Archive of September 2020

September 29, 2020


「手の切れるような製品」

先週の土曜日に大阪にあるユーエイ(キャスター)本社で講演をさせて

いただきました。

「デザインとはなにか」というテーマでお話をさせていただきましたが、

Zoomを使って九州奈良東京埼玉にある工場や営業所のみなさんにも聴い

ていただきました。

どういうお話をするかという中である文章を教えていただきました。

それは京セラの創業者というか経営の神様といえわれている稲盛和夫さ

んの『製品は手の切れるようなものでなければならない。』という言葉

でした。

実は、この事に思い当たる話があります。

それは会社を辞めて20年も経過した頃に、同じ会社に在籍してた大学の

後輩から聞いた話ですが、すでに会社にいなかったわたしがどういう人

だったかと、やはり大学の先輩であった部長さんに聞いたら『手の切れ

るようなスケッチを描く人だった。』と言ってくださっていたそうです。

_

そういう話を「手が切れるようではいけない」ランドセルのお話の翌日

に書いているのもおかしいタイミングですが、わたしの描いたランドセ

ルはその世界の中では「手が切れるような表現」のようにも思います。

それは、do-nabeもそうだし朱肉Shunikもそうだし80mmにも新型の

信号機にも言える事です。いずれもその世界の中では最も「手が切れそ

うな表現」かなと思ったりします。

それは「緊張感」であり「うぶさ」であり「新鮮さ」でもあると思いま

す。そしてそれこそがわたしのデザインの魅力のように思います。

それにしてもどうして今まで稲盛さんのその言葉と出会わなかったのか

がとても不思議です。

しかしこの出会いを通してまだまだ自分のデザインに可能性というか潜

在的なチカラがある事を再認識しました。

秋田道夫

2020/9/29

三条ものづくり学校

9:17 AM

September 28, 2020


小学校をデザインしたい

10年も前から『小学校をデザインしたい。』と言っておりました。

というか、大学の卒業制作に「小学校の為の椅子と机」を取り上げた時

からそういう気持ちがずっとあったわけです。

とはいえ「小学校のなにをデザインするのか」どこから手をつけるのか

は長年の「宿題」でした。

今は仕事のマネージメントをノッツ さんとしておりますが、その中で

社長の正木さんから『ランドセルのデザインをしてみませんか?』とい

うお話が出てきました。

不思議な事にわたしは「小学校のデザイン」をする事は「小学校」という

場所に囚われていたのですが、ランドセルというテーマを聞いてなにか大

切な啓示を受けたように思いました。

プロダクトデザイナーの考えるランドセルはどんなかたちになるのか。

楽しみにしておいてください。

秋田道夫

2020/9/28

スクリーンショット 2020-09-28 17.54.54.png

カバン開いた.jpg

ランドセルらしい.jpg

 desk2.jpg

4:19 PM

September 24, 2020


解像度

何ヶ月か前に奈良の山本さんと電話で話をしていて『解像度って大事で

すよね。』と山本さんが言われました。

それはどういう流れで出てきた言葉かというと、今人と会えない状況の

中でパソコンを通して話をする機会が増えていますが、その中で気がつ

いたのはパソコンに標準装備されているカメラやマイクでは「自分のそ

のまま」がなかなか相手に伝わらないという事です。さすがに昔のテー

プレコーダーほどには声の質が変わったりしませんが、「自分の素」と

は思えないわけです。

カメラも画質が荒いという事で、外付けのカメラとマイクを買ったりし

てなんとか少しでも「良いも状態」を相手に届けたいと工夫したわけで

す。

そういう中でタイミング良くというかJ-WAVEに出演をする機会があり

した。この話が面白いのは、以前J-WAVEに出た時スタジオの「良い

材」を通して聞こえてきた「わたしの声」が良い声だったというとこ

から『解像度によって印象が異なりますよね。』という話になったわ

です。

_

「解像度」が低いとそれを補足する為の各人の想像力に依存する部分が

増えます。

SNSで分かった事は「他人はその人自身が今興味のある事にはセンサー

が働くけれど、関心の無い事にはセンサーが働かない」という事です。

つまりわたしの話が面白いか否かではなくて「自分の関心」を他人の中

に見出すわけで、話題によって「解像度」が異なるわけです。

それはインタビュー記事やプロフィール写真の撮影にもいえます。

あらかじめわたしを調べてくれた人や、もともとわたしに関心があった

人ではその内容や出来上がりにおおきな差が生まれます。ようはわたし

に対する「理解の解像度」が違ってくるという事だと思います。

_

「自分のアウトプットの解像度を高めるというのは、他人との誤解を減

らして価値観を共有するためにおおきな働きがある」という事かと思い

ます。

秋田道夫

2020/9/24

9:20 AM

September 21, 2020


フィールドオブデザイン

4月から新しい3Dソフトを使い始めたのですが、半年が経過して少しは

描けるようになってきました。

とても「使い勝手の優れたソフト」なんですが、名前は伏せておこうか

と思います。いつもっと優れたソフトを見つけて移行するかもわからな

いので、妙に宣言して縛られる事なく自由な選択肢は残しておきたいと

思います。

_

さてわたしはこれまで20年以上ある3Dソフトを愛用してきました。

使い慣れている事もあってある程度は自在に描けるようにはなっていま

すが、慣れでは解決できない二つのソフト上の制約があります。

一つは、データの保存方式が限られている事です。

今、製造の現場で最も普及しているのは、ソリッドワークスというソフ

トですが、このソフトでデータが読み取れるかがおおきなポイントです。

以前から使っていた3Dソフトのデータは残念ながらそのソリッドワーク

スで読めなかったのです。

他方、今回使い始めた3Dソフトは互換性が高くソリッドワークスでも

読め込めるだけでなくソリッドワークスで作られたデータもスムースに

読み込めます。

その事を確認した時には、内心「小躍り」しました。長年の宿題だった

だけに解けた喜びも一塩でした。

つまりわたしがデザインしたデータを設計者に送って、そこで量産に必

要な用件を盛り込んで手直ししてもらいそれをわたしが細部を直したり

できる事を意味しています。

大幅に時間が短縮できるだけでなくデザイナーがどこに「留意」してデ

ザインしているかを設計者の方に理解してもらえるわけです。

それは「価値観の共有」につながると思っています。

もう一つのポイントは「フィレット」と言われる「立体面の周囲にアー

ルをつける」加工が難しい事です。このフィレットというのは「量産品」

にはとても重要なポイントです、それが難しかった。

この点でも新しいソフトは自在で、ワンクリックで面取りができた時は

感動ものでした。

参考と言うほどでも無いですが、「照明器具」を描いてみました。

傘の柄のようなものを描いてそれに灯部分をつけました。

「どこかで見た事がある」印象のデザインですが、それをわたしが描い

いる不思議を感じました。『こうやってデザインしているんだ。』と

いました。わたしは他のデザイナーがどんなソフトやハードを使って

るかに、あえて関心を持たないようにしてきましたが、事務所によっ

は10年も15年も前からこのような作業環境でデザインしてきている事

今回容易に想像ができました。

もちろんこのデザインはこれまでの3Dソフトにも描けるもので、その事

自体に新鮮さは無いのですが、デフォルト(標準装備)で用意されてい

る材質のバリエーションが多く「センスが良い」のです。

例えとして適切かは分かりませんが、デザイン事務所でなにか作業をす

る時に用意されている紙一つも材料が良くて、それを切るカッターや定

規もデザイン性の高い道具が用意されていることの気持ち良さに通じま

す。3Dソフトにも「世界観」がある事を知りました。

フィールドオブデザイン。

デザイン環境の大切さを今更に感じた今日この頃です。

秋田道夫

2020/9/22

スクリーンショット 2020-09-21 11.23.33.jpg

スクリーンショット 2020-09-21 9.52.26.png

スクリーンショット 2020-09-21 10.06.18.png

10:54 AM

September 20, 2020


情報弱者

最近はいろいろな申請を、PCだったりスマホだったりで「できる」とい

うか、せざるをえない状況にあります。

その度に、申請手続きのUIがあまり親切とはいえない事に「とほほ」な

思いを抱きます。

さらに困るのはこういった「ぼやき」をする側が問題と言われてしまう

事で、いったりだれがどのスタンスで「できない人を批判できるのだろ

と思ってしまいます。ほんとに「フラットな立場」の人はどこにいるん

でしょう。


つまり「文句を言うなら実際にやってみろ」という事でしょうが、

できる事ならどういうソフトをどう作れば良いのかについて監修という

か参考意見を言う立場になりたいなあと思ったりします。

「ソフトウエア(プロダクト)デザイナー」になりたいですね。

まずこういう事はソフトウェア(ホードウェア)に詳しい人に依頼する

のでしょうが、ここまで一般化した現在で必要な事は「情報弱者の側」

の主張を代弁できる人であって、「なんでも使いこなせる情報強者(?)

」の目線ではないように思います。

常識と見識のある「情報弱者」の存在は重要です。

そうやって考えるとわたしは、その立場で語るのは微妙な気もしますが。

秋田道夫

2020/9/20

12:41 PM

September 16, 2020


パッケージ

119150369_10220621527466143_6514992230526619904_o.jpg

南政宏さんの手になるVantechの78mmと220mmが、2020年の日本

パッケージ大賞家庭用品・一般雑貨・化粧品部門にて入選いたしました。

今年の南さんは豊穣な年で同時に4点が入選しています。

_

『南さんは立体(プロダクトデザイン)も平面(グラフィックデザイン)

も高いレベルで融合したハイブリットデザイナーだ。』と以前評しまし

たがそう言った意味では「立体と平面」の両面があるパッケージデザイ

ンはもっとも南さんの才能が生かされやすいジャンルなのかもしれませ

ん。

9:23 AM