デザイナー像

ライターの加藤孝司さんから、10年前わたしの事務所で撮影した写真が

送られてきました。

今も借りている部屋ですが、当時すでに古いアパートの一室です。

およそプロダクトデザイナーがここに「生息している」という気配はま

ったくありません。

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2010年というとその年広島市が2020年夏季オリンピック・パラリンピ

ック招致表明をした事を受けて、若手建築家/デザイナーによる未来の

オリンピックにむけた提案運動を牽引していた人物の一人が加藤さん

でした。加藤さんはデザイン全般に興味も関心も知識もある方ですが、

その中でも建築家に関心が強くなっている事を感じたのもこの頃です。

JDNでコーナーを持たれている桐山さんも紹介者に建築家が増えてき

たりして「デザイン」のトレンドを作る人たちがプロダクトから建築

に移行している事が如実になったのが、2010年が「分水嶺」だったの

かもしれません。

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加藤さんに紹介していただいた谷尻誠さんのその後の活躍はみなさん

も良くご存知でしょうし、スキンケアブランドの「Aēsop(イソップ)」

の青山にできた日本一号店の内装を担当した長坂常さんも、その前年だ

ったかに加藤さんに紹介していただきました。長坂さんはその後ブルー

ボトルコーヒーのショップデザインも担当されて、まさに現在の流行の

最先端を走る建築家を紹介してもらったわけです。とても贅沢な経験で

す。

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でもまあ、こうやって写真を送ってもらっていると言う事は忘れられて

もいないし、今のような状態になって人と濃厚に接する機会の多いプロ

ダクトというものの役割の大切さを思われているのかもしれません。

それにしても10年後もこうやって同じ事務所でこの文章を、同じ机同じ

椅子に座って同じ湯飲みを使って同じブログにこうやって書いている事

が半ば奇跡のようにも思います。

秋田道夫

2020/5/6

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