれは会社の責任です。

社員の退職によって職場が機能しなくなった場合、新たに人材採用を行って戦力となる人材を育成するのは会社の仕事なのです。

たしかに、会社への貢献度が高い人が退職すれば職場は困るかもしれません。しかし、それもおそらく一時的なことでしょう。

良くも悪くも「自分の代わりとなる人はいくらでもいる」と割り切ると、精神的な負担も軽くなるのではないでしょうか。

会社や社員のために自分を犠牲にすることはありません。

あなたはあなたの人生を優先させて、自分のやりたいこと、やるべきことに力を注ぎましょう。

「辞められない理由を探していないか」と考えてみる

「辞めたら次の仕事が見つからないかも」「辞めたいと言って上司に怒られたらどうしよう」などと次々に辞められない理由が思い浮かんで、「辞めたいけど辞められない」という負のループに陥っている人もいるでしょう。

そのなかには深刻な問題もあるかもしれません。

しかし、それは本当に「どうしても辞められない理由」でしょうか。

どこかで「辞められない理由」を探してはいませんか。

実際に転職をするとライフスタイルが大きく変わるので、不満はあっても今のままでいることに安心感を覚える人も少なくありません。

退職や転職にはリスクもあり、転職先が見つかったとしても転職先での仕事が絶対にうまくいくとは限りません。転職に踏み切るほどのエネルギーがないのであれば、何も退職や転職をする必要はないでしょう。

それでも「辞めたい」という気持ちが強いのなら、辞められない理由を探すのではなく、一歩踏み出す勇気を持ちましょう。

具体的にどんな点に不安を感じているのかを考えて、ひとつずつ解決していくと転職のハードルも下がっていくはずです。

また、「あれこれ考えてしまって辞められない」という場合は、思い切って行動してしまうのもおすすめです。

転職エージェントを利用すれば、退職のデメリットや転職のリスクを理解したうえで転職活動ができるので、転職が初めての方でも安心でしょう。

漠然とした不安は行動することで解消していくので、転職活動のなかで新しい職場で働いている自分がイメージできるようになれば、前向きな気持ちになれるかもしれません。

転職先が決まってしまえば、必然的に今いる職場を退職しなければならないので、退職に向けた行動にもスムーズに入れます。

向いてない・疲れたから仕事を辞めたいけど言えない!なら迷ってる?

「仕事を辞めたいんだけど、言えない」という場合、自分でも決心がついていなくて、退職や転職に不安や迷いがあるのではないでしょうか。
 
退職を決める前に、自分はどうしたいのかをじっくり考える時間を持つのもおすすめです。
 
あなたは5年後、どうなっていたいですか?今の会社で何をしているか、想像できますか?
 
迷っているということは、転職の目的が明確になっていない可能性も高いです。それでは転職先選びを間違えて、後悔するおそれがあります。
 
もしくは、「辞めた先どうなるのかが不安」という人もいるでしょう。
 
少なくとも次の2点は考えておきましょう。

  • 本当に辞めるべきかを考え直す
  • 退職を切り出す前に転職活動を始めてみよう

仕事辞めたい!会社辞めたい!疲れた!と伝える前に考え直そう

「まだ20代・30代だけど、疲れたから仕事辞めたい」「新卒だけど辞めたい」「いい会社だけど辞めたい」など、自分の状況を気にしつつもやはり「仕事を辞めたい」と考える人は大勢います。
 
勢いで仕事を辞めて「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、今の会社を退職するべきかもう一度考えてみることが大切です。
 
問題点を抱えていても、案外すんなり解決する可能性だってあります。
 
まずは次の順に実践してみてください。

  1. 「仕事を辞めたい理由」を全て書き出す
  2. 辞めたい原因を解決できないか考える
  3. 転職後、自分がどうなりたいか考える

仕事をやめたいと思う一番の理由は何でしょう。「人間関係」「待遇への不満」「仕事が楽しくない」など、転職したい理由を洗い出してください。
 
理由を洗い出したら、解決できる問題でないかどうか考えてみましょう。
 
例えば人間関係でストレスを感じているとしても、ネックとなるのがたった1人だとしたら、その人と関わらないようにできれば解決する可能性が高いですよね。まずは担当変更や異動を願い出てみませんか?
 
人間関係は良いが、業務が自分に向いてないので疲れたなら、別の部署で力を発揮できる可能性はありませんか?それも上司に相談する余地があるのではないでしょうか。
 
「仕事を辞めたいけど悩んでる」なら、今の自分の状況を診断してみるのもおすすめです。
 
転職エージェントに相談し、今の自分に合う仕事は何なのか診断してもらいましょう。
 
どう考えても「問題を解決できそうにない」または「とにかくストレスで疲れた、うつなどの病気になりそう」という場合は、転職を視野に入れましょう。
 
転職をするなら、目的をはっきりさせることが大切です。「自分がどういう仕事をしたいのか」「どんな職場で働きたいのか」など、希望条件を明確にしてから転職活動に臨んでください。

サポートが必要なら、転職エージェントに登録しましょう。希望にあった求人の紹介をしてくれたり、応募書類のアドバイスをしてくれたりしますよ。
  
相談するだけで「実は辞めた方がいい職場だった!?」と思うこともあるかもしれません。

仕事辞めたい!会社辞めたい!と伝える前に転職活動を

「転職活動を在職中にするか転職後にするか」は意見が分かれるところかもしれません。
 
しかし「仕事を辞めたい、けど言い出せない」という人には、退職を決める前から転職活動を始めることをおすすめします。
 
転職活動を始めると、たくさんの求人情報を見ることになりますよね。いろんな企業の求人情報を見ているうちに、自分の経験やスキルに合う求人がどれくらいあるか、給与はどれくらいが相場か、といった自分の「市場価値」が見えてきます。
 
また「50代女性で仕事辞めたいけど、次がない」「仕事辞められないから、うつになりそう」など、どうしても仕事を辞められない状況だと感じてしまう人こそ、まずは転職活動をおすすめします。

「こう見えて実は、今いる職場って結構恵まれているんだな」と思えたり、実際に応募してみるとなかなか通らないことで現実を思い知らされたり。
 
もちろん、逆に「ウチよりいい職場ばかりだ」「やっぱり今の自分の状況がおかしいんだ」と思えれば、転職を決意できるでしょう。

また、実際に転職活動をすることによって、「いつでも辞められるんだ」と気持ちの余裕が生まれ、視野が広がるメリットもあります。
 
「仕事をしながら転職活動をする暇がない」という人は、転職エージェントを利用してみてください。
 
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーが「面接の日程調整」や「企業と待遇交渉」などを代行してくれます。自ら企業に問い合わせる必要もないので、転職活動にかける時間を省くことができますよ。

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どうしても辞めたいと言えないときは退職代行サービスを利用する

「会社を辞める意志は固まっているのにどうしても言えない…」「辞めたいけど上司を説得したり引き留めを断ったりするのが面倒…」という場合は、退職代行サービスを利用するのもひとつの方法です。

しかし、「退職代行サービスって聞いたことがあるだけで具体的に何をしてくれるか分からない」「退職代行を利用している人って実際にいるの?」「利用するデメリットやリスクは?」と疑問に思っている人もいるでしょう。

そこでここでは、退職代行サービスがしてくれることや転職における利用者の割合、利用するメリット・デメリットについて解説します。

退職代行サービスとは?

退職代行とは次のようなサービスです。

退職代行とは、弁護士などの専門家が仕事を辞めたいと思っている方の代わりに、職場に退職の申入れを行い、「円満退社」できるように退職に関する手続きを行ってくれるサービスです。

引用元:アディーレ法律事務所「退職代行はトラブルが起きやすい!?弁護士に相談するメリットを解説」

退職の意思を伝えたり手続きを行ったりと、退職に関する会社側とのやりとりをサービス側が代行してくれるので、退職希望者としてはストレスなく退職することができます。

退職代行サービスの運営元としては、「弁護士」「労働組合」「民間企業」の3種類があります。

以下の通り、できることにはそれぞれ違いがあるので、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。

弁護士 労働組合 民間企業
会社に退職の意思を伝達する
退職に関する交渉を行う 不可
給与未払いなどの請求や訴訟の際の対応 不可 不可

「ただ辞めるだけ」の場合は、民間企業が運営するサービスでも十分に対応可能でしょう。

一方、「退職日を交渉したい」「未払いの残業代を支払ってほしい」といった交渉・請求を希望するなら、弁護士や労働組合が運営するサービスを利用すると安心です。

ただし、弁護士運営のサービスは対応可能な範囲が広く、裁判や訴訟に発展した場合でも対応してもらえますが、その分費用も高くなる傾向にあるので注意してください。

退職代行サービスの利用に前向きな人は退職希望者の25%にも上る

退職代行サービスは近年需要が高まっていて、「株式会社マイナビ」が公開した「転職動向調査2020年版(2019年実績)」では、退職希望者の25%が退職代行サービスの利用経験がある、または利用の意向があるという結果が出ています。

【2019年の転職者全体における退職代行サービスの利用経験あり・利用意向ありの割合】

退職代行サービスがあることを知っていて、利用したことがある 5.0%
退職代行サービスがあることを知っていて、今後は利用してみたい 14.1%
退職代行サービスがあることを知らなかったが、今後は利用してみたい 6.6%

このデータをさらに性別・年代別に見ると、特に男性の20~30代において利用者や利用の意向がある人の割合が多いことが分かりました。

【性別・年代別 退職代行サービスの利用経験あり・利用意向ありの割合】

男性20代 男性30代
退職代行サービスがあることを知っていて、利用したことがある 9.4% 8.4%
退職代行サービスがあることを知っていて、今後は利用してみたい 18.8% 17.8%
退職代行サービスがあることを知らなかったが、今後は利用してみたい 5.1% 8.0%

すでに利用したという人の割合は10%以下ですが、注目したいのが「今後は利用してみたい」と回答した人の割合です。

男性20代が23.9%、男性30代が25.8%と20%を超えていることから、今後退職代行サービスが20~30代の男性を中心に利用者数が増えていくことが予想されます。

また、退職代行サービスを利用しようと思う(利用した)理由としては、「上司に退職意向を伝えるのが億劫」という回答がもっとも多くなっていました。

【退職代行サービスを利用しようと思う・利用した理由とその割合】

理由 割合
上司に退職意向を伝えるのが億劫 53.5%
会社に引き留められるのが面倒 47.0%
会社に申し訳なくて言い出せない 37.9%
法律に定められる権利を履行したい 25.7%
退職届を出したが受理してくれない 12.2%

退職を申し出た際の上司の反応は誰しも気になるものでしょう。

そんな退職の申し出に煩わしさや不安を感じている方にとって、どのような理由があっても退職手続きを代わりに進めてくれる退職代行サービスは、非常に便利で頼もしいサービスと言えるのではないでしょうか。

退職代行サービスを利用するメリット

退職代行サービスは、退職に関する面倒なやりとり・手続きを退職者に代わって行ってくれる便利なサービスですが、メリットもあれば、知っておくべきデメリットもあります。

まずはメリットから見ていきましょう。

【メリット】

  • 自分で退職の意向を伝えなくて済む
  • 会社と直接やりとりをする必要がない
  • スピーディーに辞められる
  • 次の仕事探しのサポートを受けられる場合もある

退職代行サービスを利用する大きなメリットが、退職の申し出や退職に関する連絡などについても、自分で直接やりとりをする必要がないということです。

無事に退職できるまで、退職代行サービスが退職者と会社との間に入って退職手続きを進めてくれるので、上司に会わずに会社を退職できます。

「辞めたいなんて言って上司に怒られたらどうしよう」「引き留められたらなんて言おう」というように、退職する際のやりとりに厄介さや不安を感じている人は少なくないでしょう。その点、退職代行サービスを利用すれば、上司の反応を気にする必要はありません。

また、退職代行サービスのなかには、「即日対応」を強みとしているところや転職活動のサポートも提供しているサービスもあります。

退職から転職活動までスピーディーに進めば、精神的な負担も少なく済むでしょう。

退職代行サービスを利用するデメリット

次に、退職代行サービスを利用するデメリットを紹介します。

【デメリット】

  • 費用が発生する
  • 会社の人にネガティブな印象を与える可能性がある

通常、労働者が退職する際に費用は発生しませんが、退職代行サービスを利用した場合、2~5万円ほどのコストがかかります。

これから仕事を辞めるという人にとっては決して安くはない金額で、料金がネックとなって利用をためらう人も少なくないでしょう。

一方で、先に紹介した「自分で退職を申し出なくて済む」というメリットがあるので、「コストがかかっても精神的なストレスをなくしたい」という人にとってはデメリットにはなりません。

また、退職代行サービスを使って辞めることについて、「退職の意思は自分で伝えるべき」「挨拶もせずに辞めるなんて非常識」というようなネガティブな印象を抱く人もいます。

退職代行サービスの需要が高まっているとはいえ、業者を使って退職した場合、円満退職にはなりづらいということは理解しておいたほうが良いでしょう。

今いる職場を円満退社する方法は?知っておきたい5つのポイント

仕事を辞めるとなったらすぐにでも行動に移したくなるかもしれません。なかには、「円満退社なんてありえないのでは?」「円満に退職できる人なんているの?」と諦めてしまう人もいるでしょう。
 
しかし、辞め方によっては、職場に迷惑をかけずに気持ち良く退社することができます。ここからは、円満退社のためのポイントを5つに分けて紹介していくので、できることからぜひ取り入れてみてください。

円満退社とは、退職する社員と会社の両者がわだかまりや揉めごとのない状態で労働契約が終了することを指します。退職するとなると、社内ではさまざまな調整が必要になりますが、円満退社の場合、周囲の協力を得ながらスムーズに退職日を迎えることができるでしょう。

具体的な退職日や引き継ぎに必要な期間を決めておく

まずは、「いつ退職するか」を決めて、そこから逆算して「退職を申し出る日」や「引き継ぎの期間」といった全体のスケジュールを組み立てていきましょう。
 
その際、以下の時期や日程を考慮しておくと、引き継ぎや有給休暇の消化をする際もスムーズに進められるでしょう。
 
【スケジュールを組むうえで考慮すべきこと】

  • 繁忙期
  • 決算期
  • 人事異動の時期
  • 大きなプロジェクトが終了する時期

また、今の仕事を続けながら転職先を探す場合も、やはり「退職日」を決めたうえで、逆算して応募企業を決める時期や選考期間を決めておきます。
 
転職活動は就活と違って時期や期間を自分で設定できるので、「厳密に決めなくても良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。
 
しかし、期日を決めなかった場合、転職活動がダラダラと長引いてしまったり応募企業をいつまでも決められなかったりと、メリハリのない転職活動になってしまう可能性があるので注意が必要です。

退職や転職は、今の職場や今後働く会社など相手があってのことなので、自己中心的な進め方や場当たり的な行動は禁物です。

周囲に迷惑をかけずにスムーズに退社するためにも、会社を辞めると決めたらある程度のスケジュールを決めたうえで行動しましょう。

仕事を辞めたい!と伝える順番は直属の上司から始める

退職を申し出る場合は、まずは直属の上司に報告しましょう。
 
上司は部下のマネジメントを担っている存在です。直属の上司を飛ばして部長や人事に退職の意思を伝えてしまっては、上司の管理能力が疑われることになります。上司の評価を落としてしまっては、円満退社も難しくなるでしょう。
 
また、上司に話を通したからと言って、職場の同僚や担当顧客などに退職の意向をむやみに話すのもNGです。

いつどのタイミングで職場の人や関係者に伝えるかは、上司と相談をしたうえで決めましょう。

退職希望日の1~3ヶ月前には退職を申し出る

社員が辞めるとなると、退職に関する手続きだけでなく、社内の調整や引き継ぎが必要になります。そのため、円満に退社するには、退職を申し出るタイミングも重要です。
 
退職希望日の1~3ヶ月前には退職を申し出て、その後は社内の指示に従って手順を進めていきましょう。
 
転職活動をしている場合は、新しい会社から内定を獲得したタイミングで、在職中の会社に退職を申告したほうが良いでしょう。

この際、忘れずに確認しておきたいのが会社の就業規則です。

退職に関して「〇日前までに申し出る事」などと定められている場合が多いので、トラブルを避けるためにも事前によく読んでおくようにしてください。

仕事を辞める際の退職理由はポジティブな表現で伝える

上司へ退職理由を伝える際に、退職理由を尋ねられることがあります。この時、伝え方によっては相手を不快にさせてしまう恐れがあるので注意してください。
 
もちろん、言いづらいからと言って嘘をつくのは禁物です。人や会社はどこでどうつながるか分かりません。新しい転職先に漏れ伝わるなどして嘘がばれてしまった場合に、自分自身が困る可能性があります。

ポイントは、嘘をつくのではなくポジティブな表現を変えて伝えることです。

以下に事例を紹介するので参考にしてください。
 
【参考例】

本当の理由 ポジティブな伝え方
給料が安い 実力が評価される厳しい環境の中で〇〇職に挑戦したい
人間関係が合わない 仕事にしっかりと向き合って〇〇職の専門性を高めたい
業務内容に興味が持てない 転職しなければ実現できない〇〇職の仕事にチャレンジしたい

なかには、会社の不満を言いたい人もいるでしょう。しかし、辞める会社の不平不満を言っても、上司にとっては気分を害する話になってしまい心証が良くありません。
 
退職の理由は、あくまでも個人的な都合であることを伝えて、「お世話になったのですが…」などと感謝の意を添えながら話すようにしましょう。

引き止められた場合は退職理由をはっきりと伝える

退職を申し出た際に、上司から引き止められることもあります。その場合は、迷いのない態度ではっきりと自分の意思を改めて伝えてください。
 
いざ退職するとなると、「本当に転職していいのかな」「申し出を受け入れてもらえるかな」などと迷いや不安が生まれるのも仕方のないことです。しかし、それが相手に伝わると、「説得すれば引き止められる」「何かしらの条件を提示したら考えを変えてもらえる」と思われて退職交渉が上手くいかなくなる可能性があります。

退職交渉をスムーズに行うには、退職の意思が固いことを明確に示すことが大切です。

また、以下のように、今の仕事を辞めなければならない理由を誠心誠意伝え直すのも良いでしょう。

  • 今の会社や職場ではどうしても実現できないこと
  • 今後のキャリアプラン
  • 自分自身に掲げている目標

仕事を辞める方法は?具体的な退職の流れをステップごとに解説

ここからは、具体的な退職方法の流れについて、ステップごとに解説していきます。紹介した円満退社のためのポイントと合わせて、退職時にすべきことや会社を辞める詳しい方法を押さえておけば、よりスムーズに退職日を迎えることができるでしょう。

仕事を辞めたいならまずは退職の意思を会社に伝える

退職すると決めたら、できるだけ早めに直属の上司に退職の意思を伝えましょう。
 
その際、突然退職の話をするのではなく、「お話ししたいことがあるので、お時間をいただけますでしょうか」と前もってアポを取るようにしてください。きちんと話ができるよう、事前に会議室などを予約しておくと良いでしょう。
 
また、上司の都合がつきやすい日や時間帯を選ぶことも大切です。忙しそうな上司に話を切り出しても、「後にしてほしい」と取り合ってもらえない可能性があります。

仕事を辞めるときは上司と相談して退職日を確定する

上司に退職の意思を伝えたら、就業規則の内容を確認したうえで、上司や人事と調整して「最終出勤日」「退職日」を確定します。
 
引き継ぎの進め方や有給休暇の消化についても、職場に影響を及ぼさないよう、上司と相談したうえで決めましょう。

仕事を辞める場合は多くの企業で「退職届」を作成・提出する

「退職届」とは、退職が確定した後で、退職を会社に対して届け出るために必要な書類です。
 
退職届は、会社ごとに書類や提出先が異なります。就業規則を読む、人事部や直属の上司に確認するなどして、定められた方法で退職届を作成・提出しましょう。

仕事を辞めるときには必ず業務の引き継ぎを行う

退職日が決まったら、後任者に業務の引き継ぎを行います。
 
引き継ぎを漏れなくスムーズに行うためのコツとして、以下のような点があげられます。
 
【引き継ぎのコツ】

  • 担当している業務をすべてリストアップする
  • 後任者と調整しながら引き継ぎのスケジュールを組む
  • 担当業務のマニュアルを作成する

引き継ぎは一方的に話して終わりではありません。退職後に後任者が困ることがないよう、資料を作ったり一緒にやってみたりと工夫を取り入れながら進めましょう。

社内外でお世話になった人へ退職の挨拶をする

退職が決まったら、社内外でお世話になった方々への挨拶回りも忘れずに行いましょう。
 
直属の上司や職場の同僚、社内でお世話になった人への挨拶回りは、基本的に退職日当日に行います。取引先などの社外の関係者に対しては、退職が確定した段階で退職の挨拶をしましょう。
 
直接会って挨拶をするのが望ましいですが、直接伝えられない場合には、挨拶状や挨拶メールを送ります。
 
合わせて、後任の担当者を紹介し、今後の仕事の進め方や引き継ぎをしっかりとする旨も説明しましょう。取引先が今後も安心して仕事に取り組めるよう、できる限りの配慮をしてください。
 
なお、取引先へ退職理由や転職先について詳細を話すのは、ビジネスマナーに反するので避けましょう。

仕事を辞める際に必要な退職手続きをする

退職日や最終出社日には、備品の返却や書類の確認・受け取りなどの事務手続きも必要になります。

返却 ・健康保険証(被保険者証)
・社員証
・名刺
・社章
・パソコン
・制服
・社費で購入したもの
・通勤定期券
書類の確認・受け取り ・源泉徴収票
・年金手帳
(入社時に預けている場合)
・雇用保険被保険者証
(入社時に交付されなかった場合)
・離職票
・退職証明書

デスクやロッカーは、後から使う人が気持ち良く使えるように、きれいに片付けて掃除をしておきましょう。私物や書類の置き忘れがないように注意してください。

転職を有利に進めるには?今の仕事を辞める前にやっておきたいこと

辞めたいと思ったらすぐにでも退職に向けて行動したくなるかもしれませんが、辞める前に行っておくことでその後の転職が有利になることもあります。

ここでは今の仕事を辞めてしまう前にやっておくべき行動を2つ紹介します。

現職で実績を作る

転職活動の選考を有利に進めるには、採用担当者の評価につながるような自己アピールが必要になります。

そこで有効なのが、現職を続けながらアピールできる実績・成果を作っておくことです。

そうは言っても、単に「業務に一生懸命に取り組みました」というような内容では応募者の強みを採用担当者に伝えるには不十分でしょう。

ポイントは、「売上」「達成率」「前年比に対しての達成率や成長率」「シェア」「コスト削減率」「社内でのランキング」「受賞歴」など、具体的な数字で表現できる指標をピックアップして提示することです。

その際に、以下のように客観的な数字の価値が分かる情報も伝えましょう。

  • 「売上〇円から売上〇円まで伸ばしました(達成率12%)」
  • 「全社平均〇%に対して私のいる支社ではシェア〇%を実現しました」
  • 「全社の営業社員数〇人のうち、社内順位〇位として表彰されました」

また、採用担当者は応募者が入社した後、自社に対してどのような貢献ができるかを知りたがっています。

そのため、「自分の実績」と「応募先の企業の職種や仕事内容」との間に関連性があれば、採用担当者も自社への貢献度合いを具体的にイメージすることができるので、より強いアピール材料となるはずです。

転職で強みとなる実績作りは退社してしまってからでは間に合いません。「今しかできないこと」と考えて、退職前にもうひと頑張りしてみましょう。

希望職種で役立つ資格を取得する

転職したい業界や職種に役立つ資格を取得しておくというのも、辞める前にやっておくと良い行動のひとつです。

資格を保有していると、専門的な知識やスキルを簡潔に示すことができるので、取得していて損はないでしょう。

そうは言っても、存在する資格の種類は多種多様です。

また、資格と一口に言っても、医師、薬剤師、弁護士など資格を有していなければ業務が成立しないものもあれば、保有していれば転職が有利になる資格もあります。

自分自身の転職に本当に役立つ資格を取得するには、「その資格を取得・保有する必要があるのか」「その資格が転職先で求められているものと一致するかどうか」をきちんと確認しておくことが重要です。

資格を取得する際には、就きたい職種との関連性を見極めたうえで取り組みましょう。

参考までに、数ある資格のなかでも転職する際に有利に働きやすい資格を紹介します。

資格 こんな人におすすめ
日商簿記検定 ・企業の経理や会計を行う人
・コスト管理を行う人
・公認会計士や税理士などの国家資格取得を目指す人
宅地建物取引士 ・不動産業界へ転職したい人
・金融業界や建設業界へ転職したい人
・法律知識を身に付けたい人
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) ・事務職や営業職へ転職したい人
・法律事務所や税理士事務所へ転職したい人
・アパレル関係や販売職へ転職したい人
ファイナンシャルプランナー(FP) ・銀行、証券会社、保険会社など金融業界へ転職したい人
・お金に関する幅広い知識を習得したい人
・将来的に独立開業をしたい人

仕事辞めたい!引き止められない退職理由の伝え方

退職の意思が固まったら、なるべく円満に退職したいものです。

ここでは、後腐れなく円満に退職するために退職理由別の伝え方を紹介しましょう。

ネガティブな理由はなるべくポジティブに置き換えて伝えることがポイントです。

人間関係が理由の場合

人間関係が理由で仕事を辞める場合は、そのままの理由を伝えることはおすすめしません。

人間関係で仕事を辞めることが社内に広がってしまった場合、思わぬトラブルを引き起こす可能性があるからです。

もし同じ業界に転職した場合、仕事関係で顔を合わせる機会があるなど、仕事関係のつながりが残る可能性もあります。

人間関係を退職理由にすると改善対策をするから残ってほしいと引き止められる可能性も。

本音である人間関係の不満は隠して、ポジティブな退職理由を考えましょう。

・後輩が成長して自分の担当業務を任せられるようになり、自分は新たな業界にチャレンジしたいと思うようになった。
・周囲とコミュニケーションを取りながらチームで進めていく仕事に従事してみたい。

人間関係に言及せずにポジティブな理由に変換するなど言い回しに工夫しましょう。

給料の不満が理由の場合

給料に不満があって退職する場合でも、「給料が低いから辞めます」などとストレートに伝えないようにしましょう。

給料を上げるという改善策を出されてしまっては、辞めにくくなってしまいます。

「給料を上げるから残ってほしい」と引き止められた場合、残るのか転職するのかをあらかじめ考えておきましょう。

退職したいという強い意思を持っているなら、さらによい条件で働くために今後のキャリアプランなどを明確にしておく必要があります。

給料への不満をストレートに伝えずにポジティブな表現と掛け合わせて伝えてみましょう。

・インセンティブの割合が高い企業で自分の実力を試してみたい。
・子供の教育費のために、今より収入を増やす必要がある。

自分の働きに見合った給料をもらいたい、自分の働きぶりを正当に評価してほしいという前向きな気持ちを絡めて伝えることをおすすめします。

仕事内容が不満の場合

仕事内容に不満があって退職する場合、ストレートに伝えることはおすすめしません。

継続する忍耐力のなさや社会人としての未熟さを諭されるなど会社側の心証が悪くなるだけで、よい印象は持たれないでしょう。

現職の仕事内容の不満を伝えるのではなく、自分がしたい仕事を軸に辞める意思を伝えることが大切です。

今後自分がやりたい仕事を明確にしておくと、退職理由を伝えやすいはずです。

やりたい仕事が現職とは異なる業界や職種であると、より引き止められないくいと言えます。

やりたい仕事に必要な資格や準備することをあらかじめ調べておき、質問されたら答えられるようにしておきましょう。

・やりたい仕事があり、挑戦してみたい。
・夢が明確になり、チャレンジしてみたいと思った。

現職の不満に目を向けるのではなく、意識を未来に向けることで前向きな退職理由を考えられるはずです。

労働環境が不満の場合

残業時間や休暇の取得など労働環境に不満があって退職する場合は、ストレートに伝えることはおすすめしません。

改善策の提案で引き止められる可能性があるほか、労働環境への不満は会社側の心証が悪くなる可能性があるからです。

自分が今後どんな労働環境であれば気持ちよく働けるのかを考え、現職への不満を膨らませずに冷静に求めているものを明確にしておきましょう。

労働環境に不満がある場合の退職の意思を伝える場合は、批判的な伝え方をしないようにすることが大切です。

今後このような待遇のよい条件で働きたいという理由に個人的な事情を盛り込んで伝えることで、引き止めにくくなるでしょう。

・親の介護のため、時間の調整がきく仕事に転職したい。
・子供の帰宅時間に間に合う仕事に転職したい。

現職では叶わない個人的な事情を前面に押し出せば、会社側は退職を受け入れることしかできないでしょう。

将来性に不安を感じている場合

会社の将来性に不満を感じて退職する場合は、ストレートに伝えると会社自体に不満を持っていると受け取られてしまうためおすすめしません。

将来性に不安を感じるということは、自分が思い描く将来像とギャップがあることが原因である可能性があります。

自分が望んでいる将来のキャリアと現職との方向性の違いを明確にしておきましょう。

退職意思を伝える場合は、スキルアップや別の業界に挑戦するなどの自分の夢や目標を盛り込んで伝えることをおすすめします。

チャレンジしたいというポジティブな気持ちに焦点を当てた伝え方をしてみましょう。

・現職で培ったスキルを異なる業界で試してみたい。
・自分の夢に向かって新たな挑戦をしてみたい。

自分の将来をしっかりと考えた上でほかの仕事に転職したいと熱意を持って伝えることが大切です。

体調不良や病気を抱えている場合

自身の体調不良や病気が退職理由である場合は、そのまま伝えましょう。

民法628条では「やむを得ない事由があるときは、直ちに契約の解除をすることができる」と定められているため、体調不良や病気で就業が困難な場合はこれに当てはまることになります。

ただし、事前に相談を兼ねて自身の体調不良や病気のことを話しておいた方がよいです。現状を細かく職場に伝えておくことで、退職がスムーズに受け入れられるはずです。

また、体調不良や病気によって退職の意思を伝える際には、一般的には不要ですが診断書を用意しておくとスムーズに話が進むはずです。

会社によっては、病気休暇の取得を提案してくる可能性もありますが、自身の体調を考慮して対応しましょう。

どうしても病名を明かしたくないなどの場合は、必ずしも会社側に退職理由を伝える義務はないため、「一身上の都合で退職したい」と強い意思を持って伝えれば大丈夫です。

・持病が悪化し、これ以上の勤務は困難だと判断した。
・治療に専念するために退職したい。

体調不良の原因が職場にある場合は、具体的な原因には触れずに、現状の病状を伝えて退職したい意思をはっきりと伝えましょう。

仕事を辞めたいと悩む人におすすめの転職エージェント5選

転職に迷いや不安がある場合は、転職エージェントを利用しましょう。転職エージェントなら、転職活動のさまざまなことをサポートしてもらえますし、働くうえでの悩みやキャリアの相談などにも乗ってもらえます。
 
ここでは、おすすめの転職エージェントを5つ紹介します。

20~50代におすすめの業界最大級の求人数を保有する【リクルートエージェント】

リクルートエージェントは、「株式会社リクルート」による業界最大手の転職エージェントです。

転職成功実績No.1と人気の高い転職支援サービスで、公開求人・非公開求人ともに業界トップクラスの数を誇っています。

幅広い業界・職種の求人情報を保有していて、全国各地に拠点があるので、地方での転職を考えている方でも利用しやすいでしょう。

また、リクルートエージェントでは、求人紹介・書類添削・面接対策などのサポートを無料で提供していて、転職やキャリアに関する相談だけでも受け付けています。

キャリアアドバイザーは、利用者の考えや希望をヒアリングしたうえで、今後のキャリアプランを一緒に考えてくれるので、現職を辞めるかどうか迷っている方もぜひ相談してみてください。
 

業界大手の【doda】で希望に近い求人を探せる

dodaは、「パーソルキャリア株式会社」が運営する、業界大手の転職サイトです。
 
10万件以上という業界でもトップクラスの求人数を保有していて、求人情報は「職種」「勤務地」「業種」「雇用形態」「年収」などから検索できます。
 
さらに、以下のような「こだわり条件」の検索も可能なので、より希望に近い求人を探せるでしょう。
 
【こだわり条件】

  • 休日・働き方
  • 募集・採用情報
  • 会社・職場の環境
  • 待遇・福利厚生
  • 語学
  • 仕事内容
  • 社員の平均年齢
  • 従業員数
  • 設立
  • 応募方法
dodaでは、「エージェントサービス」も提供しています。

エージェントサービスに登録すると、求人紹介や条件交渉、面接対策など、転職活動をフルサポートしてもらえます。
 
自分で求人を探すのが難しい人や非公開求人の紹介を受けたい場合は、エージェントサービスを利用すると、
転職活動がぐっとスムーズになるでしょう。

20代・30代におすすめの【就職カレッジ】は第二新卒やフリーター向けサービスもあり

就職カレッジは、「株式会社ジェイック」が運営する、フリーター・ニート・大学中退・高卒・中卒・既卒・第二新卒などの人向けの就職支援サービスです。
 
JAICでは、「就職カレッジ」「就職カレッジ 女性コース」「就職カレッジ 中退者コース」という3つのコースを設けていて、18~35歳の方を対象に未経験からの正社員就職をサポートしています。
 
もっともスタンダードな「就職カレッジ」では、無料の就職講座を開催していて、ビジネスマナーや社会人としての基本的な考え方などを学ぶことができます。そのため、社会人経験が少ない人や正社員として働いたことのない人でも、自信を持って就職活動や転職活動に臨めるでしょう。

また、就職講座に参加すると、約20社の企業との集団面接会に進めます。

未経験者や若者のポテンシャルに期待を寄せる優良企業が集まるので、就職や転職のチャンスが広がります。
 
書類選考なしで面接へと進めるので、スピーディーな転職も実現可能です。

20代の新卒・第二新卒・既卒におすすめの【キャリアスタート】

キャリアスタートは、「キャリアスタート株式会社」による20代を中心にサービスの提供をしている転職エージェントです。
 
対象者は、新卒・第二新卒・既卒・フリーターなどで、登録すると、応募から入社までを担当アドバイザーがマンツーマンでサポートしてくれます。
 
特に面接トレーニングを徹底していて、その結果、86%という非常に高い内定率を誇っています。平均1ヶ月での内定獲得実績もあるので、スピード転職を目指す方にもおすすめです。

また、キャリアスタートではマッチング率の高さも重視していて、仕事紹介の前には丁寧なヒアリングを行っています。

アドバイザーが転職への希望だけでなく、性格や特性などをじっくり見極めたうえで求職者と企業とをつなげるので、ミスマッチのない転職が実現するでしょう。

30代・40代・50代におすすめの【ビズリーチ】はハイクラス転職ができる

ビズリーチ(BIZREACH)は、「株式会社ビズリーチ」が運営する、ハイクラス向けの転職サイトです。
 
経営幹部・管理職・外資系求人の求人情報を多数取り扱っていて、保有している求人の3分の1以上が年収1,000万円以上の高年収求人となっています。
 
大きな特徴が、スカウト型の転職サイトである点です。

ビズリーチでは、利用時に個人情報と職務経歴書を登録します。

それらはビズリーチの登録企業やヘッドハンターに公開され、利用者のプロフィールに興味を持った企業があれば、スカウトメールが届きます。気になるメールへ返信を行うことで具体的な転職活動がスタートするという仕組みです。
 
これらのことから、ビズリーチはハイクラス転職をしたい人や自分自身の市場価値を知りたい人におすすめのサービスと言えるでしょう。

疲れた、向いてないなどで仕事辞めたい!けど言えないなら見直しも

 
20代や30代、40代、50代など年齢に関係なく、仕事を辞めたいと思って入るけど、なかなか言えない、という人はたくさんいます。
 
退職の意思がかたいのであれば、後は心を決めるだけ。他の人に気兼ねする必要はないので、自分の心に従いましょう。
 
ただし、「言えない」理由が迷いである可能性があるなら、もう一度じっくり考えてみるべきです。
 
転職目的がはっきりしなければ、転職しても不満が解消できない可能性大。本当に転職すべきか考える必要があります。
 
わからないなら、在職のまま転職活動をはじめるのも1つの手。自分の市場価値や現状が見えてくることもありますよ。
 
退職を決めたら、「仕事を辞めたい」と言えない理由を解消しましょう。できるだけ早く上司に退職意志を伝えて、円満な退職を目指してくださいね。

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この記事の監修者
定社会保険労務士岡佳伸様
岡佳伸
特定社会保険労務士

大手人材派遣会社にて1万人規模の派遣社員給与計算及び社会保険手続きに携わる。自動車部品メーカーなどで総務人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険適用、給付の窓口業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として複数の顧問先の給与計算及び社会保険手続きの事務を担当。各種実務講演会講師および社会保険・労務関連記事執筆・監修、TV出演、新聞記事取材などの実績多数。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
URL:https://oka-sr.jp/

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