February 12, 2020


最小

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German Design Award 2020の公式サイトに受賞作品の展示風景が

公開されています。

どこかにルーペが写っているのかなと思って見てみたら展示台の一番

右手前にありました。

この吹き抜けの大きなホールの中で際立って小さいのでそのコントラ

ストが面白いです。

5300点の応募の中から、ここに並ぶのは建築やコミュニーケーション

の部門を入れても70点。そのうちプロダクトデザインは48点しかあり

ません。ゆえに展示は思った以上にコンパクトです。

4:07 PM

February 12, 2020


写真1.jpg

大工真司さんが撮ってくれた写真です。まだ家具も揃っていない新事務所

での一コマです。 面白ですね。いろいろなものが散在しているのにそこ

には目がいかない。(被写体が自分だからでしょうか)

いつもと違ってメガネもなければヤンキースのキャップも無い自分がよく

知っている素の自分です。

_

一昨日ドイツのIF賞の発表がありました。別にわたしが受賞したという話

ではありません。その受賞作の中のひとつに目が止まりました。

それはとてもわたし的なものに思いました。要はとてもシンプルという事。

ドイツのデザイン賞を受賞したものに顕著な特徴は、それはシンプルであ

るという事です。そこに「時代」はありません。

つまり「素」のものがちゃんと評価されるという風土がそこにあります。

それは昨年100周年を迎えたバウハウスのデザイン教育の導きです。

ただの円筒でできたセンサーがベスト賞に選ばれたのもただの円筒をうが

ったルーペが最高賞に選ばれたのもそういうデザイン風土のおかげです。

ただの円筒や矩形をして「わたしらしい」というのはとても不遜に聞こえ

る事は重々承知です。しかしどう考えても「そういう形で収まっていない

製品」を円筒化したり矩形化するのは、ちょっとした発見でもありなかな

かの工夫です。そういう「そうでもないジャンルでそういうカタチ」を何

度も繰り返して来たからのご褒美が「わたしらしい」という言葉だと思っ

ています。

今から10年前にも、やはりわたしらしい製品を他に見出しました。

『それは自分がしなくては。』と思ってデザインしたのがShunik(朱肉)

でした。製品はアルミでできたただの黒い矩形ですが、朱肉という円筒形

でできた世界において「矩形」は発明に近いのです。

タケダデザインプロジェクトでも様々な矩形や円筒や球体の製品をデザイ

ンして来ましたが、意外な事に「影響」という面では矩形と円筒に溝や穴

をうがった小型の「ペーパーウエイト」です。

たぶんわたしを「哲学的」と表されるのはこの製品のような気がします。

そこまでプライマリー(素)にしても製品になる事に驚きがあるようです。

様々な製品であり機能の「素」を見出すのがわたしの仕事かなと改めて

思ったわけです。

秋田道夫

2020/2/12

10:06 AM

February 9, 2020


仮説

「続ける事に意味があるかどうかは続けてみないと分からない」

実は、一つ事を続ける事にそんなに意味を見出していなかったわたしです

が蓋を開ければ会社員になった時から数えると45年にもなります。

独立してから数えても30年以上になります。その間ずっと「プロダクトデ

ザイナー」十分すぎる一つ事です。

仕事先にも10年以上の付き合いという会社も何社かあるし、このブログだ

って2003年に始めたので17年目です。結局は長続きです。

しかしわたし自身は今もって「飽きっぽくて何事も長続きしない。」と思

い続けているので不思議です。今もって飽きっぽい性分です。

ようは「続ける」事は意志ではありません。「結果的に続いている」に過

ぎないわけです。ゆえに「続け方」のアドバイスはできません。

言えるのは続いていることがあれば続かない事にも「意味」があるという

事かなと思います。

1:08 PM

February 8, 2020


壁を越える事

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昨晩ドイツのフランクフルトでジャーマンデザインワードの授賞式が

開催されました。式にはタケダデザインプロジェクトの責任者である

高地さんが出席されて、Facebookでその模様を逐次発信されていて

日本にいながらタイムラグ無しに式の雰囲気を感じておりました。

ゴールド(最高賞)の受賞作は、アンビエンテ(見本市)の会場内に

設置された展示ブースでお披露目されています。

ひょっとすると今回の受賞作品の中で「最小」の受賞作の一つかもし

れません。

ドイツ発祥の近代デザインの基礎を作ったバウハウスが昨年生誕100

周年でした。その年にドイツのデザイン賞であるReddotとGerman

design awardの両賞で、最高賞を獲得出来た事は無上の喜びです。

_

思い返すと、タケダデザインプロジェクトが誕生したのは2008年そ

うリーマンショックのあった年です。

そんな中で高価な文房具を作った事は、無謀でもありましたがタケダ

は粘り強く冬の時期を耐えて今こうやって花開いたわけです。

わたしは、タケダの事を地場産業とは思っていません。新潟の燕市に

あるという事に過ぎません。

「できる事をできる場所でする」というのは、極々自然な流れです。

_

ところで、今回会場になったアンビエンテにはdo-nabeのメーカーで

あるセラミックジャパンも出店していてそのブースでdo-nabeを前に

してタケダデザインプロジェクトの高地さんと、セラミックジャパン

の代表である大橋さんが一緒に写真に写っているのを見て感動しまし

た。

秋田道夫

2020/2/8

10:49 AM

February 6, 2020


伝わり方

先日書いた「世界観」ですが、大事な事を書けてよかったです。

実は半月ほど前、このブログの大切さを書いてくれた方がいたのです。

それもお世辞でもなくまったく淡々と。あらためてブログを育てなく

てはと思った次第です。

_

ブログは「反応がない」というのが基本だと思っています。

そこがFacebookをはじめとしたSNSと違うところです。

わたしはFacebookへの書き込みはブログのための仮説と検証の場に

使っています。つまりどういう話をみんなが好み読みたいのかを知る

ためです。今は繋がっている人は180人ほどです。多くはないです。

それは各人のSNSの捉え方ですが、なにを書いても『わーいいです。』

『さすがです。』なんてコメントが何百と付いたら、わたしは絶対に

「勘違い」をしてしまいます。そして「今」というものにしばれれてし

まいます。

そのへんわたしの「変わり者」を理解してくれているようでデザイン賞

を受賞した事を書いてもいいねがついても『さすがです。』というコメ

ントはゼロでした。

「ソーシャルメディア」であっても独特の色というものは存在し得ると

思います。

秋田道夫

2020/2/6

2:00 PM

February 3, 2020


世界観

最近新しい事務所を紹介していますが、今から25年ほど前にも同様に

すてきな事務所を借りていました。が、2年間でそこを退去しました。

まさに「無理」をしていたんですね。

器を用意すればそこに入る液体(仕事)が満ちてくると思ったわけで

すが現実は、器が大きくなった分だけ入った仕事がより少なく思える

逆の作用をしました。

もう一つ言えばもともとギリギリだったので家具に十分費用を割振れ

ませんでした。

これもまた器が綺麗な分だけそこに置かれたものの不似合いが際立っ

てしまいました。

実はそこにはあるおおきな理由がありました。

それは会社員時代の同僚の中にシリコンバレーにある有名な大学の卒

業生がいて、そこにある今も有名な世界的な企業で日本でのデザイナ

ー(事務所)を探していて、わたしの事務所も推薦してくれたのです。

当時借りていた部屋も新築ではありましたが、いわゆるアパートのよ

うなところで、ドラフターやコピー機やら熱線カッターやらで所狭し

という感じの部屋でした。

結局わたしの事務所は、その次の段階に進めなかったのですが、その

理由を「部屋」にあると思ったわけです。(というか力量不足ですが)

_

今そういう話が来たらどうでしょう。まず『ちょっとそれは荷が重い

ので、仕事(になるか)はどうでもいいですから、ひとまず遊びに来

てくれるだけでも光栄です。ついでに都合がよかったら一緒に食事で

もしていろんなお話を聞かせてください。』というでしょうね。

_

ある意味今よりも「プライド」は高かったでしょう。へんな話大きな

仕事もやれるような気がしていました。「できるか」というより「や

りたい」という気持ちが先に立ちすぎていました。

うまく行かなかったら相手に迷惑がかかると少しも思っていませんで

した。

今だったら「0.5」つまり調査に来た人が独立した時に、わたしに頼

みたくなるような「ニュアンス」を感じてもらえるような言葉を選ぶ

かもしれません。

わたしよりも「もっとふさわしいデザイナー」を紹介するかもしれな

いし、まずは「日本のデザイナー地図」を説明するのかもしれません。 

とにかくわざわざアメリカから日本に来てのリサーチを円滑かつ楽し

く有意義で高い成果が上がるように手助けするのが自分のミッション

と捉えたでしょう。

自信とプライドは違うと思います。わたしは今は、「出来ない」も含

めて自信だと思っています。

秋田道夫

2020/2/4

6:01 PM

January 29, 2020


らしさ

新しい事務所に家具が入って「らしさ」が出て来ました。

インターナショナルスタイルの室内に有名な椅子と机。

こんなに「典型的な」デザイン事務所風(?)にしつらえるのは、独立

して30年になりますが初めてのことです。

アルバ・アールトのダイニングテーブルの上にあるランプは、アルネ・

ヤコブセンのランプです。

椅子はハンス・ウエグナーのCH-23というものです。

要は50年以上の歳月を経て残っている名品で構成しています。

しかしこのシンプルな構成を可能にしてくれているのは実はアップルの

おかげに負うところが大きい。モニターと本体が一体になることによっ

て床がすっきりしたしなにより「パソコンのデザイン」が家具の邪魔を

しない。

新しい部屋.jpg

7:02 PM

January 23, 2020


具現化

階段.jpg

部屋部屋.jpg

椅子椅子.jpg

5:17 PM

January 16, 2020


良いデザイン良い商売

中国で開催されているデザイン賞のひとつに「レッドスター賞」という

ものがあります。「あります」と言っても中国のデザイン事情に明るい

とは言い難いのですが、このレッドスター賞は応募総数が6000点を超

えいて中国国内では「デザイン賞のオスカー」と呼ばれているそうです。

審査委員でもないわたしが、なぜか検索にそのレッドスター賞が出てき

たので、なにかと調べたら、中国の経済コラムにその賞の紹介記事があ

って「デザインとビジネスの関係性」についてなぜかわたしのかつての

言葉が引用されていたわけです。なんだかすごいお話です。

_

『一般ユーザーは、良い外観のものを良いデザインだと思っています。

その素直感想に値するべく、デザイナーは良い外観は使いやすさと良い

機能を持っているからこそそうなっているという事を遂行しなければな

りません。

デザイナーは、既存の製品を常により良きものに変えていく勇気を持た

なくてはなりません。

そしてそれが「良いデザインのものは良いビジネスに繋がる」という良

好な関係性を築くのです。』と。

当たり前の事をきっちりと言っているだけですが、なぜこの話が引用さ

れたかといえば、日頃わたしのデザインが中国のサイトでは「哲学的」

と称されているので、その「お金とは無縁に見えるわたしがいうビジネ

ス(商売です)という言葉に新鮮味があった」という事が一つと、もっ

と大きな理由は中国の製品は「模倣」や「盗用」が多いという事実に鑑

みて、安易な今の儲けではなく長期的な反映にはデザインが有効である

事を言語化しているところにあるかと思います。

そういった意味では、2006年に発足したこのレッドスター賞も「模倣よ

りもオリジナリティー」を評価するために作られたものの一つでしょう。

_

実は、日本のグッドデザイン賞も「模倣よりもオリジナリティー」を評

価するために1957年にできたものですが、実はデザイン性の優れた国と

して知られるドイツのデザイン賞も実は、敗戦国として荒廃した国の中

で粗悪な製品が横行している状況を打破するために1953年に創設された

のがジャーマンデザインアワードでありIF賞であり1955年にはレッドド

ットデザイン賞の創設に繋がっている歴史があります。

_

その記事を書いた人は「デザイン賞とは既存の製品をより良きものに変

た勇気を行動に移した人モノを称えるものである。」と言いたかったの

だと思います。

秋田道夫

2020/1/17

10:50 AM

January 9, 2020


わたしの10年あなたの10年

わたしの話というのは、10年20年という歳月を自在に(?)行き来する。

それを歳のせいとするのは読む側の勝手ではありますが、わたしと同世代

ならたぶんそういう時間軸で生きているし、わたしよりも若い世代ならい

ずれそういう時間軸になっていくでしょう。

わたしはなるべく「観客席(読み手)」を見ない様にしています。さら

にもっとも大事にしているのは、観客席に「呼び掛けない事」です。

『そう思いませんか?』なんて同調を誘発する様な言葉はブログを初め

て15年以上ですが、一度も記憶の中ではありません。発言は自己の中で

完結する物ものです。

_

しかしふっとさっき自分検索で出てきたわたしの講演や講義に出てくれ

た方達の感想文を読んでいて、それが10年前のモノだったりする事に気

がつきました。

つまりわたしが10年の時間が経過したなら観客も10年経過しているとい

う誠に当たり前な事に今更気がついた訳です。

10年前でもすでに社会人ならともかく高校生から大学生、大学生から社

会人という人生でも指折りの変化を経験した10年をどう記すのか、あの

時に聞いた講演はその後どう消化されたのか。そんな事を思いました。

10年前まで戻ってもすっかり社会人というかフリーのデザイナーだった

わたしですが、確実にこの20年この10年は大きく前に進んだつもりです。

その事の意味をわたしではなく見る側だった聴く側だった人たちはどう

受け止めているのかを知りたくなった朝でした。

秋田道夫

2020/1/9

11:40 AM

December 14, 2019


勉強は授業の前に終わっている

うながす.png

来週の20日に以前もポスターを紹介した滋賀県立大学の生活デザイン科

で講評があります。

学生のみなさんの熱心な課題に対する姿勢をfacebookを通してわたしも

臨場感を持ってその過程を見ています。

ある日、南先生がこの画像をアップされました。

書いた本人が何年前のものか覚えていないんですが、ある意味「ずっと」

思っている事です。

自分が高校でもすでに工業デザインを学んでいた事もあって、大学は学

ぶ場ではなく自分の考え(アイディア)を「試す場」だと思っていまし

た。もうひとつの意識は「学校はすでに社会であって会社である」とも

思っていました。ようは学生の甘えはなかった。学生だから許される

事はなにもなく、「若気の至り」もないだろうと。

その意識は会社に入ってとても有効でした。学生と社会人の敷居も段差

も感じませんでした。

7:47 PM

December 8, 2019


受賞歴

略歴2019.jpg



最近受賞が目覚ましいのはタケダデザインのおかげです。

海外のデザイン賞にエントリーをして頂ける機会が増えているからで、

まさか65歳を過ぎてこんな風になるとは想像もしていませんでした。



秋田道夫

2019/12/8

3:20 PM

December 5, 2019


来年という的

vantech_52.jpg

昨日、大学の後輩にして大事な友人の平田(智彦)さんにGerman Design

Awardを受賞した事を伝えました。

まあ、ここでも書いているしSNSでも知らせているので受賞は知っていると

思いましたが、大事な人には直接伝えたいわけです。

そこにはもう一つ理由があって、以前Reddotを受賞した事を平田さんに伝

えた時に、受賞したのがルーペでは無い事を伝えると『あのルーペだったら

どんな賞を獲ってもおかしく無い。』と言ってくれていたのでその「予言」

が的中した事を伝えたかったわけです。

_

1990年代の終わり頃、わたしは低迷というか迷走していました。

残念な事に本人の自覚は薄く「積極的に迷っていた(?)」わけですが、

その迷走から目を覚まさせてくれたのが、平田さんです。

『そんなデザインは自分のかつて見た秋田さんでは無い。』そうずばり指

摘されたわけです。なぜ平田さんの言葉が重いかと言えば彼がデザイナー

の付き合いも多く、いつも時代の先端で勝負をしている上での言葉なので

ある意味いつも自分ばかり見ているわたしには大切な「目」なんです。

目であり的確に言葉化してくれるので口でもあります。要は彼1人と対峙

するとその背後に世間が広がっている訳です。

彼の忠告にしたがって秋田らしいデザインに復帰した20年なんですが、

そのガイドに従ったおかげでこうやって賞にも恵まれる今の自分がいま

す。

_

的なんていうものは「いつでも外せる」。

矢が手を離れた瞬間に的が落下すればそれは当たらない的が消える事も

ある。ようは「当てにならない」わけです。

なにを的にすれば良いのか?それは「買い手としての自分自身」です。

自分という的を射抜けるかどうか。それがわたしの命題でありそれが

平田さんという的を射抜く最短の方法であり、それが平田さんの背後に

見える世間を射抜く最善の方法です。

秋田道夫

2019/12/5

11:11 AM

December 1, 2019


再録「出来ないものを考えつく能力」

学生とプロとの違いはなにか?
 
案外に難しいんですね。この答え。自分を振り返ると今でも「学生の時の方が冴え

ていた」と思っているわけで、「学生ノリ」が無くなってから一度もコンペで受賞

していませんから勘違いのパワーはおおきい。
 
社会人になって感じたのは「できないこと」の多さでした。なまなましく言うと

ういう製造メーカーとおつきあいしているかそんな事が案外に大きな要因になって

います。『これうちじゃできない』と言われてしまうと「できるはずのデザイン」

があっというまに「できないデザイン」に変貌します。

 
「詳しくなればなるほど、自分で作れるものが増える」そう思うかもしれませんが

「詳しくなればなるほど出来ない事に寛容になる(諦める)」という側面も同時に

身につけるのです。作れないという指摘が的確なのが「ベテランデザイナー」と

う事になるのです。
 
わたしが「物事に詳しくならない」と言うのは、こうした経験と結びついています。

『学生に戻ろう!』です。一番大切なのは、設計者も企画者も製造者も「できない

デザイン」が、けっして「嫌いじゃない」という事です。「できないデザイン」に

「それが実現できるといいなあ」という魅力があれば、それを作りたいというモチ

ベーションが、そこに関係する人たちに生まれます。

 
おおげさに言えば製造メーカーは、それが作れるようになるために高価な工作機械

を導入するかもしれないし、『作れるところに連絡してみましょうか』そういう事

おきるかもしれない。「製造」に詳しくて製造メーカーに『こうやれば出来るの

あなたはしないのか?』なんて問いつめをしたら相手のプライドを傷つけてでき

るものまで出来なくなると思っています。
 
経験や知識は「ものづくり」ではなくて「ものづくりに関わっている人の自信とプ

ライドとそして弱い気持ち」を理解する事だと思います。

できないものを考えつければ「できるもの」も見えてくる。その上で「できないも

の」を考え続ける事がデザイナーの仕事だと思います。


 

8:04 AM

November 30, 2019


滋賀県立大学

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今年も滋賀県立大学の生活デザイン科で課題を担当しました。

今年で10回目です。つまり2010年台をずっと生活デザインと

共にして来たという感じです。

それは、自分が教えるに値するのかという問いでもあります。

毎年課題のテーマを変えるのは案外に大変なことです。

いい課題を考えられるのかという意味でわたしもデザイン力が

問われています。

ちなみに今回のポスターはコンペ形式で選ばれたものです。

8:06 AM

November 22, 2019


German Design Award 2020

ちょっと笑い話から。

22日にGerman Design Awardの情報が開示されて、facebookに

受賞の報告を書いたのですが、さして「いいね」は付かないし『おめで

とうございます。』というコメントもゼロです。

前回のreddotのBest of the Bestを受賞したというお知らせも今回同

様にコメントがゼロでした。おもしろすぎです。

同じくベストを受賞した別のデザイナーのfacebookには「いいね」と

コメントがあふれているのを知っていたので違いすぎます。

_

このGerman Design Award選考の対象になるには、同じくドイツの

デザイン賞のreddot賞やIF賞をはじめ世界の有力なデザイン賞をす

でに受賞したものに限定されます。

それだけ厳正でもプロダクトとコミュニケーションと建築の3部門

を合わせると5300点ものノミネート数です。

賞にはWinner(優秀賞)とSpecial mention(入選)があってそれぞ

れのカテゴリー(部門)で一点だけというのがGold(最高賞)です。

ちなみに3部門合わせてゴールドは70点(プロダクトは39点でした)

今年はプロダクトデザインのカテゴリーでコニカミノルタのプラネ

タリュウム投影機、イトーキのオフィースチェアーとオムロンの電

動歯ブラシそしてこのルーペの4点が選ばれました。(昨年日本の

製品のゴールド受賞はゼロでした。)

タケダデザインプロジェクトは2017年にすでに山口さんのメジャー

でWinnerを受賞していますが、二度の受賞は新潟燕三条のメーカー

はもとより日本の大企業を含めてもなかなかの快挙なんです。

秋田道夫

2019/11/24 加筆修正 11/26

実はGerman Design Awardの受賞情報は足並みが揃っておらず、受

賞メーカー各社は、広報に自社の事のみ触れるばかりで賞全体がわ

かりません。Awardのホームページも昨年の事と今年の事が混在し

ていてなかなか要領をえません。

どこという希望はありませんが、IFやReddotなどを含めて「世界

のデザイン賞」の受賞内容をデータベース化して分析する段階に

来ているのではないでしょうか。


ジャーマン賞.jpg

3:43 PM

November 7, 2019


課題を自分にも課するということ

今年も12月に滋賀県立大学の生活デザイン科で課題講評をします。

恒例化した感がありますが、1回目が2010年という事で今年はちょうど

10回目にあたります。くしくも「2010〜2019」という事で2010年代を

ずっと課題が続いた事になります。

わたしはこの10年間で学生の人たちがどう変わったかは皆目分かりませ

ん。良くなったとかそうでなくなったというのはまったく感じません。

そういう比較は「だれも幸せにならない」褒められてもそうでなくても。

わたしはそれ以上に自分が課したテーマの良し悪しの方が気になります。

なにせ2012年に「具体的な製品をデザインしてもらう」ようにしてから

毎年そのテーマになる製品を変えてきたので、その課題がどう学生のみ

んなに「適しているか」の方が気になるのです。

毎年同じ課題を出して去年はこうだった一昨年はああだったというも楽

しそうですが、わたしも成長したいし学びたい。教えるということは自

分の学びです。さりとて自分の学びのために学生に無理を強いるのは本

末転倒です。ゆえに課題を考えるのはなかなか「デザイン」です。

秋田道夫

2019/11/7

10:46 AM

November 5, 2019


firmroom19

formroom19.jpg

久しぶりにformroomを開催します。

テーマは「暮らしがデザイン、デザインが暮らし」

2010年から2019年までの自分のデザインの変遷と、これからの10年の

デザインについてプロダクトデザイナーであり、会場としてお借りする

「頁ギャラリー」のオーナーでもある江口海里さんと一緒にお話しした

いと思っています。

今回は大阪なのですが来年には東京でも再開しようかと思っております。

なお参加は無料ですが希望者は、大工真司さんまでメールにてご連絡を

お願いします。daiku@ninth.jp

10:28 AM

October 31, 2019


ノーベンバーステップス

昨日、はじめて銀座SIXのビジネスエリアに入りました。

かねてからその7階にあるエントランスにわたしのデザインしたセキュリ

ティーゲートが設置されていることは知っていたのですが、はじめてその

ゲートを見てさらにそのゲートを通りました。

高見沢サイバネティクスのサイトによれば、六本木ヒルズに設置されてい

た前任のTAG-5000はお役御免になったようで、後継機のTAG-9000が

こうやって活躍しています。

TAG-9000は、虎ノ門ヒルズ、東京駅前にあるKITTEビルや渋谷ヒカリエ

にも採用されています。

にはどこの製品が採用されているのか楽しみです。)

ちょっと感動覚めやらぬ中で、商業エリアの蔦谷書店に併設されている

スターバックスに行きましたが、ここでもびっくりするような「再会」が

ありました。

混雑を極めている店内でスタッフの方が見つけてくれた席に座ってその横

を見てびっくり。本棚に「おすすめ」のように立てかけてある雑誌AXIS

に見覚えがあります。

1996年。ソニーのMD用にデザインしたMDラックについてのわたしの一文

が載っている号だからです。

とにかく不思議な1日でした。


昨日は11月(ノーベンバー)じゃない?

おいおいタイトルの理由がわかります。

ginza_six02.jpg

TAG-9000:高見沢サイバネティクス

ほん.jpg

8:55 AM

October 30, 2019


的を得た的外し

TOWER.jpg

10:03 AM

October 28, 2019


空気のてざわり

DSCF0048.JPG

15年ぐらい前にルーブル美術館に行った時に撮影した写真ですが、当時

使っていたフジフィルムのFinePix1700というデジタルカメラの画素数は

150万画素という今からすれば、スマホのカメラにも遠く及ばない性能で

すが、わたしにはある意味「魔法のカメラ」でした。

さして明るくはないルーブル美術館の中で、三脚も使わないで「パシャ」

っと撮っただけでなぜこんなに「情報量」が多いのか、大理石に刻まれた

ものやその質感がまさに手に取るようにこちらに伝わって来ます。

その後魔法のカメラが壊れてしまって、一眼レフタイプのデジカメを買っ

た訳ですが、なにかが違うんですね。デジタルカメラなのに「アナログ

(フィルム)とデジタル」の比較をしているかのようです。

撮影してから15年が経過したしましたが、ますます輝いて見えます。

10:53 AM

October 24, 2019


印象

下向きプロフィール.jpg

写真は去年の12月に大阪であったトークショーでの一幕。

といっても講演が終わった後にカメラマンの方の「希望」で下を向いた

ポースをおおげさにとっただけで実際に困って下を向いているわけでは

ありません。

なぜ新たにこういう写真を載せたかといえば、わたし自身印象というか

自分の見た目の有り様にはこだわりがあります。

まず騒がしいのもいやだし、立ち居振る舞いが大袈裟なのもいやだし、

「威嚇的な」服装もいやだし、もっとも嫌なのが「自分はすでに確立し

ていて相手をどう評価するだけ」みたいな振る舞い見た目は避けたい。

今から20年前、デザイナーの写真といえばモノクロで斜め前を向いて

澄ましている、というものが多かった。少なくとも笑わない。

わたしはまだプロフィール写真を公開するような立場(?)でない時

からカラーで正面を向いて笑顔の写真にしようと決めていました。

ゆえに今ネットで見られるプロフィール写真はほとんどが笑顔です。

それでも多くの人は「面倒な人」と思っているようなので笑顔も通用

していないわけです。 作品(製品)と文面が面倒なんでしょう。

10:56 AM

October 20, 2019


継続への感謝

IMG_2949.jpg

先日オリベッティー の電子計算機を入手しました。

1974年マリオベリーニデザイン「ロゴス55」。

多分、当時は「ロゴス」という名前の意味も判らなかったでしょうが、

今であればその出自がギリシャ語がラテン語で英語の「logic(ロジ

ック)」につながる言葉だろうと推測できます。実際当たっているわ

けで、少しは成長しました。

生活デザイン研究所には、この写真の3台以外にも参考品がありますが

今イタリアのデザイナーの手掛けたものであり1960年代から1970年

代はプロダクトデザインの主流はイタリアにあった事を示しています。

今後は、ブラウンを中心としたドイツ製品やB&Oを中心に北欧の製品

も集めていきたいと思っています。

「継続への感謝」とタイトルしたのですが、今見てもこれらの製品に

はチカラがあり魅力的であり「懐かしさ」というよりは新鮮さの方が

飼っています。 そういうものがわたしが今もデザインを続けている

原動力でありモチベーションであり、先生となっくれた事への感謝の

気持ちがあります。

秋田道夫

2019/10/20

5:12 PM

October 18, 2019


王道を求めて

ピッコロカタログ.jpg

今年のReddotデザイン賞の公式カタログの「一幕」。

Best of Bestを受賞した作品(製品)には見開き2ページが与えられて

デザイナーのプロフィールが紹介されます。

クライアントであるアタゴの雨宮社長と撮っていただいた写真が掲載

されています。

_

2019年時点でわたしは66歳。最初にデザインコンペで優勝して新聞に

プロフィール写真が掲載された時は24歳。

年齢の話を引き合いにする事が増えていますが、それだけ年齢の重力圏

を脱する事の難しさについて「語る意義」が年々上がっていると感じて

いるからに他なりません。とはいえ何十年も「スタンス」は一緒です。

わたしのスタンスは「製品を美しく魅力的で機能的であること」に他な

りません。

「製品を美しく魅力的で機能的であること」という言葉そのものになん

の変哲もないしどれだけ時代が変わっても通用しそうな言葉です。

しかし案外に難しい。

いつも「なにかが変化している」というなにかという「波」にある意味

みんなが脅かされていて、その一番の「施政者」でありながら「被政者」

でもあるのがデザイナーです。

10年も20年も経てばその「波」がなんだったのかわからない。

しかし私自身もその波の中にいて波の実体を考えるようになったのはこ

の15年ぐらいで、残りの25年間は翻弄されていたわけです。

奇しくも今年は、バウハウスが誕生して100年の節目です。

そういうタイミングで誕生の地であるドイツのデザイン賞を「基本形」

ともいうべき素直な形状の製品で受賞できた事の意味は大きい。

秋田道夫

2019年10月18日

9:40 AM

October 5, 2019


ライフタイルデザイン

「暮らしが仕事、仕事が暮らし」と言ったのは陶芸家河井寛次郎です。

寛次郎はこうも言う「すきなものの中に必ず私はいる。」

さらにこうも言う「売るという事が始まってからの物の乱れ、

わかりもしない人の好みを相手に作る事からの物の乱れ、

先ず自分の為に作らねばならない、

自分を喜ばす物から作らねばならない、

それからだ、それからだ」

_

憑依というものおかしいですが、今更知った河井寛次郎の言葉はあまり

にも「自分の様(よう)」です。

すでに何十年も前に河井寛次郎の生活実感から出た言葉に、それを知ら

ずそこにたどりついた自分の感覚は貴重です。

10:39 AM

September 8, 2019


EOS 5Dmark2

向かい.jpg

別に「いい写真」と思って掲載したわけではありません。

事務所の窓を開けてパシャリと一枚撮った写真を載せたまでです。

事務所の前は4階建てのおおきなマンションを建設中です。

これで前と横がマンションになりました。(なります)

_

最近、偶然ユーチューブ(今時ですね)で、キャノンのEOSの5Dを安く

買った話題を観てしまいました。

別に5Dと聞いてもなにも感じない人がほとんどだと思いますが、実は

今から10年前「新東京百景」と題した写真展を開きました。

それは新型の歩行者用LED灯器が東京の街といかに「付き合っているか」

という様子をわたしが撮影したものを集めて展示したものです。

真夏に各所に行って来ました。その為に新たなカメラを購入したのです

がそれがEOSの40Dという新製品でした。

40Dはそこそこ高いカメラでしたが、5Dはたぶん30万円ぐらいしたんじ

ゃないでしょうか。当然素人カメラマンの自分の範疇ではありません。

それが今では1/10の値段で売られていると知れば色めき立つのは当然(?)

です。

なぜ5Dがそこまで高価だったかと言えばCMOSと呼ばれる画像素子が、

35mmフィルムと「同じサイズ」だったからです。

ふつうのデジタルカメラは、CMOSが小さくてそれを技術的に拡大して

使用しています。ゆえに例えばフィルムカメラ用に購入した50mmのレ

ンズがあるとすると、40Dでは1.5倍で75mm相当のレンズと同等になっ

てしまいます。それが5Dだとそのまま50mm。

まあ50mmが75mmというのはそう大きな問題でもないかと思いますが

奮発して24mmの広角レンズを買ったのに35mm相当になるのは結構痛

いものです。まあそんな適当な技術論は馬脚をさらすばかりなので、こ

れぐらいにしますが、単純に考えて「そのまま」に写った方が良いに

きまっているのですが、さすがに30万は厳しいですね。

べつにカメラが欲しかったわけでもないのですが、これは魅力的と思い

すぐに中古カメラ店に走った訳です。

状態の良いものは、そんなに安くはありませんでしたが、元値を考える

と当然と思い購入しましたが、実は安い理由にはおおきな理由がありま

した。メーカーの修理が、発売から10年後である昨年で終了していまし

た。「保障」じゃないんですよ、有料でも修理してもらえない。つまり

交換部品のストックがメーカーにも無い訳です。

つまり手に入れた5Dmark2は、故障してしまうと重い(思い)不要品化

してしまうわけです。まあ今の世の中なにかしらの手だてはあるでしょ

うが、デジタル化されたカメラの修理は光学式のカメラのようには単純

ではないでしょう。(逆かもしれませんが)いずれにしろ光学ならぬ高

額になるでしょうね。

まあそんな心配をしてもしょうがないので、手にした5Dの35mmフルサ

イズCMOSセンサーの魅力を感じたいと思います。

10年前と同じ単焦点50mm(ようはズームがないレンズです)で撮影し

た「工事中のマンション風景」ですが、結構「画面の端っこまでびしっ

と撮れている」ように思うのは、ひいき目なんでしょうか。

4:59 PM

September 4, 2019


資料としてのブログ

これまで15年ほど続けて来たブログですが、そのほどんどを残してき

せんでした。

大きな理由は、文筆が生業でもない自分の書いたものを「残す価値が

る」と本人が思っているのはちょっと恥ずかしいからです。

ただ「思っている事を文章にする」という行為はデザインをする行為

も通じているので、書く事自体は今も好きだし重要な日々の行動だ

とは思っています。

しかし最近その「残さない」という心境に変化が生まれています。

『自分のブログにも資料性があるかも。』と思うようになりました。

理由のひとつはSNSの普及です。

ツィッターやフェイスブックというSNSの普及によってブログはあきら

かに衰退しています。衰退したからこそ意義が新たに生まれている。

なぜならSNSにも限界があるからです。


わたしもSNSで様々な表現をトライをしてみました。

「まじめな話」ほどいいねがつかないというある意味不思議な現象を経

しています。つまり読み手の見えない感情の壁がそこにあります。

それをある人は「キャッチボール」に例えました。つまりお互いに軽く

ボールを投げたり受け取ったりする行為を楽しんでいる訳で、唐突な

球はキャッチされない訳です。

_

真実は遠い人からもたされる。

何十年も知らなかった大事な事をまったく会った事の無い人の話題の中

に見いだす事があります。

書いた本人はすでに無自覚でさしたる内容でもないと思っている話題の

中に大事なキーが含まれていて別にわたしを励ます気持ちが無いにも関

わらす励まされたりしています。

この中国のサイトの情報もそうです。なにせ5年も前に書かれていたのに

今頃になって検索に出て来ましたから。

「声は近いほど明瞭だがその意味するところは揺れていて、遠い声は小

さく微かだがその内容は明確である」

今年Red dotデザイン賞のベストオブベストを受賞しましが、これまで

界のデザイン賞にはとんと縁が無かったわたしが、60代の半ばにな

立て続けに受賞しているというのはとても不思議です。

ひょっとすると受賞者の中で「最高齢」の一人かもしれません。

それがゆえに「資料性」を意識しだしたわけです。高齢化が進む中でわ

しの「イレギュラーさ」は、これから受賞者の年齢が上がる魁かもし

れません。

情報や評価は光の速度で伝わるけれど、0.5光年いや数光年のずれがそこ

にあるように感じています。

秋田道夫

2019/9/4


https://www.leatherhr.com/news/details/2014/4-9/59-5363-1.html?fbclid=IwAR1uR8Q3NZqs3nC2YWLLPZ6m4xr9OUmEk2x6KnaIiMHRvsA-A-vr3xrUH9M

中国.jpg

10:51 AM

August 18, 2019


生活(を)デザイン

カンディ.jpg

大学時代の同級生有志による展示会「Hygge(ヒュッゲ)展」が昨日から、

名古屋で始まりました。

今回は、家具のお店カンディハウス名古屋をお借りしての展示なのですが

あくまでも「展示されている家具」が主人公です。

実はわたしはこういう「生活の場を再現した展示」は初体験です。

日頃は「しつらえ」というか「製品が映えるような事」を出来るだけ避け

ているふしぎなデザイナーですが、こういった素敵な家具と環境があると

いつも以上に輝きが増しているように感じます。

_

ちなみに素敵なお皿は、展示会場である「ノリタケビル」一階のショップ

で買い求めたものです。なんだかそういった意味でも「最適」な場所です。

2019/8/18

秋田道夫

10:51 AM

August 6, 2019


マドラー220

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detail_7089_1561104790.png

以前紹介した「マドラー220」が、今クラウドファンディング「makuake」

で協力者を募っております。

昨日募集がスタートしたばかりですが、すでに目標を達成しました。

ありがとうございます。つまりこの一文は、お礼のつもりで書きました。

素敵なロゴとパッケージデザインは南政宏さんの手によるものです。

秋田道夫

2019/8/6

7:17 PM

August 2, 2019


無隣有隣

論語にこんな言葉があるそうです。

「徳不孤必有鄰」

「徳あれば孤立はしない、必ず隣人(理解者)が存在する。」

_

自分をして「徳がある」とは言いがたいですが、わたしにとっての「徳」

とは「みんなの生活を豊かにする良いデザイン」に他なりません。

なぜそんな言葉を出して来たかといえば、以前講演会に来て下さった方

から一通のメールが、数日前に届きました。

そこには、吉岡徳仁(名前に徳がありますね)さんがデザインした、来

年開催されるオリンピックで使われる聖火ランナーのトーチについてそ

のデザインコンセプトを説明するインタビューの記事を教えてくれてい

ました。

たぶん吉岡さんの事務所と思わしき部屋の机にトーチのサンプルととも

に、タケダデザインプロジェクトのペントレイがおかれていました。

_

先の論語の言葉は、京都の岡崎にある山県有朋の別邸「無鄰菴(むりん

あん)」の名前の由来から知ったのですが、興味深いのは本来は「隣り

に家が無かった」事からつけられたものが、その真逆の言葉を誘発して

いる事です。

つまり「人のつながりは距離ではない」という事を意味しているし、

山県有朋も「精神的には独立している事」を意味しているのかもしてま

せん。

_

吉岡さんは、おそらくふつうテーブルにはなにも置かれないだろう。

わたしもデスクにはなにも置かないのが「基本」です。

勝手な憶測ですがひょっとするとそれは、親しい方からのプレゼントで、

気持ちを大事にしている事を示しているのかもしれません。

_

吉岡さんのデザインは、いつもずっと先を進んでいる。まわりには誰も

いない孤独を感じているでしょう。しかしそのすばらしい仕事ゆえに

評価もされる。そういう事をわたしの製品がお役に立てている事が嬉し

い。同時にわたしも「唯一」を目指さなくてはという思いを新たにした

エピソードでした。

秋田道夫

2019/8/3

かまど.jpg

11:33 AM

July 21, 2019


存在感

インテリアライフスタイルセラミック.jpg

別に、do-nabeが真ん中だから主人公というわけではありませんがセラミッ

ジャパンを支える製品のひとつになっている事が誇らしいです。

http://www.ceramic-japan.co.jp/

8:58 AM

July 16, 2019


「機微」

今お仕事をしているOGウエルネスが、岡山に本社があるので岡山につ

いて少しは知識が増えているのですが、岡山駅前には桃太郎の像が建っ

ています。

ところで桃太郎が、キジや猿や犬にプレンゼントした「きびだんご」で

すが、ほんとうは植物の「黍(きび)」ではなくて「機微」で出来た言

葉と行動じゃなかったと思うわたしです。

人がついて来てくれるようにするには確かに「食べ物金銭」を与えるの

も有効かもしれませんが、やっぱり相手の心の動きをさっして塩梅する

「機微」は必要かと思います。

「厳(きび)しい」ばかりでもダメだしね。

岡山出身の星野監督も、実は選手と家族の誕生日を覚えていて声をかけ

たりプレゼントしたりされていたという繊細な思いやりがあったようで

厳しい一方ではなかったようです。「黍だんご」も「機微だんご」もあ

ったわけです。

_

なぜそんな機微についてプロダクトデザイナーのわたしが考えるのか。

「それを使うと人は何を思うのか」そういう事(ばかり)考えてデザイ

ンしています。

考えている割には、円筒だったり直方体だったりというとんでもないシ

ンプルな結論がなぜ「機微」なのか。

特定のカタチをしているとすべて(とは言いませんが)がデザイナーの

柄に帰属しちゃうかなと思う訳です。 それよりは使う人がそれぞれに

「工夫を思いつく」のが、なんだか素敵な「きびだんご」に思うわたし

です。

 まあ「伝わらない覚悟」をしているわたしなので意図は伝わらなくて

も構わないのですが、おそらく長く使っていると『なんだこういう事

か。』という気付きのプレゼントはもれなくついています。 


秋田道夫 2019/7/16

11:08 AM

July 11, 2019


「3年目のあなたに」

わたしはブログをはじめるにあたって考えていたのは「会社に入って

3目のデザイナーに向けて書こう。」という事でした。

それはどういう事かと言えば、学生の頃は、世間のデザインもデザイ

も「一方的に見るもの」であり「一方的に批判をするもの」です

んでしまいます。ようするにリアリティーがありあせん。雑誌の上

(今ではネットの上)の話です。

まあ、会社に入ってもそう状況は変わりません。まわりも「初心者」

て様々な失敗も多少は許してくれる。逆に言えば先輩たちのして

いることも自分でしない分「批評」をする側にいたりします。

ところが、後輩が入ってくる2年目3年目に入ると自体は一変します。

要領の良い後輩もいたりして、中途半端な経験(みたいなもの)を持

出して先輩ずらも通用しないわけです。

要は「言う側」から「言われる側」、「見る側」から「見られる側」

立場が逆転します。

焦りますね。そういう心情の人に先輩(ずらはしないですよ)という

「昔経験した自分」としてなにか参考になることは書けないものか

なと思ったわけです。

_

先日も「賢さ」について書きましたが、デザイナーにあっても描写力

絵のうまさやアイディアだけでなく「文章力」やさらにいえば「世の

中の全体の流れを俯瞰する力」が求められる様になっています。

全部まとめて「客観性」なのかもしれません。

わたしがした事を言えば「企画や設計や営業と仲良くなる事」でした。

というか守衛さんや掃除のおばさんとも仲良くというか挨拶をして一

言二言話をする事でした。

ようするに損得抜きでみんなの元気がなれば良いという心持ちです。

客観性を極める(?)とどうなるかというと「デザイン」ましてや

プロダクトデザイン」なんて吹けば飛ぶような存在だという気持ちで

した。

たかだか知れているわけです。

さすがに「宇宙は広い」なんていうところには行きませんでしたが、

『ダビンチとミケランジェロのライバル関係を考えれば今のデザイ

でどういう言ってもしょうがない。』と学生の頃から思っていました。

あの人のデザインがなんて事よりも「具体的に影響のある」周りと

コミュニケーションの方がどれだけ大事かわかりません。

_

多くのデザイナーは「デザインが上手くなる」ために、会社でもデ

インを勉強しますが、実は一般の人から見ればすでに「とんでもなく

知っている」し「絵も上手い」という風に受け取られ待ています。

(絵が苦手なら人前で描かない事です)

そんなこともよりも「今流行っている事を例えてデザインの説明で

る」ようになった方がよほど「有用」です。

デザインを学ぶほどに「世間一般から乖離」します。

目の前の事を「言われる前にさっさとやって」周りから「重宝がら

る」のが大事かなと思います。

理屈抜きにやった事が後から見ると「理にかなっている」というあ

ようは素敵です。

_

美大に入ればプロダクトデザイナーとしてなんとかなる。いい会社

入ればプロダクトデザイナーとしてなんとかなる。そう思いがちです

がそんなにプロダクトデザインの世界は盤石でも堅牢でもありません。

すかすかのザルでありまばらな柵にすぎません。

デザインの良し悪しなんて世間も残念ながらデザイナー自身もよく

かりません。

大事なのは『彼いいよね。』とか『使えるね。』とか『ほんと助か

なあ。』そういう言葉を日常でもらえるのが、嬉しいし結果として長

く仕事を続けられる一歩かと思います。

秋田道夫 2019/7/11

1:54 PM

July 8, 2019


Red dot 2019 Best of the Best

計測器メーカーアタゴの新製品小型計測器「IoT データーハブpiccolo」

が、ドイツのデザイン賞「Red Dot Design Award 2019」の最高賞に

たる「Best of the Best」を受賞しました。

世界三大デザイン賞の一つと称されている「red dot」ですが、今年は、

世界55カ国から5500点の応募があり、Best of the Bestを授賞したの

応募総数の1.5%にあたる80点でした。

_

その製品は、4種類の液体成分の測定結果をIoT(Internet of Things

のインターネット)を使って、スマホにデータを送信して蓄積す

という最新のもので、その機能を超小型にまとめた事が評価された

です。

_

わたしは1990年代相当に「新しいカタチ」というものを見つけられ

彷徨っていました。

その終止符になったのが、2003年に発売された一本用のワインセラ

した。四角と円筒で「豊かな表現」が可能である事をカタチにした

ものです。デバイスタイルのシンプルで「モノクローム」のデザイン

が評判になった事によってひとつの確信を得ました。

だれでも考えられるかたちです。しかし難しいのはその単純なかた

機能と結びつける事です。

しかしわたしはその「基本形」で「無色」な形状に立ち返る事によ

考える要素を減らして機能の関係性に時間をかけるようにしたのが

今のわたしのカタチです。


2019/7/10 秋田道夫

ピッコロRED.jpg

10:11 AM

June 28, 2019


「賢さって何か」

仰々しいタイトルですが、わたしの事なのでそう難しい話にはなりま

せん。

_

デザインコンペや卒業制作を見て感じるのは「賢さ」なんですね。

プロダクトデザインに限定すれば、以前なら「完成予想図(スケッチ)

がすばらしい」といった描写力が重要な要素でしたが、最近では「絵

の上手さ」を感じる事が出来るのは、カーデザインのカテゴリーだけ

と言ってもおかしくはありません。

その人の絵の素養を、パネルから想像することは相当に困難です。

その代わりに見えてくるのは「仕上げの綺麗さ」と「簡略的に表現す

る」能力というものであり、さらに言えば「文章力」でしょうか。

自分が学生の頃には、文章が書けなくても「事が済んだ」ように思い

ますが、結局のところ製品(作品)がシンプルに(平板に)なるほど

に「その意図」を明確で読みやすい文章で表記することは「必須」に

なっているように思います。

ふつうで言えば「造形力」や「発想力」と書いても良さそうなもの

ですが、そういう事も今の「出口(アウトプット)」では、「綺麗

にまとまっている」「タイトルが秀逸」といった事に集約されてし

まいます。

賢い人つまり優秀な学生というのは、ターミネーターに出てきた液

体金属のロボットみたいなもので「どんな課題が出てもすり抜けて」

答えを出してきます。

A1のパネルを5枚でまとめなさいと課すれば、5枚をまとめてくるし

A2のパネル1枚といえばそれでまとめてきます。

つまり「全体を把握」しているので、拡張も圧縮も自由自在です。

日頃活躍できていない人に、活躍の機会を作りたいと課題をひねっ

ても結局は無駄(ではないですが)なんですね。

例えば、100円ショップで一番高そうに見えたものを買ってくると

いう「ただ買ってくる」だけの課題でも、結果的にトップに選ばれ

たものは、日頃優秀な作品を作る学生さんでした。

こうなると「絵が描ける「発想力が豊か」も関係なく、その人の

「デザイン力」のいくばくかは「自ら仕事をしなくても分かってし

まう」という事を意味してきます。

つまり日頃から本を読み街に出て「現在の価値のなんたるかを考え」

「相手の立場になってもの事を考える」というトレーニングをして

いるかどうかにかかっているといえます。

_

この話は結論めいたものはありませんが、わたしは今のデザインと

過去のデザインを比べることはしません。

なにせ「社会という空気」がないと生きていけない仕事なのですべ

てのことは「空気のなせる技」だと思っています。

ただ変わらないというかますます大事なのは「人に見せるものは綺

麗でなければいけない」という事かと思います「綺麗にできる」と

いうのは色々な要素の優先順位を考えて不要なものはカットしない

とそうはなりません。「見ていただく」事に対するもてなしの気持

ちの有無がわかります。

つまり仕上げの綺麗さはその人の賢さを端的に見せるものだと思う

事です。

秋田道夫

2019/6/27 iPhoneから送信

7:27 PM

June 27, 2019


DESIGN TOKYO 2019

展示会2019.jpg

昨日から、ビックサイト青海展示棟で「DESIGN TOKYO 2019」が始

まりました。

タケダデザインプロジェクトの展示ブースは「一番奥」です。

でも勝手な想像ですが、それは偶然ではなくて来場者の導線を最後まで

持っていく主催者側の意図かなと。あくまでも「私見」です。

なぜそんな風に思うかといえば、ブースに立ち寄ってくれる人が毎回多

いからです。(参加当時は、入り口近くでその事を喜んでましたから)

評判が良いので当初のブースサイズの3倍になりました。

ブースが広くなった事よりも、その後開発された製品が増えて全てをゆ

ったり展示できるスペースはもうありません。

シックでシンプルなブースデザインと「キラキラ」した展示品。

DESIGN TOKYO 2019の「必ず見るべきブース」の一つだと思います。

これも「私見」ですが、

秋田道夫

2019/6/27

10:34 AM

June 20, 2019


更新もしくは2008年

1ru-buru.jpg

ブログの場所が変わってあらためて「information」というブログは何

なのかを思うわけです。

「秋田道夫 information」と検索したら2008年7月のキャッシュが出

てきました。

わたしが自分の書いたブログを「サクサク」削除するようになったき

っかけの一つがこの「cash」というインターネットの特性にあります。

つまり本人が消してもネットに上げるとどこかにその痕跡や文章は残

るわけです。言い方を変えれば「勝手なクラウド(?)」です。

そのクラウドから自分で引き出したわけですね。

さて2008年7月のわたしは今から見て絶好調ですね。

文章もさわやか。すっかり有名人の振る舞いです。現実には今の方が

有名のような気がしますが、雌伏(?)から解放された気分に満ちて

おります。雑誌の取材や記事や講演会やコンペの審査やパーティーや

という華やかな記事がバンバン出てきます。

_

こんな一文がありました。「1か月に1回以上記事が更新されているア

クティブなブログの数は約300万ですが、それはブログ総数の2割弱だ

そうです。」この文の元になった調査が2008年の7月に発表されたも

ので、ここから6年後に書かれた記事によると「ブログのピークは200

8年だった。」とあります。

要するに、この2008年の7月分のキャッシュ(記録)は偶然でもなく

それは「ブログとしてのピークの遺構」だという事です。

ブログを通して人に知られる事になったわたしはブログのピークに合

わせて自分の「外向きの活動(活躍)」もピークだったわけです。

感慨深いですね。

_

余談ですがわたしの中で「好況感の特異年」というのが二つあります。

ひとつは、1963年。東京オリンピック前年ですね。その年の12月に自

宅が郊外に引っ越したという個人的にな感慨もありますが、なんだか街

が華やいだ気配だった記憶がありました。実は1963年の「紅白歌合戦」

がテレビ史上最高の視聴率だったんです。その数字なんと81.4%。

もうひとつの特異年が、1985年。ここにも個人的な感慨がある年です

が(偶然にも12月の末でした)バックツーザーフューチャーが大ヒット

した年でもありますが、会社も売り上げが最高を記録したといって臨時

ボーナスが支給された年でもあります。

後でわかった事ですが、様々な製品(家電)の「国内で作られる数」が

ピークだったのがこの1985年だったのです。

もちろんここから数年「バブル」に進むわけですが「体力が健全で等身

大での好況感」というのはこの1985年がピークだったように個人的にも

感じます。

_

よくご存知のように、この2008年7月の記事の翌月8月にリーマンショッ

クがやってきます。2009年の初頭には「戦後最高の不況」という話も出

ました。(そんな事はなかったと思いますが)

そんな空気感の中であったのが「エキサイトイズム」のインタビュー記

事でした。

内容は、『こういう不況の時こそプロダクトデザインは活用されるべき

だ。』というスタンスですが、文章の内容同様「みんなが迷っている時に

話を聞きたいと思われた事」というのが今でもありがたく貴重な事だと

思います。

逆に言えば、2008年7月までの「ノリの良い文章」というのは書けなく

なったきっかけの記事でもあります。

秋田道夫

2019年6月20日

10:01 AM