Archive of December 2019

December 14, 2019


勉強は授業の前に終わっている

うながす.png

来週の20日に以前もポスターを紹介した滋賀県立大学の生活デザイン科

で講評があります。

学生のみなさんの熱心な課題に対する姿勢をfacebookを通してわたしも

臨場感を持ってその過程を見ています。

ある日、南先生がこの画像をアップされました。

書いた本人が何年前のものか覚えていないんですが、ある意味「ずっと」

思っている事です。

自分が高校でもすでに工業デザインを学んでいた事もあって、大学は学

ぶ場ではなく自分の考え(アイディア)を「試す場」だと思っていまし

た。もうひとつの意識は「学校はすでに社会であって会社である」とも

思っていました。ようは学生の甘えはなかった。学生だから許される

事はなにもなく、「若気の至り」もないだろうと。

その意識は会社に入ってとても有効でした。学生と社会人の敷居も段差

も感じませんでした。

7:47 PM

December 5, 2019


来年という的

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昨日、大学の後輩にして大事な友人の平田智彦さんにGerman Design

Awardを受賞した事を伝えました。

まあ、ここでも書いているしSNSでも知らせているので受賞は知ってい

思いましたが、大事な人には直接伝えたいわけです。

そこにはもう一つ理由があって、以前Reddotを受賞した事を平田さんに

えた時に、受賞したのがルーペでは無い事を伝えると『あのルーペだ

どんな賞を獲ってもおかしく無い。』と言ってくれていたのでそ

「予言」が的中した事を伝えたかったわけです。

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1990年代の終わり頃、わたしは低迷というか迷走していました。

残念な事に本人の自覚は薄く「積極的に迷っていた(?)」わけですが

その迷走から目を覚まさせてくれたのが、平田さんです。

『そんなデザインは自分のかつて見た秋田さんでは無い。』そうずば

摘されたわけです。なぜ平田さんの言葉が重いかと言えば彼がデザイナ

の付き合いも多く、いつも時代の先端で勝負をしている上での言葉な

のである意味いつも自分ばかり見ているわたしには大切な目なんです。

目であり的確に言葉化してくれるので口でもあります。要は彼1人と対

するとその背後に世間が広がっている訳です。

彼の忠告にしたがって秋田らしいデザインに復帰した20年なんですが、

そのガイドに従ったおかげでこうやって賞にも恵まれる今の自分がい

す。

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的なんていうものは「いつでも外せる」。

矢が手を離れた瞬間に的が落下すればそれは当たらない的が消える事も

ある。ようは「当てにならない」わけです。

なにを的にすれば良いのか?それは「買い手としての自分自身」です。

自分という的を射抜けるかどうか。それがわたしの命題でありそれが

平田さんという的を射抜く最短の方法であり、それが平田さんの背後に

見える世間を射抜く最善の方法です。

秋田道夫

2019/12/5

11:11 AM

December 1, 2019


再録「出来ないものを考えつく能力」

学生とプロとの違いはなにか?
 
案外に難しいんですね。この答え。自分を振り返ると今でも「学生の時の方が冴え

ていた」と思っているわけで、「学生ノリ」が無くなってから一度もコンペで受賞

していませんから勘違いのパワーはおおきい。
 
社会人になって感じたのは「できないこと」の多さでした。なまなましく言うと

ういう製造メーカーとおつきあいしているかそんな事が案外に大きな要因になって

います。『これうちじゃできない』と言われてしまうと「できるはずのデザイン」

があっというまに「できないデザイン」に変貌します。

 
「詳しくなればなるほど、自分で作れるものが増える」そう思うかもしれませんが

「詳しくなればなるほど出来ない事に寛容になる(諦める)」という側面も同時に

身につけるのです。作れないという指摘が的確なのが「ベテランデザイナー」と

う事になるのです。
 
わたしが「物事に詳しくならない」と言うのは、こうした経験と結びついています。

『学生に戻ろう!』です。一番大切なのは、設計者も企画者も製造者も「できない

デザイン」が、けっして「嫌いじゃない」という事です。「できないデザイン」に

「それが実現できるといいなあ」という魅力があれば、それを作りたいというモチ

ベーションが、そこに関係する人たちに生まれます。

 
おおげさに言えば製造メーカーは、それが作れるようになるために高価な工作機械

を導入するかもしれないし、『作れるところに連絡してみましょうか』そういう事

おきるかもしれない。「製造」に詳しくて製造メーカーに『こうやれば出来るの

あなたはしないのか?』なんて問いつめをしたら相手のプライドを傷つけてでき

るものまで出来なくなると思っています。
 
経験や知識は「ものづくり」ではなくて「ものづくりに関わっている人の自信とプ

ライドとそして弱い気持ち」を理解する事だと思います。

できないものを考えつければ「できるもの」も見えてくる。その上で「できないも

の」を考え続ける事がデザイナーの仕事だと思います。


 

8:04 AM