Archive of June 2019

June 28, 2019


「賢さって何か」

仰々しいタイトルですが、わたしの事なのでそう難しい話にはなりま

せん。

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デザインコンペや卒業制作を見て感じるのは「賢さ」なんですね。

プロダクトデザインに限定すれば、以前なら「完成予想図(スケッチ)

がすばらしい」といった描写力が重要な要素でしたが、最近では「絵

の上手さ」を感じる事が出来るのは、カーデザインのカテゴリーだけ

と言ってもおかしくはありません。

その人の絵の素養を、パネルから想像することは相当に困難です。

その代わりに見えてくるのは「仕上げの綺麗さ」と「簡略的に表現す

る」能力というものであり、さらに言えば「文章力」でしょうか。

自分が学生の頃には、文章が書けなくても「事が済んだ」ように思い

ますが、結局のところ製品(作品)がシンプルに(平板に)なるほど

に「その意図」を明確で読みやすい文章で表記することは「必須」に

なっているように思います。

ふつうで言えば「造形力」や「発想力」と書いても良さそうなもの

ですが、そういう事も今の「出口(アウトプット)」では、「綺麗

にまとまっている」「タイトルが秀逸」といった事に集約されてし

まいます。

賢い人つまり優秀な学生というのは、ターミネーターに出てきた液

体金属のロボットみたいなもので「どんな課題が出てもすり抜けて」

答えを出してきます。

A1のパネルを5枚でまとめなさいと課すれば、5枚をまとめてくるし

A2のパネル1枚といえばそれでまとめてきます。

つまり「全体を把握」しているので、拡張も圧縮も自由自在です。

日頃活躍できていない人に、活躍の機会を作りたいと課題をひねっ

ても結局は無駄(ではないですが)なんですね。

例えば、100円ショップで一番高そうに見えたものを買ってくると

いう「ただ買ってくる」だけの課題でも、結果的にトップに選ばれ

たものは、日頃優秀な作品を作る学生さんでした。

こうなると「絵が描ける「発想力が豊か」も関係なく、その人の

「デザイン力」のいくばくかは「自ら仕事をしなくても分かってし

まう」という事を意味してきます。

つまり日頃から本を読み街に出て「現在の価値のなんたるかを考え」

「相手の立場になってもの事を考える」というトレーニングをして

いるかどうかにかかっているといえます。

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この話は結論めいたものはありませんが、わたしは今のデザインと

過去のデザインを比べることはしません。

なにせ「社会という空気」がないと生きていけない仕事なのですべ

てのことは「空気のなせる技」だと思っています。

ただ変わらないというかますます大事なのは「人に見せるものは綺

麗でなければいけない」という事かと思います「綺麗にできる」と

いうのは色々な要素の優先順位を考えて不要なものはカットしない

とそうはなりません。「見ていただく」事に対するもてなしの気持

ちの有無がわかります。

つまり仕上げの綺麗さはその人の賢さを端的に見せるものだと思う

事です。

秋田道夫

2019/6/27 iPhoneから送信

7:27 PM

June 27, 2019


DESIGN TOKYO 2019

展示会2019.jpg

昨日から、ビックサイト青海展示棟で「DESIGN TOKYO 2019」が始

まりました。

タケダデザインプロジェクトの展示ブースは「一番奥」です。

でも勝手な想像ですが、それは偶然ではなくて来場者の導線を最後まで

持っていく主催者側の意図かなと。あくまでも「私見」です。

なぜそんな風に思うかといえば、ブースに立ち寄ってくれる人が毎回多

いからです。(参加当時は、入り口近くでその事を喜んでましたから)

評判が良いので当初のブースサイズの3倍になりました。

ブースが広くなった事よりも、その後開発された製品が増えて全てをゆ

ったり展示できるスペースはもうありません。

シックでシンプルなブースデザインと「キラキラ」した展示品。

DESIGN TOKYO 2019の「必ず見るべきブース」の一つだと思います。

これも「私見」ですが、

秋田道夫

2019/6/27

10:34 AM

June 27, 2019


生活デザイン研究所

生活ロゴ.jpg

「生活デザイン研究所はじめます」

一年ほど前から、岡山にある医療福祉機器・健康機器の製造販売をされ

ているOG技研工業株式会社のデザインコンサルティングをさせていた

だいています。

その開発デザイン室として東京に拠点を作るという事になりました。

その開発をおし進めるのが本来わたしの役割ですが、その場を借りて以

前から実現したいと思っていた「生活のデザインを研究する」事が出来

ればというわたしの提案を会社からご理解頂けてこの名前を冠する事務

所となりました。

みなさんが使って嬉しい生活が豊かに感じられる製品がここから誕生で

きればと思っております。

いろいろ書きたい事はございますが、まずはご報告まで。

秋田道夫

2019/6/11

10:31 AM

June 20, 2019


更新もしくは2008年

1ru-buru.jpg

ブログの場所が変わってあらためて「information」というブログは何

なのかを思うわけです。

「秋田道夫 information」と検索したら2008年7月のキャッシュが出

てきました。

わたしが自分の書いたブログを「サクサク」削除するようになったき

っかけの一つがこの「cash」というインターネットの特性にあります。

つまり本人が消してもネットに上げるとどこかにその痕跡や文章は残

るわけです。言い方を変えれば「勝手なクラウド(?)」です。

そのクラウドから自分で引き出したわけですね。

さて2008年7月のわたしは今から見て絶好調ですね。

文章もさわやか。すっかり有名人の振る舞いです。現実には今の方が

有名のような気がしますが、雌伏(?)から解放された気分に満ちて

おります。雑誌の取材や記事や講演会やコンペの審査やパーティーや

という華やかな記事がバンバン出てきます。

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こんな一文がありました。「1か月に1回以上記事が更新されているア

クティブなブログの数は約300万ですが、それはブログ総数の2割弱だ

そうです。」この文の元になった調査が2008年の7月に発表されたも

ので、ここから6年後に書かれた記事によると「ブログのピークは200

8年だった。」とあります。

要するに、この2008年の7月分のキャッシュ(記録)は偶然でもなく

それは「ブログとしてのピークの遺構」だという事です。

ブログを通して人に知られる事になったわたしはブログのピークに合

わせて自分の「外向きの活動(活躍)」もピークだったわけです。

感慨深いですね。

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余談ですがわたしの中で「好況感の特異年」というのが二つあります。

ひとつは、1963年。東京オリンピック前年ですね。その年の12月に自

宅が郊外に引っ越したという個人的にな感慨もありますが、なんだか街

が華やいだ気配だった記憶がありました。実は1963年の「紅白歌合戦」

がテレビ史上最高の視聴率だったんです。その数字なんと81.4%。

もうひとつの特異年が、1985年。ここにも個人的な感慨がある年です

が(偶然にも12月の末でした)バックツーザーフューチャーが大ヒット

した年でもありますが、会社も売り上げが最高を記録したといって臨時

ボーナスが支給された年でもあります。

後でわかった事ですが、様々な製品(家電)の「国内で作られる数」が

ピークだったのがこの1985年だったのです。

もちろんここから数年「バブル」に進むわけですが「体力が健全で等身

大での好況感」というのはこの1985年がピークだったように個人的にも

感じます。

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よくご存知のように、この2008年7月の記事の翌月8月にリーマンショッ

クがやってきます。2009年の初頭には「戦後最高の不況」という話も出

ました。(そんな事はなかったと思いますが)

そんな空気感の中であったのが「エキサイトイズム」のインタビュー記

事でした。

内容は、『こういう不況の時こそプロダクトデザインは活用されるべき

だ。』というスタンスですが、文章の内容同様「みんなが迷っている時に

話を聞きたいと思われた事」というのが今でもありがたく貴重な事だと

思います。

逆に言えば、2008年7月までの「ノリの良い文章」というのは書けなく

なったきっかけの記事でもあります。

秋田道夫

2019年6月20日

10:01 AM